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国民生活を直撃する増税法案を弄ぶ談合政治に鉄槌を

「近いうち」は「近い将来」より近い時期?
~玉虫色の言葉を弄ぶ同床異夢の密室合意~

 
 国民の生活そっちのけの、これほど醜い、同床異夢の談合があっただろうか?

民・自・公3党党首は昨夜の党首会談で、「消費税増税法案を早期に成立させ、そののち、近いうちに国民に信を問う」ことで合意したと発表した。
 
 しかし、早くもこの玉虫色の合意発表をめぐって、憶測が飛びかっている。
 
 「党首会談で合意した『近いうち』との表現は、「近い将来」よりはやや早めの時期という印象を与えるものの、解散時期が特定されないことに変わりはない。ただ、40分間に及んだ会談は冒頭の8分を除き、首相と谷垣氏の2人だけで行われた。公表された内容以外に、解散に関して2人の間で突っ込んだやりとりが交わされたのか否か。首相は『(密約は)ない』としているが、民主、自民両党内で疑心暗鬼が広がりそうだ。」(時事通信、2012/08/08-22:49

 否、憶測どころか、合意発表から半日も経たないうちに、当事者の解釈の食い違いが表面化している。

 「首相は会談後、記者団に『首相として解散時期を明示することは控えなければならない。その立場はご理解いただいた』と説明した。・・・・〔しかし〕 谷垣氏は記者会見で『近いうちに信を問う』との合意に関し『重い言葉と受け止めている。解散の確約でなくて何なのか。(首相が)信頼に応える行動をすると思っている』と強調した。
 
 一方、民主党の輿石東幹事長は8日夜、『近いうちに信を問う』との3党合意について、今国会中の解散を意味しないとの認識を示した。」(「中国新聞」201289日)

 また、首相官邸は、「解散の時期を確約せず、法案成立への合意を取り付けた総理の粘りがち」といい、谷垣氏は「近いうちは近いうち、それ以上でも以下でもない」と禅問答。

 民・自・公3党の議員は、互いに自分勝手、自党の党内向けに好都合な合意事項を了として、消費税増税法案を可決成立させて良心の呵責はないのか? それでは「国民の生活が第一」ではなく、「自分の、自党の議席が第一」に他ならない。 

バナナのたたき売りの経過のおさらい
 
 書くだけでもうんざりだが、念のため、消費税増税法案をおもちゃにした「バナナのたたき売り」の経過を、自民党の言動の変節ぶりに焦点を当てて、おさらいしておく。

 自民党は1週間前までは、お盆前なら採決に応じるが、お盆の後(20日)ではだめだ、と言っていた。
 
 それが4日前になって、10日採決ではだめだ、8日なら賛成する、と変わり、
 
 それならと民主党が8日の採決を持ちかけると、もう手遅れだと「強硬路線」に転じたと伝えられた。
 
 しかし、一昨日になって、8日の午前中までに解散の時期を確約すれば法案の採決に応じる、だめなら午後に不信任案と問責決議案を出すと言いだした。
 
 あわてた野田首相が、昨日(8日)の午前中に、「3党合意にもとづいて消費税増税法案を成立させた後、近い将来に国民の信を問う」という妥協案を投げたところ、
 
 自民党は、昨日の昼間の内は、「近い将来」ではお話にならず、党首会談に応じられないと返答した。
 
 しかし、夕方の民主党の両院議員総会でも野田首相は、総理大臣の専決事項であり大権である解散の時期について明言することは絶対にできない、と演説した。
 
 それを聞いた自民党は、一転、少なくとも表向きの状況は変わっていないにもかかわらず、党首会談に応じると返答し、1930分過ぎから民・自の党首会談が、途中から、公明党党首も加わった会談が行われ、終了後、上記のとおり、「消費税増税法案を早期に成立させ、そののち、近いうちに国民に信を問う」ことで合意したと発表したのである。

 同じ法案について、 お盆後ならご破算にするがお盆前なら賛成する、8日なら賛成するが10日ではだめだ、今日の午後ではご破算にするが午前中なら成立に協力する―――こんな屁理屈がどこにあるのか。

  また、解散を確約したら増税法案に賛成するが、確約しないなら法案をご破算にする―――。こんな理屈もおよそ成り立たない。過半数の国民は今でも消費税増税に反対し、さらに多くの国民が今国会で増税法案を成立させる必要はないと答えている。それでも、政治家として消費税増税が必要だと考えるなら、法案提出の前に選挙で民意を問うのが有権者に対する道義である。

 


 かたや、解散を確約したとたんに、今、選挙をやると落選必至の自党議員から見放されることが必至の野田首相。そういう事態をなんとしても避けながら、自分が「政治生命をかける」と大見えを切った法案を成立させるため、まるで、命乞いをするかのように、自民党にすがりついて、消費税増税法案の成立への協力を懇願する野田首相の姿に、一国の総理大臣としての風格、見識はみじんも感じられない。

 かたや、解散の確約を取り付けなければ9月の総裁選での再選の目がなくなる谷垣首相と早期の解散で政権への復帰を果たしたい自民党議員たち。
 
バナナのたたき売りを一皮めくると、このような党利党略、私利私略が露出する。


欠陥満載の増税法案は廃案に
 では、野田首相がこうまで成立に執念を燃やす消費増税法案の中味はどんなものか。

 *もともと、税の所得再分配機能の回復にとっても、財源調達機能の回復にとっても微々たる効果しか期待できなかった所得税の最高税率のわずかな引下げや相続税の過大な基礎控除の是正さえも、3党合意を経て、全面的に削除された。

 *逆進性対策についても、軽減税率の適用を主張する公明党と給付付き税額控除を主張する政府・民主党の話し合いがつかず、先送り。

 *中小・零細事業者から強い懸念が出ている転嫁の困難性(「損税」問題)について、政府は「監視を強化する」という空疎な呪文を繰り返すのみで打つ手なしの状況。

 まさに欠陥満載、増税オンリーの法案である。
 

 こうした欠陥を放置したまま、法案を党利党略のための取引材料に使い、玉虫色の言葉を弄して同床異夢のほころびを取り繕う下劣な政治を断罪するのは国民の力をおいて他にない。国民生活を直撃する消費税増税法案を党利・私利の取引材料として弄ぶ談合政治に怒りの鉄槌を加え、ガラス細工の談合合意を突き崩して消費税増税法案を廃案に追い込まなければならない。最後まで、あきらめるわけにはいかないのだ。

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