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NHK受信料義務化法案の阻止に向けて

放送法改定法案は悪法のオンパレード
 総務省は来月にも放送法改定法案を国会に提出する予定と言われている。伝えられるところでは、この法案には、テレビ設置の通知を義務化したうえでNHKの受信料の支払いを義務化するほか、不払いに対する割増金、延滞金制度も盛り込まれるという。

 しかし、改定はNHK関連にとどまらず、「マスメディア集中排除原則」を緩和して、総務相の認定を条件に、複数の放送局を100%子会社として傘下に置く「認定放送持ち株会社」を解禁するほか、「関西テレビ」の<あるある大辞典2>の番組捏造事件を端緒にして、事実と異なる報道をした放送局に対して「再発防止計画」の提出を求める権限を総務大臣に与える規定も盛り込まれる模様である。

 こうした一連の改定に共通するのは、①NHKか民放かを問わず、放送事業や個々の番組内容にまで公権力が介入できる仕組みを作り、②受信料制度をNHKと視聴者の双務契約に基づく自律的関係から、行政の管理下に引き寄せようとする点である。

  たとえば、事実と異なる報道をした放送局に対して「再発防止計画」の提出を求める権限を総務大臣が持つというが、何が事実かを公権力が決めるとなれば、事実の調査・確認を理由に行政が個々の番組内容に立ち入るのは不可避である。

 また、菅総務相は、受信料義務化と抱き合わせで受信料の2割程度の値下げを執拗にNHKに迫っているが、NHKの財政的基盤である受信料の水準まで行政のイニシアティブで左右されるとなれば、NHKの経営は行政の意向に揺さぶられる結果になるのは必至である。受信料の現行の水準が適正かどうかは議論されてしかるべきであるが、それは行政が口出しする問題ではなく、NHKが視聴者に対して十分に財務内容を開示し、それを受けて視聴者とNHK、経営委員会が自立的に判断する問題である。

NHKへの視聴者の異議申し立てを封じる受信料義務制
 今回の放送法改定案の柱の一つともいえる受信料の義務化は、双務契約で結ばれてきた視聴者とNHKの自治的関係を、公権力が介在する強制力を後ろ盾にした片務的な関係に変質させようとするものである。
 
  これについて、受信料を払う者と払わない者の不公平を解消させるためには、受信料の支払いを法律で義務付けるのもやむなしという議論がある。しかし、支払い義務を双務契約で定めるのか、それとも法律で定めるのかで、NHKと視聴者の関係は根本的に変化する。

 なぜなら、双務契約のなかで定められる義務は無条件で絶対的なものではなく、契約の相手方の義務の履行状況によって条件付けられる相対的な相互牽制的なものとなる。言い換えると、契約の相手方であるNHKが公共放送としての根幹的な責務(その中心をなすのは、公権力から自立し、視聴者の知る権利に応える放送を提供すること)の履行を怠った場合は、視聴者は、支払いを免れたいがための後ろ向きの不払いではなく、NHKに責務の履行を促すための手段として受信料の支払いを停止する抗弁権が留保されていると考えられるからである。

  「受信料はNHKに対する国民の信任投票であり、それを義務化すれば信頼度を測るバロメーターを失うことになる
  (『日本経済新聞』2007年1月14日、社説)

とは、このことを言うのである。

 ところが、受信料の支払いが法律で義務付けられるとなれば、視聴者はNHKの放送がどうであれ、無条件に受信料の支払いを強制され、支払い停止には割増金が予定されている。逆にNHKは、番組編成や番組内容が公共放送に照らして問題があるなしにかかわりなく、税金と同様に公権力の強制力を後ろ盾にして、受信料を確保できることになり、視聴者の目線に対する感度が今以上に鈍ることは避けられない。

受信料義務化を考える全国市民連絡会を結成

 そこで、私たち各地の市民団体はこの2月20日に、受信料義務化を廃案に追い込むべく、「ちょっと待って! NHK受信料義務化を考える全国市民連絡会」を立ち上げ、義務化反対の署名運動に各地で取り組むことにした。この連絡会への参加の呼びかけ文は次のとおりである。
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/rerakukaisankanoyobikake.pdf

