12.17シンポジウム「オープンスカイ時代の航空産業の公共性を考える」のお知らせ
今、日本の航空産業は、羽田空港の国際化、低コストキャリア(LCC)の参入という新しい競争環境の下で、自社に需要を取り込もうとする内外エアライン間の価格競争と自港に路線を誘致しようとする空港間の競争が激化している。そして、各エアラインはこうした競争圧力に押されて、路線別の採算性の管理を徹底させ、不採算を理由に地方路線を次々と切り捨てているのが現状である。また企業内では乗務員の訓練や機材整備といった安全に直結する人員とコストまで削減している。
こうしたオープンスカイ時代の競争環境の下で、航空の公共性・安全性をいかに守り、向上させるかを考えるシンポジウムを開くことになった。
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12.17シンポジウム
「オープンスカイ時代の航空産業の公共性を考える」
2011年12月17日(土)13時30分~16時30分
スター会議室 新橋 4階401号室(ポスター参照)
基調講演 柳田 邦男氏
演題:「『安全の層』と経営の責任~組織事故の視点から~」
パネル・ディスカッション
安部誠治氏(関西大学教授)
米倉 勉氏(弁護士)
奥平 隆氏(元全日空機長)
進行:醍醐 聰(東京大学名誉教授)
主催:「航空産業の公共性を考えるシンポジウム」実行委員会
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シンポジウムでは、
*航空事業の公共性を担うネットワークと運航の安全性をどのように維持し発展させるのか?
*低価格を売り物にするLCCのビジネス・モデルに危うさはないのか?
*世界に例をみない高い水準の空港使用料を既存事業者(レガシー)向けには放置したまま、LCC向けには個別に割安な空港使用料を設けて路線を誘致しようとする空港間競争の中で、日本の航空産業の公共性と国際競争力を維持・向上できるのか?
*路線や便ごとの採算性の追求は航空事業の公共性と運航の安全性を確保する上での脅威となっていないか?
*規模の縮小とコスト削減に偏向した経営構造改革が従業員のモチベーションを劣化させていないか?
*JR福知山線の脱線事故で再認識された公共交通の安全文化は航空産業では根付いているのか?
といった問題を正面から取り上げ、参加者の発言も交えながら、問題の核心に迫る理論的実践的な議論を行うことになっている。
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12.17シンポジウム チラシ
参加申し込み方法
1. 下記申し込み用紙をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、
03-3432-0297 へFAXで
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/1217simpo_sanka_mosikomi.pdf
2. simpo1217@nifty.com へE・メールで
問い合わせ:電話:080-5880-6756
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3.11東日本大震災、福島原発事故を機にわが国では「安全」に対する関心がかつてなく高まっているが、航空となると、今でもスカイマークが成田-札幌、成田-福岡を最安値980円で運航するといった「華やかな」話題の陰で「空の安全」が危うい現実はほとんど知られていない。
この意味で、日本航空「安全アドバイザリーグループ」の座長を務める柳田邦男氏の基調講演、公共交通の安全文化に理論・実践の両面で関わってきた安部誠治氏、航空産業の労働環境に精通した米倉勉氏、奥平隆氏によるパネル討論は大変、時宜にかなった企画だと思う。
パネル討論ではこうした方々の持ち味を存分に発揮していただけるような進行役を務めたいと思っている。多数の方々のご来場を願っている。
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