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前NHK経営委員長・数土文夫氏の国会議員への献金は放送ガイドラインに違反

 経営委員長が在任中に与野党幹部に政治献金とは驚き
 今朝(12月1日)の「朝日新聞」の社会面に、「前NHK経営委員長の数土氏 在任中に3議員側に献金」という見出しの記事が掲載された。これは1130日に総務省が公開した2011年の政治資金収支報告書(中央分)をマスコミ各社が調査して判明したものである。「3議員」とは民主党の安住淳議員(国会対策委員長:当時)、古川元久議員(内閣府特命大臣:当時)、石原伸晃議員(自民党幹事長:当時)である。

 この件について30日、昼過ぎ、私は朝日新聞と共同通信から電話で取材を受け、当然ながら同じ内容のコメントをした。昨夜のうちに『スポニチ』が私のコメントを次のように伝えた。これは共同通信の配信記事を受けたものと思われる。

安住氏 財務省在任中にパーティ-で1300万円集める   http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/11/30/kiji/K20121130004672650.html

 「市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」共同代表の醍醐聡東大名誉教授は「経営委員長から特定の政治家への献金は『不偏不党の立場を守り、放送の自主・自律を堅持する』と定めるNHKの放送ガイドラインに抵触する可能性がある」と指摘した。」(20121130 18:19

  このコメントに少し補足説明をしておきたい。

経営委員もNHKの役員
 放送法は第49条で、「
協会に、
役員として、経営委員会の委員のほか、会長1人、副会長1人及び理事7人以上10人以内を置く」と定めている。ここから、NHKの理事等ばかりでなく、経営委員もNHKの役員とされていることは明らかである。

数土氏の政治献金は「NHK放送ガイドライン」に違反
 次に、現在の「NHK放送ガイドライン」は冒頭に掲げた「自主・自律の堅持」のなかで次のように定めている。

 「
NHK は、公共放送として、憲法で保障された表現の自由のもと、正確で公平・公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供し、健全な民主主義の発展と文化の向上に寄与する。この役割を果たすため、報道機関として不偏不党の立場を守り、番組編集の自由を確保
し、何人からも干渉されない。ニュースや番組が、外からの圧力や働きかけによって左右されてはならない。NHK は放送の自主・自律を堅持する。
 全役職員は、放送の自主・自律の堅持が信頼される公共放送の生命線であるとの認識に基づき、すべての業務にあたる。日々の取材活動や番組制作はもとより、NHK の予算・事業計画の国会承認を得るなど、放送とは直接関係のない業務にあたっても、この基本的な立場は揺るがない。」


 つまり、NHKの経営委員(長)には一般的な意味での政治的中立性にとどまらず、NHKの役員という立場上、「不偏不党の立場を守り」、公共放送としての信頼を維持する生命線として「放送の自主・自律の堅持」が要請されているのである。

  こうした具体的な定めに照らして、数土氏が経営委員長に在任中(20101211日~2012524日)に特定の政党に所属する3名の国会議員に政治献金を行った行為が「NHK放送ガイドライン」に違反することは明らかである。

追記:現経営委員・石原進氏(JR九州会長)が原発問題で重大発言
 
数土氏の政治献金問題を調べていく中で、現経営委員である石原進氏(JR九州会長)が原発問題で極めて重大な反・不偏不党の政治的発言を繰り返していることを知った。これについてはこのブログの次の記事で書くことにする。

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コメント

愛国者の邪論様
 コメントありがとうございました。本人の見識の欠落はもちろんですが、メディアの使命を理解できない財界人をNHKの経営委員に選任し続ける国会の任命責任が厳しく問われねばならないと感じます。しかし、メディアに監視されるべき国会、政界がメディア(NHK)を監督する機関の構成メンバーを選ぶという利益相反を解消する方法ーー私は経営委員公選制しかないと思っていますーーを具体的に考えないと数土氏の場合と同じ愚が繰り返されると思っています。

 「既存・既成のマスコミに代わるマスメディアの構築が必要のような気がしま」というご意見についての私の遠大な望みは、
Public Citizen,
http://www.citizen.org/Page.aspx?pid=183
のような組織を立ち上げることですが、人材、資力の両面で至難のようです。

投稿: 醍醐  | 2012年12月 1日 (土) 18時18分

日本のマスコミの退廃を示す象徴的な事件ですね。これともう一つあります。官邸機密費を受け取ったマスコミ関係者です。

さらに言えば、首相の食事会に参加するマスコミ各社の政治部長や論説委員、あるいはジャーナリストの皆さんです。

日本のマスコミの日米軍事同盟容認論、米倉経団連の応援ぶりには辟易します。これが憲法改悪への一里塚のような気がします。

それにしても、こういうことを平然と繰り返して恥じないマスコミと記者の皆さんと日本の風習を止めさせていくためには、あの官邸前行動を巻き起こしたようなまずメディアの発展、既存・既成のマスコミに代わるマスメディアの構築が必要のような気がします。

その点で先生のご活躍に対する期待は大大です。

投稿: 愛国者の邪論 | 2012年12月 1日 (土) 12時11分

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