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放送法の一部改定案の概要判明

 総務省は国会に放送法の一部改定法案を提出する準備を進めているが、このたび総務省が作成した法案の概要が判明した。入手したのはファイルベースではなく、プリントなので以下、それを入力してお知らせしたい。

 それぞれの事項について、個々に吟味が必要であるが、それ以前に、放送法を所管する行政当局が法令改廃に係る法案提出権限を行使して、NHKか民放かを問わず、以下のように、放送メディアのガバナンスや経営形態、番組編成基準等に次々と介入する現実を見たとき、放送事業の管理監督権限を誰が担うべきなのか、時の政権与党と不離の関係にある行政がそれを担い続けてよいのかどうか、という根本問題に行き着くように思われる。 こうした問題について、視聴者の側からの意思表明が強く求められている。

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                                 平成19年2月
                                 総  務  省

            放送法の一部改正(概要)

趣旨

 通信・放送の在り方に関する政府与党合意」、「通信・放送分野の改革に関する工程プログラム」等を踏まえ、通信・放送分野の改革を推進するため、NHKのガバナンス強化、認定放送持株会社制度の導入等の所要の改正を行う。

改正概要
                     *印は、「政府与党合意」関連項目
1 NHK関係
 (1) ガバナンス強化(*)
  NHKのガバナンスを強化するため、経営委員会について、監督権限の明確化、一部委員の常勤化、議決事項の見直し等を行うとともに、経営委員から構成される監査委員会の設置(現行の監事制度は廃止)、外部監査の導入等を措置する。

 (2) 契約締結義務を受信料支払い義務へ(*)
  受信料の公平負担を徹底するとともに、受信料制度の趣旨を明確化するため、現行の受信契約締結義務に代えて受信料の支払義務を直接法定する。また、受信設備設置のNHKへの通知や受信料徴収への外部情報活用に関する制度等を措置する。

 (3) 番組アーカイブのブロードバンドによる提供(*)
  NHKが放送した放送番組(番組アーカイブ)をブロードバンド等を通じて有料で提供することをNHKの業務に追加するとともに、利用者保護のため、その業務の実施基準について認可を要する等を措置する。

 (4) 新たな国際放送の制度化(*)
  我が国の対外情報発信力を強化するため、NHKの国際放送の業務を「外国人向け」と「在外邦人向け」に分離し、それぞれに適合した番組制作等を新法人に委託する制度を設ける。

 (5) 命令放送制度の見直し
  国際放送の命令放送制度について、「命ずる」との文言を「求め」に改めるとともに、NHKの番組編集の自由に配慮すること等を規定する。

2.民放関係

 (1) 認定放送持株会社制度の導入(*)
  経営の効率化、資金調達の容易化等のメリットを有する「持株会社によるグル-プ経営」を経営の選択肢とするため、複数の地上放送事業者の子会社化を可能とすマスメディア集中排除原則の適用緩和や外資規制の直接適用等を内容とする「認定放送持株会社制度」を導入する。
  (マスメディア集中排除原則については、電波法及びその省令で   措置)

 (2) 有料放送管理業務の制度化
  相当数の有料放送契約を代理等する有料放送管理業務(いわゆるプラットフォーム業務)の影響力が増大してきていることを踏まえ、受信者保護を図るため、その業務を行う者は、業務開始の事前届出と業務運営の適正確保のための措置を講ずること等を規定する。

 (3) ワンセグ放送の独立利用の実現
  地上デジタルテレビジョン放送の携帯端末向け放送(ワンセグ放送)について、一般のテレビで受信する番組とは異なる番組の放送(独立利用)を可能とする。

 (4) 委託放送事業の譲渡に伴う地位の承継規定の整備
  委託放送事業を譲り受けた者は、総務大臣の認可により、委託放送事業者の地位を承継できることとする。

 (5) 有料放送の料金に関する規制緩和
  地上放送による有料放送の料金設定等に関する総務大臣の「認可制」を「届出制」に改める。

施行期日

 公布の日から1年以内の政令で定める日

(以下、次の各図表は省略)
  【参考】NHKガバナンス改革の主な措置事項
       認定放送持株会社制度のポイント
   放送法違反の場合における放送事業者に対する措置

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コメント

三文文士様
コメントありがとうございます。今回の放送政策課長の「更迭」の詳しい事情はわかりませんが、そもそも受信料の値下げと義務化をバーターで仕掛ける総務相の発想が不見識であり、市民・有権者を愚弄するものだと思います。それがNHKの「予想外の」抵抗でうまくいかなかったからといって担当課長に責任をかぶせるのでは行政の長として失格です。
今後ともご意見、よろしくお願いします。

醍醐 聰

投稿: 醍醐 聰 | 2007年3月 3日 (土) 21時17分

はじめてコメントいたします。
NHKをめぐる問題について、権力とメディアの距離をかんがえる中、大変関心をもっています。
受信料義務化については昨日、参院選をひかえて得策でないとして、事実上見送りの報道がながれました。

しかしここで問題なのは、同時に菅総務相がNHKとの折衝担当だった放送行政課長を更迭したことです。
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070301k0000e010002000c.html
いったいこの人事にいかなる意味があるのか…一抹の不安をおぼえました。
地デジなどのメディア問題批評を展開する西正氏は、「菅大臣よ、恥を知れ!」と題した記事をブログにのせました。
http://officen.blog.shinobi.jp/

命令放送・「あるある大事典」問題など、権力によるメディアへの介入をこころみようとする菅総務相および総務省のやり方に、非常な反発をおぼえるものです。
これからもこちらのブログを拝見し、メディアのあるべき姿をかんがえていきたいとおもっています。

投稿: 三文文士 | 2007年3月 2日 (金) 13時52分

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