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「テレビは革命を伝えないだろう」

2015616
 

今朝、ブログへのアクセスを確かめると、昨日アップした記事に2つ、コメントがついていた。すでにブログ上では公開したが、多くの方に知らせたい文章なので以下、全文を紹介したい。

1
つ目のコメント

「『Revolution Will Not Be Televised』(革命はテレビ中継されないだろう)というスコット=ヘロンの歌もあります。
 どんな大事件でも報道されなければ存在しないことになるし、逆になでしこジャパンやらのどうでもよさそうな事を繰り返し報じることで、人々にはそれの方が大事件・大きな話題なのだと刷り込めます。
 (2012629日夕刻にやはり20万もの人々が原発止めろと国会正門前を埋めたのに、報じたメディアは一切ありませんでした。「正しい報道ヘリの会」はこれへの批判から生まれています)」

2
つ目のコメント
 「最近のNHKニュースには呆れ果てつつ強い怒りを覚えます。

地方にいると、ニュースソースはNHKニュースからと言う家庭が非常に多いですね。そこが、安保法制に反対する世論の動きをほとんど伝えず、一方安倍さんや菅さんの発言を長々と詳細に報道するのですから、正しく情勢をつかめるわけはありません。
 NHKに限らず、他の民放各局の政治の動きに対して完全に腰が引けた報道ぶりと、お笑いタレントを多用した実にくだらないバラエティ番組の多さにため息ばかりついています。メディアの総腰砕けが安倍政権を支えていると言っても過言ではないでしょう・・・・。」

   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 1つ目のコメントで紹介されたギル・スコット・ヘロンの「Revolution Will Not Be Televised」という鋭利な言葉を、恥ずかしながら私は知らなかった。ネットで検索すると、次のような、この歌の原文・和訳対照が見つかった。
http://protestsongs.michikusa.jp/english/heron/revolution_will_not_be_televised.html

 

55年前の昨日、安保条約の強行採決に抗議する33万人(主催者発表)が国会を包囲した。樺美智子さんの死という事態まで起こしたこの日の流血の有様(政権が手配した右翼・暴力団も出動していたと言われている)を議会政治の危機とみた電通の吉田秀雄と朝日新聞社の笠信太郎らを中心に在京新聞社7社は、2日後の617日に共同宣言『暴力を排し議会政治を守れ』と題する社告を掲載した。

結果として、この報道機関の共同声明は安保反対の国民運動を分断し、運動に冷や水を浴びせる結果になった。

 上の2つ目のコメントで記されたように、現状を「メディアの総腰砕け」と言い切れ
るのかはともかく、安倍首相と親しく会食を重ねる報道人が再びこうした「窮地に立たされた政権を救援する」役割を演じることがないよう、あるいは、かりに彼らが政権救援・大勢翼賛の行為に乗り出したとしても、そんな浅はかな行為に動じない強固な民意を作り上げることが急務である。
 ささやかながら、私も、その一環として、このブログを書き続けたい。

 

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NHK問題」カテゴリの記事

コメント

小選挙区制が民意を歪め、少数派による専横や独裁を招いていることを指摘する人は少なくありませんが、特権的寡頭体制が続き、少なくない社員が体制エリート化している商業メディアも民意の反映には敵対的でしょう(もっとも、アマチュア活動主流のサイバー空間も、多数派偽装工作に狂奔するネトウヨたちによって民意を誤認させる局面が頻繁に作り出されますから、これまた要注意ですが)。

ところで、ロシア革命を指導したレーニンなどは、公務員の厳格な解任制度と共に、官吏への高給支給を強く戒めていましたが、今日の「大衆社会」「情報社会」では、メディア企業に属する人間の待遇に対しても、官僚や職業政治家並み(orそれ以上)の人民的規制をかけるべきではないでしょうか。「ジャーナリズム」の末席に連らなる人間ならば、本来は、ヤミ所得や供応、経済的便宜を受けることなどもっての他なのだと思うからです。
また、職業政治家や公務員は副業規制や転職規制を受けて当然なのですから、メディア業界就労者も彼ら公僕に準ずるべきではないかと思います。
現代社会では、マスコミ的知名度をカネや票に転態することも容易なのですから、庶民の生活から遊離する特権源泉は早急に規制(破砕?)されるべきでしょう。

ともあれ、今の「国営国策放送」や商業メディアを主権者に奉仕する本物のジャーナリズムに変革・民主化するためには、わたしたち主権者の側も、もっともっと知恵を絞り、政策提言や世論形成運動をする必要があるように思われます。

投稿: | 2015年6月18日 (木) 11時20分

「存在が意識を規定する」という言葉は、機械論的に俗流化されてはいけないでしょうが、若くして高給をあてがわれ、大企業スポンサーや権力者たちからチヤホヤされるような境遇にも身を置いている連中は、「この幸、永遠なれ」的な願望から出発して、「この幸」をもたらしてくれている社会制度や経済構造に、知らず知らずのうちに迎合して行くのでしょうね。つまり、日頃の関心が「汝の不幸より我が幸こそ」ということになる。

当方も、下級管理職クラスのメディア関係者とおぼしき若手が、風俗店やゴルフ場で接待らしき扱いを受けているのを何べんか目撃したことがありますが、「ブルジョア・マスコミ」とは、基本的にはそういうものなのでしょう。

しかし、科学技術の発展は、地球環境の破壊や原発事故だけでなく、情報活動の社会化をももたらしています。「人民的ジャーナリズム」ではなく、「人民ジャーナリズム」の発展をです。

もっともっと効果的・革命的なIT活用方法はありますまいか???

投稿: バッジ@ネオ・トロツキスト | 2015年6月17日 (水) 11時47分

コメントをエントリにして頂き、恐悦至極です。

さて、新たな情報が入手出来ましたのでまたコメントをば。

大河ドラマ「花燃ゆ」第21話「決行の日」(5月24日放映)において歴史改竄が判明しました。
下関戦争で1863年5月10日、最初に標的にされたのが、史実にあるアメリカ商船「ペンブローク号」ではなく、フランス船ということにされています(フランス船が撃たれたのは23日です)。
ちなみにシナリオの内容は小説版「花燃ゆ」第2巻にあるとおり、史実に沿っています。
放映が安倍訪米直前で、しかも当人が「面白い」とよい評価をしていた為、機嫌を損ねないよう改変されたのではないか、と言われています。

投稿: AS | 2015年6月16日 (火) 20時08分

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