分担執筆した『「坂の上の雲」の歴史認識を問う』発売
中塚明さん、安川寿之輔さんと私の共著『「坂の上の雲」の歴史認識を問う』(高文研)が6月4日発売となった。本書は歪んだ朝鮮観、日清・日露戦争に関する誤った歴史認識に立って書かれた司馬遼太郎の『坂の上の雲』をNHKがドラマ化し、こともあろうに韓国併合100年の年を挟んで3年にわたって放送することが決まったことを危惧する歴史学者、メディア研究者、市民団体などが全国規模でこの番組に対する警鐘をならそうと集った運動体(「坂の上の雲」放送を考える全国ネットワーク)による活動の一環として企画されたものである。
共著といっても、中塚さんは日朝関係史研究のパイオニアであり、安川さんは丸山真男によって生み出された福沢諭吉神話の解体に筆を奮って来られた方である。そのようなお二人に並んで素人の私が執筆するのはおこがましいことだが、私も上のような全国規模の運動の立ち上げに関わっていたことから、また、これを機に日本の近現代史を勉強してみようという好奇心から、執筆に加わらせてもらった。
編集担当のMさんからは8,000字以内でと言われていたが、資料を調べていくうちに書きたいことが膨らみ、結局11,000字ほどの分量になってしまった。それでも今、読み返すと、書き足りなかったことが少なくない。具体的には、
①NHKの番組が、日清戦争の開戦に至る経過を描く場面で、東学農民の蜂起を鎮圧するため、朝鮮政府の要請を受けて清が朝鮮へ派兵をしたのに対抗して日本が閣議で朝鮮出兵を決定した1894(明治27)年6月1日の場面から、いきなり、日本が清に宣戦布告をした同年7月25日の場面に飛ばしたため、日清開戦の現実の経過が番組からすっぽりカットされてしまった点、
②NHKのドラマでは一言のナレーションでスキップされた閔妃(明成皇后)殺害事件の真相について、
これらについては、一つ前に掲載した記事(5月30日に地元の9条の会で講演するために準備した資料)で触れているので、ご参照いただけると幸いである。
出版社の高文研が作った案内文書も掲載しておきたい。
http://www.koubunken.co.jp/0450/0443.html
定価:1,500円+税
注文先:株式会社高文研 電話:03-3295-3415
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