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政治的自立、非当事者原則にもとるNHKの主催~天皇・皇后に祝意を表すコンサート再論~

 一つ前の記事で書いた、428日に予定されている天皇・皇后の成婚50周年、即位20周年を祝うコンサートの主催団体にNHKが加わることについて補足をしておきたい。
 今回の企画は、NHKが、産経新聞社という特定の報道機関等と共催で、日本を代表する経済団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所、経済同友会)の後援を受けて、天皇・皇后の成婚、即位の節目を祝う催しを、「報道対象」として扱うのではなく、催しの「主催者=当事者」に加わる点で、先例のない重大な問題をはらんでいる。

 NHKは日時は未定ながら、この記念コンサートの模様をいずれ放送すると語っている。しかし、今日でもなお、天皇制の歴史的役割を十分知らされないまま、学校行事において国歌・国旗への敬意を強制され、それに従わない教員に対する処分が各地で続発している。
 このように天皇制について様々な意見・信条を持つ視聴者が存在する中で、天皇・皇后の成婚・即位の節目を祝うコンサートの開催費用ならびに番組制作費用の一部に受信料が充てられるとなれば、天皇制の存続、歴史的役割にこだわりや批判的な意見を持つ視聴者の憲法第18条で保証された思想・良心の自由が侵されることになる。

 また、後援団体である日本経団連等が番組制作費用に通じるコンサート開催費用の一部を負担するとなれば、事実上、スポンサー付きの番組となり、これはこれで大いに問題のある先例になる。なぜなら、NHKは視聴者が収める受信料を財政基盤とすることによって放送の自主自立を維持することを生命線とする公共放送のはずだからである。

 2001年に起こったETV番組改編問題をめぐってNHKは、天皇が絡む問題(昭和天皇の戦争責任問題)は扱いが難しかったため、自らの編集権に基づき慎重を期したまでで、政治家の圧力に従ったものではないと繰り返してきた。しかし、真相はどうかというと、この番組改編事件は摩擦が予想される天皇制が絡む問題は避けるというNHKの政治に弱い体質を如実に露呈したものだった。また、他のメディアもNHKのこうした摩擦を避ける体質を追究するどころか、自らも天皇が絡む問題をタブー視してきたことは否めない。今回もNHKが天皇・皇后の成婚・即位の節目を記念するコンサートを主催することについてほとんどのマスコミは沈黙を守っている。

 しかし、天皇にまつわる催し、天皇家の冠婚葬祭となると市民はいつも敬意を強制され、物を言いにくい風潮がまかりとおる現実、そしてそうした現実をメディアが素知らぬふりをする状況は、成熟した民主主義、国民主権の対極にあると同時に、ジャーナリズムの「非当事者原則」、政治的独立の原則、権力監視の役割と根本的に相容れない。今からでも、多くの市民がこの問題に関心を向け、議論を興して意見を表明することが重要ではないか?

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春の本郷キャンパス

上:桜の木から見上げた安田講堂
下:陽気に誘われて

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