『世界』12月号に新銀行東京問題の小論を寄稿
発売中の『世界』12月号は<東京都政も転換を>と題する特集を掲載しています。
http://www.iwanami.co.jp/sekai/index.html
(左サイドバーの「今月号の目次」をクリックしていただくと各論稿の要約をダウンロードできます。)
そこに私は「新銀行東京には清算以外の道はない~あるべき中小企業支援策とは~」と題する小論を発表しました。他の執筆者の論稿と併せ、一読いただけると幸いです。
全文を転載できないのは残念ですが、小論に掲載したデータを掲載しておきます。
図表1 新銀行東京の融資件数と融資実行額の推移
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/t1_yushi_zisseki.pdf
ここから、新銀行東京の融資実績が件数、金額どちらをみても限りなく終末に近付いていることが分かると思います。
図表2 新銀行東京とその他の業態の銀行の預貸率の比較
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/t2_yotairitu.pdf
ここでいう「預貸率」とは、集めた預金のうち、どれだけを融資に回しているかを示す指標です。新銀行東京の場合、この比率が2006年3月期以降、40~45%台を推移し、70%台で推移している地方銀行、地方銀行Ⅱと比べ異常に低い水準であることがおわかりいただけると思います。これは新銀行東京の金融機関としての機能がいかに低いかを表しています。
『世界』2009年12月号 目次
<特集 東京都政も転換を 石原時代の終焉>
【対 談】
目標を見失った都市・東京
平山洋介 (神戸大学)、町村敬志 (一橋大学)
【共同提言】
チェンジ・ザ・イシハラ――「石原的な政治」からの転換を
新東京政策研究会
【東京を問う意味】
新自由主義転換期の日本と東京――変革の対抗的構造を探る
渡辺 治 (一橋大学)【執筆者からのメッセージ】
【総 括】
データから見る石原都政の10年間――世界都市戦略、二極分化、そして新自由主義改革
進藤 兵 (都留文科大学)
【予想された破綻】
新銀行東京に清算以外の道はない――あるべき中小企業支援とは何か
醍醐 聰 (東京大学)
【組織された競争への対抗】
新自由主義教育「改革」をどう乗り越えるか
世取山洋介 (新潟大学)
【再開発とせめぎ合う】
築地市場――都市に欠かせない多様性
今松英悦 (ジャーナリスト)
【メガイベントへの対置】
オリンピックと地域スポーツ振興の架橋
尾崎正峰 (一橋大学)
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