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NHK会長職を財界人の指定席にしてはならない

2013年12月22日
 
『毎日新聞」社説に注目
 1220日に開かれたNHK経営委員会で新しいNHK会長に日本ユニシス特別顧問の籾井勝人氏が選ばれた。これを受けて、昨日(1221日)の各紙朝刊はいっせいに、この人事をめぐる論説・解説・社説を掲載した。

 その中で、『毎日新聞』は「NHK新会長 権力の監視が大切だ」という社説を掲載し、「最近の会長人事は政財界の人脈頼みでは」という私の短いコメントが紹介された。文字通り1言なので、このブログで少し補足をしておきたい。

NHK新会長 権力の監視が大切だ」(20131221日、「毎日新聞」社説)http://mainichi.jp/opinion/news/m20131221k0000m070100000c.html

 社説の冒頭で記された松本現会長時代のNHKの放送の評価については、私は必ずしもこの社説と同意見ではない。しかし、社説が、政財界の人脈頼みでNHK会長、さらには会長の選出母体である経営委員が選ばれる現在の仕組みの危うさに強い警鐘を鳴らし、公共放送の原点に回帰するようNHKに促した点は高く評価している。

拭えない2重の利益相反
 そもそも論として私は財界人脈で財界人がNHK会長に選ばれることに根本的な疑念を持っている。それは、財界人に求められる資質はNHK会長に求められる資質と次の2点で深刻な利益相反があると考えるからである。

 

1.「異なる意見の出会いの場」を設け、発展させるという使命を担っているNHKには、多様な意見を放送に反映させ、交わらせるという役割が強く求められる。この点からすると「利益最大化」、そのための「経営の効率化・スリム化」という単一の価値観の下、迅速な意思決定に適うよう、トップダウンで組織を束ねる能力に高い評価を与える経済界の価値観はNHKの役職者に期待される資質と本質的になじまないものがある。

 

2.政財界の人脈で選ばれた財界人は、個々の人物の見識以前に、その出自から言って、巨大な力を持つ利害関係者といえる。近年でいえば、法人の負担の多寡に直結する税制改正、原発再稼働、社会保険料の負担と相関する消費税増税問題などはその好例である。

現に、松本会長時代のNHKの原発報道に政府・経済界は不満を募らせ  たというが、経営委員であった石原進氏(JR九州出身)は九州財界人の会合等で民主党が掲げた「2030年代の原発ゼロ」を実行すると「日本国家が潰れ、失業者だらけになる」と批判し(産経新聞20121130日)、九州電力・佐賀玄海原発の再稼働を強硬に主張した。


当事者意識が欠落した秘密保護法案の政局報道

 ここでは深く立ち入らないが、メディアの報道の自由と自立を窒息させる特定秘密保護法案の危険性を全国紙が、メディアに係わる当事者として、連日、積極的に報道したさなかにも、NHKは「法案をめぐって与野党、大詰めの攻防」とか、「採決へ対立激化」とか言った、まるで他人事のような政局報道に終始し、法案のどこを巡って各党が対立しているのかという肝心の争点はほとんど伝えなかった。

 軍事大国化・国民監視体制づくりを目指す安倍政権の危険な動きに対峙するにあたっては、世論を感覚的なムードで染め上げ、「仕方がない」で国民を政治から遠ざけ、権力に寛容すぎる国民を増やすに等しいNHKの報道内容に鋭い監視の目を注ぐことは喫緊の課題である。

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