次期NHK会長選出に視聴者の声を――賛同署名の呼びかけ――
来年1月で任期切れとなるNHK会長の後任人事が注目されている。なぜ注目されるのか、私はその理由を次のように考えている。
①本来、NHK会長には放送文化の担い手たる公共放送の最高責任者にふさわしい高い見識が求められる。また、NHK会長は健全な民主主義を発展させる言論の広場としての公共放送の「顔」ともいうべき役職である。目下、巷間で名前が取りざたされている人々が、このような役割を担うにふさわしい人物であるかどうか、広く視聴者の間で議論を喚起する必要がある。
②2年半前に内部告発によってETV番組への政治家の介入が発覚したが、その後もNHK執行部はこの問題について明確な自省の態度を示していない。また、菅前総務大臣が放送への行政介入を制度化する放送法改定法案を国会に提出し、継続審議となっている。その中でNHKに対しては、ガバナンス強化を謳い文句に、一部経営委員に権限を集中させたうえで、その権限行使の大枠を国会審議を経ずに制定できる総務省令で定めることを可とする条項を盛り込まれている。また、看板を書き換えただけで国際命令放送を維持する条項を盛り込んでいる。こうしたことから、次期NHK会長には政治との距離をどう保ち、放送の自主自立をいかにして堅持するかという重い課題が待ち受けている。
③加えて、会長任命権を持つ経営委員会の委員長に安倍前首相の人脈で古森重隆氏が任命されたほか、かつて安倍前首相をめぐる係争事件で安倍氏の代理人を務めた人物が経営委員に就任した。そして、懸念されたとおり、古森氏は9月に開催された経営委員会で、「選挙期間中の歴史物の番組は慎重に」などと、特定の政治的立場を代弁するかのような放送への干渉発言をおこなった。
こうした状況の下で次期NHK会長にどのような人物が選ばれるのかは、NHKの体質に甚大な影響を及ぼすと考えられる。それだけに、視聴者の厳しい監視と意見発信がこれまでになく強く求められている。
そこで、私が参加する「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は親しく共同行動を取ってきた「放送を語る会」、「日本ジャーナリスト会議」のメンバーと協議をし、経営委員会に対し、下記のような申し入れを提出することにした。目下、この申し入れに関する賛同の署名を呼びかけている。
11月26日に署名簿を添えて代表がNHKへ出向き申し入れを提出することになっている(次回NHK経営委員会が翌27日に開催されるのに合わせた期限設定である)。この申し入れに賛同くださる方は至急、次の方法で署名をお送りくださるよう、お願いしたい。
なお、この署名は11月25日以降も、次々回NHK経営委員会(12月13日)に向けて継続するので、今回、間に合わなかった方もぜひ、お願いしたい。
なお、この申し入れには、これまでに次の方々が賛同されている(敬称略)。
桂 敬一(元立正大学教授) 松田 浩(元立命館大学教授)
服部孝章(立教大学教授) 田島泰彦(上智大学教授)
林 香里(東京大学准教授) 野中章弘(アジアプレスネット ワーク代表)
WRB署名の方法
下記の「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」のホームページに設定された署名入力フォーマットに記入の上、送信してください。
http://space.geocities.jp/shichoshacommunity/
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2007年11月26日
NHK次期会長選出に際しての申し入れ
NHK経営委員会 委員各位
経営委員各位におかれましては、公共放送の経営と放送番組の向上のために、日夜ご精励のことと拝察いたします。
さて、一連の不祥事などに端を発したNHKの経営危機を克服すべく、NHKの新生と改革、視聴者第一主義を掲げて会長に就任した橋本元一現会長の任期が、来年1月末に切れます。
私たちは、公共放送NHKが国民的な世論形成と、放送の文化的役割を果たすうえで極めて重要な責任を負っていることを思うとき、次期会長の選出のあり方に重大な関心を寄せざるを得ません。
わが国ではこれまで会長の人事は、政府の意向や一部関係者の間で水面下で進められ、受信料でNHKを支える主権者としての視聴者・市民には、会長選出の経過すら知らされて来ませんでした。
公共放送の会長選出については、英国や韓国などの先進国で、会長の公募制や推薦制が実施され、新聞紙上などで活発な論議が交わされており、日本でも、現行放送法の枠内で、経営委員会の裁量で公募制を採用し、民意を代表する優れた人材を選ぶ道は開かれていると、私たちは考えます。
私たちは、NHK次期会長の選出に当たっては、会長の任命権を持つ貴経営委員会が、何にもまして視聴者・市民の意向を尊重しつつ、会長候補の公募制に踏み切り、広い視野から公共放送の責任者としてふさわしい適格者を選ぶ努力をされるよう、次のように申し入れます。
申 し 入 れ
一.会長の選出基準については、ジャーナリズムと放送の文化的役割についての高い見識を持ち、言論・報道機関の責任者として、放送の自主自立の姿勢を貫ける人物であるかどうかを判断の柱にすえること。
二.会長選出の審議経過の議事録を公開し、説明責任を果たすこと。
三.経営委員会が公募した会長候補の中から会長を任命する公募を採用すること。
以 上
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