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NHKの選挙関連放送に異議あり

 湯山哲守さん(元京大教員)と私が共同代表を務めている「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」は昨日(1127日)、代表が渋谷のNHK放送センターへ出向き、松本正之会長と石田研一放送総局長に宛てた申し入れ文書「総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します」を提出した。また、同文書をNHK経営委員会、中央放送番組審議会、NHK内の考査室宛てにも参考資料として一読してもらうよう提出した。
 「総選挙にあたって争点提示型の公平な放送を要望します」
 http://sdaigo.cocolog-nifty.com/senkyohodo_mosiire_nhk_20121127.pdf

 要望事項は次の2つである。
1.政党の離合集散を追う政局報道ではなく、政策本位の争点提示型報道に努めること。
2.既存の大政党の動静に過度に焦点を当てた報道を戒めること。

 このうち、2について補足しておきたい。直近の1週間(1119日~25日)のNHKの選挙関連ニュース78件を調べたところ(詳しくは後掲)、民主・自民両党に関するニュースの件数は、両党相互の応酬に関するニュースの件数も併せると38件あった。これは政党の動向を伝えたニュース(合計62件)総計の61.3%を占めている。また、民主・自民・維新の会の3党に関連するニュースの件数は3党間の応酬に関するニュースの件数もあわせると46件で総計の64.1%を占めている。
 その一方で、他の与野党の動向に関するニュースは、公明党1件、社民党2件、みどりの風1件で、それ以外の野党の動向を伝えたニュースはゼロだった。

 既成の議席分布を与件として報道の取捨選択を判断するのは、現在の大政党の動静に有権者の関心を誘導し、投票行動にバイアスを及ぼす恐れを多分にはらんでいる。また、民主、自民、両党が大政党とはいっても、111718日に朝日新聞が行った世論調査では46%が比例選挙の投票先について「答えない・わからない」と答えている。また、NHKが行った直近の世論調査(1126日のニュースで結果を報道)でも「特に支持する政党なし」(35.3%)がもっとも高い割合を占めている。つまり、既存の支持政党の分布割合からみても、選挙報道の対象を民主、自民両党に傾斜させる根拠はないのである。
 さらに、メディアの原点に戻っていうと、選挙活動の紹介報道に関して、大政党とそれ以外の政党間で報道の頻度を差別することは「放送の不偏不党」を掲げた放送法第1条の二の定めに反するものである


 なお、私の個人的な作業であるが、今述べたように、1119日~25日までの1週間のNHKの選挙関連報道の動向を調査し、その結果を集計するとともにコメントを付けた資料をまとめた。

 「この一週間のNHKの選挙関連ニュースの動向調査とコメント」
 
 http://sdaigo.cocolog-nifty.com/senkyohodo_chosa_comment.pdf

 コメントの4番目に、1125日(9001100)の総合テレビで放送された政党討論会の運営について触れている。ぜひ一読いただきたい問題なので、その部分を引用しておきたい。

 1125日、9時~11時に放送されたNHKの日曜討論「政治決戦へ 政策を問う」は14の党の政策担当者が出席した討論番組だった。討論の中で新党大地・ 真民主代表の鈴木宗男氏が討論の運営に関して司会者に向かって、「発言の3人の1が民主・ 自民2党というように偏っている」と苦言を呈し、進行方法の見直しを求める発言をした。
 

 私も番組を視聴しながら、同じ感想を持った。というのも、あるテーマをめぐって各党代表者の発言が一巡する間に2度、3度、司会者が、「いままで出た〇〇について細野さんはどう思うか」、と発言を求める場面があった。また、細野氏ほどではないが、各党代表者があるテーマについて順次発言している間に司会者が「世耕さんはどうですか」と自民党議員に発言を求める場面が数回あった。
 

 ここで明記すべきことは、細野氏は政府を代表する立場で出席したわけではなく、民主党という、あくまでも1政党の政策担当者という立場で出席したという点である。世耕氏も政府を代表したわけでも政権与党を代表したわけでもなく、自民党という1政党の政策担当者として出席したという事実である。
 

 選挙を意識しない日常の政治討論会なら、政府を代表して出席した大臣なりに時の政府の見解を質す発言を求める回数が多くなるのは自然なことである。しかし、この日は文字通り、来るべき総選挙を各党がどのような政策を掲げて有権者の審判を仰ぐかを討論する政党討論会である。司会者が討論会のこうした趣旨をわきまえず、たとえ政権与党とはいえ、政府を代表してではなく、1政党を代表して出席した人物に、あたかも政府の見解を質すかのような意識で他の党の出席者と比べて別格扱いで発言の機会を多く与えるのは極めて不公平な司会進行であり、「放送の不偏不党」(放送法第1条の二)にもとる運営である。」

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