« 視聴者コミュニティ、福地NHK会長宛てに申し入れ | トップページ | 国歌斉唱の拒否を理由に再雇用せずは違法――東京地裁判決 »

視聴者コミュニティ、NHK経営委員会に抗議・要請・質問書を提出

〔速報〕さきほどNHKは、今日開催された経営委員会で同意を得て副会長に今井義典氏を任命したと発表した。
http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/otherpress/080129.html
 今井氏は放送総局解説委員長、同解説委員室主幹を歴任した人物である。


「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は昨日(1月28日)、NHK経営委員会に宛てて、次のような文書を提出した。このうち、質問事項については25日までに文書で回答するよう求めている。
 このうち、最後の質問事項に挙げた、NHK会長選考の核心部分が議論されたはずの経営委員会議事録の公開は視聴者の負託を受けて活動する経営委員会にとって必須の説明責任であるので、曖昧に済ませるわけにはいかない。

 ***************************************************

                   2008128
NHK経営委員会 御中

  副会長、理事「更迭」に対する越権的介入に対する
  抗議・要望・質問

      NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ
           共同代表: 醍醐 聰・湯山哲守  
 HPhttp://space.geocities.jp/shichoshacommunity/ 
 Eメール・アドレス:shichoshacommunity@yahoo.co.jp


           抗議と要望

 125日付の毎日新聞は「・・・経営委は橋本氏に対し、永井多恵子副会長と原田豊彦放送総局長(専務理事)を辞任させるよう求めた。これに対し、橋本氏は永井氏の辞任を了承、原田氏は留任させる意向を示した」と報じました。もしこの報道が事実だとしたら、貴委員会は放送法を無視した越権行為を行ったことになり、私たちは見過ごすわけにはいきません。放送法では、会長人事は経営委員会が行うが、副会長・理事の任命は「総営委員会の同意を得て」会長が行い(27条)、「罷免」も同様に規定(29条)されています。このように放送法が、わざわざ会長と監事の任免権は経営委員会にあり、副会長以下の人事は会長に発議権があることを規定しているのは経営委員会と会長の二元体制を認めているからに他なりません。それは執行体制を会長のリーダーシップに委ねることが事業展開にとって有効であるからだと考えられます。今回、経営委員会が橋本NHK会長(当時)に突きつけた副会長ならびに理事の罷免要求は口頭での要求とはいえ、放送法で定められた経営委員会の権限を逸脱した違法なものであり、厳重に抗議するとともに、非を認め、同じような違法行為が繰り返されないよう、強く申し入れます。

 今回の貴委員会の違法な発言は、インサイダー取引の不正事件を利用した「副会長等の追放劇」ではないかと疑う根拠があります。今回の会長選出に当たっての貴委員会・指名委員会議事録がNHKのサイトで公表されています。その第3回分に、「橋本会長については、5カ年年計画が踏み込み不足により承認に至らなかったこと等の理由により会長職を委ねない。その他の現執行部についても、同様の理由により会長職を委ねない。」と確認されたことが記されています。

 振り返れば、貴委員会が執拗に旧執行部を全体として否認しようとしてきたことは紛れもない事実です。当会は昨年NHK執行部の5カ年計画の否決を行った貴委員会に対して、「NHKの次期経営計画の議決を見送った経営委員会の見解について――私たちの見解と質問――」(102日付)を提出し、その乱暴なやり方を批判し、合わせて、「受信料引き下げ幅に固執していることの偏狭性」と「NHK執行部との対立をことさら展開することの危険性」について警告しました。

 いまから振り返ればこれらの危惧は当を得ていたものと考えざるを得ません。昨年9月の貴委員会の「5カ年計画の否決」は来るべき「会長人事」において現執行部を一掃するプログラムのプロローグだったとしか言いようがありません。ほんの半年前、31日の貴委員会の「見解」と全体として整合する「5カ年計画」は「修正」こそあれ否決しなければならないほど杜撰なものではありませんでした。「否決」即ち、「現執行部否認」のアドバルーンと考えてはじめて理解できるものです。このような貴委員会の異常な行為はジャーナリズムの世界においては決してふさわしいものだったとは言えません。