 この署名運動の先陣として、当会(NHKをNHKを監視・激励する視聴者コミュニティ)とNHK問題を考える会(兵庫)、NHK問題京都連絡会は明日(2月23日)から、この署名運動を始める。
 当会が受け付ける署名用紙は次のとおり。
 http://sdaigo.cocolog-nifty.com/gimukahantai_shomei.pdf
 このブログにアクセスいただいた方もご協力をいただけると幸いである。なお、当会では、ネット署名も受け付ける予定で今、そのための入力フォーマットを準備中である。まもなく、会の下記のHPにアップされるので、ネットを利用される方はそちらからでも署名をいただける。
  http://space.geocities.jp/shichoshacommunity/

 もちろん、ネットを利用されない方々は高齢者をはじめ、まだまだ多い。そういった方々には上記の署名用紙をお届けいただき、署名への協力を呼びかけていただけるとありがたい。

近く全国紙に「義務化法案を廃案に!」の意見広告を掲載

 上記の全国市民連絡会は、受信料義務化阻止のための署名運動に続き、来月中旬には、全国紙に「義務化法案を廃案に!」の意見広告を掲載する企画を立て、そのために車の両輪となる①紙面作り、②募金活動、の準備を進めている。来月早々から募金を呼びかける予定だが、こちらにも皆さんのご協力を訴えたい。

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コメント

ウィルヘルミナ様 コメント、ありがとうございました。私もご意見に同感です。スポンサーが付きますと出演者についてもいろいろと注文がつきそうな気がします。というか、スポンサーの意向、好みを放送局側が忖度して「自主的」判断で出演者を決めるため、干渉がみえにくくなる気がします。
 受信料は「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という原理で成り立っていると思っていますので、対価性を前提にするスクランブル化はこうした受信料制度と相容れないと思っています。

投稿: 醍醐 聰 | 2008年3月24日 (月) 02時15分

久しぶりです、醍醐さん、私は、民営化およびスクランブル化は、反対です。
というのは、民営化すると、スポンサーが入ってきて、特に、芸能番組・スポーツ番組で齟齬がでてきてしまうからです。
まず、芸能番組では、特にドラマですが、そんなに視聴率取れなくてもしっかり演技できる俳優達の行き場がなくなるのではないでしょうか?スポンサーは、例えばジャニーズのタレントを使えという圧力をかけてくるでしょうし、グラドルあがりで演技経験のない女性タレントと即起用ということになると思います。だから、今のようにそういうコマーシャリズムとは一線を画した路線を続けていって欲しいと思います。
次にスポーツ番組ですが、スポーツの中継に、これまたタレントを使えという圧力をかけてくるでしょう。今は、スポーツを熟知した専門のNHK局アナと解説者だけの静かなスポーツ中継を楽しめるのに、民営化なんて断固反対です。うるさいだけの民放アナウンサーのようになるのは、目に見えているから、本当に反対です。
なぜ、NHKをつぶそうというのでしょう。
NHKの教養・知性路線を気に食わない人達が、声高に「NHK改革」と叫び続けているのです。
NHKをつぶすととんでもないことになりますよ。民放のおバカ路線を喜ぶには、自民党の政治家なんですからね。

投稿: ウィルヘルミナ | 2008年3月14日 (金) 11時45分

受信料を払っている人と悪意で払っていない人の不公平を無くさなければならない。
そのためには、スクランブル化または民営化が必要。

投稿: NHKは民営化 | 2008年2月29日 (金) 16時59分

私も、受信料義務化法案は反対です。

ただ、NHKのスクランブル化と言う形で受信料を払ってない人には見せないって形なら良いかなとは思いますが・・・

TV所持=受信料払えってのは反対です。

最低限、民放の放送を見る権利を保障して欲しいです。

投稿: アユ | 2007年2月23日 (金) 17時29分

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