2010年3月31日 最後の出勤日
今日が最後の出勤日となった。といっても年度内に大学に提出しなければならない報告書のまとめがのびのびになって昨日は徹夜になった。どうにか午後に提出して一段落すると、36年間の教育職の最後の日という実感が湧いてきた。
帰宅すると、もう10数年前に北海道大学へ非常勤の集中講義に出かけた時の受講生の一人(今は会計学の教育・研究職に就いている人)から、また、以前、田中康夫氏が知事の時代に長野県で審議会の委員をしていた時に取材で出会って以来、お付き合いをしてきた某全国紙の記者の方から、花が届いていた。連れ合いにも大きな花を用意して帰宅を迎えてもらった。
今日までに学部の同僚やゼミのOB&OGによる送別会、私の演習に参加したり論文指導をしたりした大学院生や親しくお付き合いいただいた方々との会食など、それぞれに意義深いひと時を過ごさせていただいた。そんな中で私が何よりもありがたかったのは現役のゼミ生と、私が東京大学出版会から書物を刊行するにあたってお世話になった出版会の歴代の編集担当の皆さんから寄せ書きをもらったことである。その画像をアップさせていただく。
東大出版会の皆さんからもらった寄せ書きに、初版以来第4版まで『会計学講義』の印刷を担当された精興社の方からも送別のことばをいただいたのは思いもよらないことで感慨深かった。
もう講義の準備をしなくてよいのかと思うとほっとする反面、フレッシュな大学生と向き合う機会がなくなるのはやはりさみしい気がする。しかし、その分増える自分の時間をこれからは研究の時間に充て、現役時代にやり残した多くのことを自分に残された持ち時間の中で少しでもやり遂げたいと思う。また、これまで十分に立ち入れなかった会計の外の世界にも翼を広げて知的好奇心を形のあるものに実らせ、娘から届いた花に添えられていた「アグレッシブな生活を」という言葉に応えたいと思う。
最後になりましたが、今までこのブログにアクセスしていただき、ご交誼や叱声をいただいた皆様に厚くお礼を申し上げます。これからはより精力的にこのブログで日々の体験や思索を発信していきたいと思っています。どうか、よろしくお願いいたします。
歌の上に節を曲げざるわれのため 今よき友らわが周りに集う
小島 清
(小島清氏は私の姉を短歌の世界に導いていただいた歌人で、私たちの 結婚式の折に媒酌人を務めていただいた方である。)
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