 ところで、今回のインサイダー取引の不正問題の発生に貴委員会は責任がないのでしょうか。責任は「執行機関」(理事会)にのみにあって「監督機関」(経営委員会)にはないということなら「責任逃れ」のそしりは免れません。昨年109日の経営委員会席上で古森委員長が「番組基準や放送番組の編集に関する基本計画については、重要な事項であり、経営委員会で議決することになって」いると発言し、続けて小林経営委員が「経営委員会が、NHKの最高意思決定機関であることについては、異存はないですね。」と念を押し、橋本会長に「異存ありません」とむりやり答えさせていることが議事録に載っています。経営委員会は「ただの監督機関ではない」と執拗に確認していたのです。今回の不正事件について、もし貴委員会が「監督機関に過ぎない」として「最高機関」としての責任が不問に付されるとしたら二重基準といわれても致し方ありません。

 古森委員長にはNHKに放送機材(ビデオテープ)を納入する会社の社長であることから、精神として「放送法に抵触する」との疑問がわき起こりました。また、執行部に対して「選挙期間中の放送については、歴史ものなど微妙な政治的問題に結びつく可能性がありますので、いつも以上にご注意願いたいと思います」と発言し、各界から抗議が寄せられました。そして、放送法の改正においても、わざわざ16条に経営委員の権限の項に

 「1 委員は、この法律又はこの法律に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。
  2 委員は、個別の放送番組の編集について、第三条の規定に抵触する行為をしてはならない。」

と新条文が追加されました。さらに古森委員長は安倍晋三前首相を囲む経済人の集まりである「四季の会」のメンバーだったことに関連して「退会したかどうか」という当会としての質問状(1018日付)にいまだ回答をいただいていません。マスコミも「退会した」との確認報道をしていません。NHKが政治からの独立性を生命線とする公共放送である以上、そのNHKを監督するNHK経営委員会も政治からの独立性が不可欠であることは言うまでもありません。

 このように「政治的に中立」であることに疑義をもたれる人物を長に持つ貴委員会が今後も強引な経営を行うのではないかとの不安がぬぐえません。貴委員会を構成される委員の皆様が合議機関としての機能を十分発揮され、放送法に経営委員会自らの放送へ介入を防止する条項が新設されるといった不名誉な実態を反省して、NHKの監督に当たって頂くよう強く要望する次第です。

        回答の督促と申し入れの補足

1.今回のNHK会長人事にあたって、当会は昨年1221日付けで貴委員会に対し、要望・質問書を提出しましたが、いまだ回答をいただいていません。念のため、再度、同文書を同封しますので、すみやかに下記宛てに文書でご回答ください。

2.1221日付けの上記の文書でも要望しましたが、NHK会長人事に係る貴委員会の議事のうち、下記の部分の議事録がいまだに公表されていません。これは視聴者に対する説明責任の不履行を意味する重要な問題です。

14回にわたる指名委員会の議事録

21225日午前中に開催された福地茂雄氏と面通しの経営委員会の議事録
3)貴委員会が橋本前会長らNHK執行部(当時)を次期会長の選考対象から除く根拠とされた次期5カ年経営計画(執行部案)に対する否定的評価(却下)をまとめた「5カ年経営計画(執行部案)についての経営委員会の見解」をめぐって議論された(はずの)経営委員会の会合の議事録(開催日時、場所も含め)

 このうち、(1)については貴委員会のホームページに「議事録」と称した記録が掲載されていますが、発言者の氏名も付されず、委員の個々の発言も示さない、極めて粗い議事要旨であって、当会が公表を求めた議事録には程遠いものです。

 貴委員会は昨年1225日付けの公表文書で、菅原委員が経営委員会内の議論の模様を「備忘録」として他の委員に通知せず公表されたことを非難し、不正確な個所があると指摘されました。であれば、貴委員会の総意で、あの「備忘録」に代わる正式の議事録を公表されるのが道理です。そうした視聴者に対する当然の説明責任を果たさないまま、菅原委員の行動を非難して事足れりとするのは本末転倒です。

 上記3点の議事録をすみやかに公表されるよう、重ねて申し入れます。
                        以 上

 各質問に対するご回答は項目ごとに書面で、25日までに下記宛てにお送りください。
 
×××

|

« 視聴者コミュニティ、福地NHK会長宛てに申し入れ | トップページ | 国歌斉唱の拒否を理由に再雇用せずは違法――東京地裁判決 »

「NHK問題」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 視聴者コミュニティ、福地NHK会長宛てに申し入れ | トップページ | 国歌斉唱の拒否を理由に再雇用せずは違法――東京地裁判決 »