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それでも「採決」はなかった~NHKの実況中継で再現すると~

20159月30日

【速報】IWJ925日の記者会見全部の録画を公開しました。ぜひご覧下さい。
            http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266904


 「無」を「有」と言いくるめさせてはならない
 時間が経つうちに潮が引くように政治に対する怒りがあきらめに、ため息に変わっていく・・・・こんな光景を何度も見てきた。
 しかし、917日、参院安保特別委員会で起こった出来事が既成事実として一人歩きするのを黙過してよいのか?
 違憲の指摘が相次いだ安保関連法案が、「採決」の外形も、議事進行の公式の記録もないまま「可決」されたという「事実」がねつ造され、まかり通ろうとしている。
 しかし、私は、この先、「無」を「有」に言いくるめるどのような仕業がなされようとも、「採決なるものは存在しない」とこだわり続ける。そこで、記憶の風化に抗う作業の一環として、917日、多くの国民が「視聴体験」したNHKの特別委実況中継の模様を原稿に起こし、あの日、あの時刻に何があったかを再現(抄録)しておきたい(記載した時刻はNHKふれあいセンターに問い合わせ、応対した担当者に録画を辿てもらって確認したもの)。

「委員長の姿はほとんど見えない状況です」
 (162846高瀬アナ:委員長不信任動議が否決され、鴻池委員長が着席しました。中谷、岸田両大臣、そして安倍首相が着席しました。・・・・・ 委員長席には野党議員が激しく詰め寄っています。委員長のすがたがほとんど見えない状況です。・・・・・

 (163016高瀬アナ:今、安倍総理大臣が席を立ちました。・・・・今、与党の議員が立ちあがっています。

 田中泰臣・政治部記者:はっきりしたことはわかりませんが、法案についての採決が行われているものと見られます。

 高瀬アナ:採決ですか・・・・

 田中:はい、委員長に対する不信任動議が否決されました。その後、与党は質疑を打ち切る構えをみせていたんです。その後、(法案の)採決に踏み切る方針でしたので・・・・。それに対して野党が激しく抗議している状況だと思われます。

「委員長の発言はまったく聞き取れません」
 高瀬アナ:与党側の委員が起立する姿が見られましたので、採決が行われた可能性があります。委員長の姿は、ほとんど多くの委員の姿に隠れてしまっています。・・・・今、拍手が起きています。正確な情報が入り次第、お伝えします。与野党の議員が激しくもみ合う状況になっています。
 委員長の発言はまったく聞き取れない状況になっています。先ほどは与党側の議員が立ちあがる姿が見られました。そして拍手も起きています。・・・・
 今、何かを読み上げているようにも聞こえます。採決が行われているようです。与党議員は立ちあがりました。まったく聞き取れない状況です。田中さん、さきほどから混乱した状況ではありますが、採決が行われているようですね。

 田中5分ほど前になりますが、委員長不信任動議が否決され、委員長が席に戻りました。その後、与党の方針としては質疑を打ち切って採決に移る構えだったのです。それを踏まえますと、質疑(「採決」の誤り)を行っている可能性が高いと思います。

「与党の理事らが起立を促す様子が見えます」
 高瀬アナ:何か与党の議員が立ちあがる姿が見えました。・・・・安倍内閣総理大臣が不在の場ですが、採決が行われているようです。何度か、このように委員席の方へ与党側の理事らが起立を促す様子が見えます。

 (163721高瀬アナ:鴻池委員長が今、席を立って委員会室から退室します。これは田中さん、散会したということでしょうか?

 田中:詳しいことは分かりませんが、何らかの・・・・・

 (164217)画面上方に字幕「安保法案 参委特別委で可決 自民、公明、次世代などの賛成多数」

 (164218)画面下方に字幕「安保法案 参院特別委で可決」

再生した映像からわかること
 1.  映像には、与野党議員が委員長席を囲んでもみ合う状景や、与党議員(秘書も動員されていたという指摘もある)がスクラムを組む格好で鴻池委員長を取り囲み、ブロックしている状景が映されている。高瀬アナも何度も委員長の姿は委員に隠れてまったく見えないと語っている。
 このような状況で、鴻池委員長は賛成「起立者の多少を認定」(参議院規則137条)できたはずがなく、「その可否の結果を宣告」(同条)できるはずがなかったことは明らかである

 2.  さらに、参議院規則第136条は、「議長(ここでは「委員長」と読み替え)は、表決を採ろうとするときは、表決に付する問題を宣告する」と定めているが、速記録には「議場騒然、聴取不能」と記されるのみで、鴻池委員長が5つの問題ごとに表決に付する問題を宣告した記録も、起立多数を認定した委員長の発言も記録されていない。
 高瀬アナも「委員長の発言はまったく聞き取れない状況になっています」と発言している。

 3.  田中泰臣・政治部記者は何度か「採決がされた模様です」と発言しているが、よく状況を把握できないと言いながら、そのように「憶測」したのは「与党としては」委員長不信任動議が否決されたら、直ちに質疑を打ち切り、採決に移る構えだったから」と語っている。
 しかし、予定されていた2時間の締め括り質疑を打ち切ることは理事会で合意されていたわけではないし、どの時点で質疑を打ち切るかなど、野党議員は知る由もなかったはずだ。
 しかも、委員会室の模様は高瀬アナが何度か語ったように、委員長も委員も互いの姿も声も確認できる状況ではなかった。
 結局、田中記者は自分が事前に知っていた議事進行のシナリオをもとに「推測」で「採決がされた模様」と語ったことになる。これがどうして「事実にもとづく報道」といえるのか、与党が描いたシナリオを解説し、「存在」自体を現認できない「採決」が成立したかのように伝えた田中記者のバイアスを見過ごすことはできない
 これについては目下、対応を検討中である。

鴻池委員長の音声はマイクからの録音もなし
 この点について、小西洋之議員924日、ご自身のツイッターに、「強行採決時の鴻池委員長の音声は、マイクに一切録音されていない。 また、マイク音声を通じて行う速記も一切記録が無い。 この音声無し、記録無しは、永久に補訂できない。 以上、国会事務局から確認。つまり、委員会の議事進行の実体がない不存在かつ無効の採決と断ぜざるを得ない」と書き込んでいる。

 これが事実か確かめたいと思い、928日、参議院議員会館の代表番号に電話をして小西洋之議員、福山哲郎議員の国会事務所に回してもらったが、つながらなかった。そこで仁比聡平議員事務所に回してもらったら秘書が在室。小西議員が書き込んだことは間違いないか、国会事務局(参議員事務局のことと思われる)に確認してもらえないか要請した。秘書氏には快く引き受けてもらい、追って連絡するとのこと。
 確かに、翌日、連絡があり、小西議員の前段の書き込みに間違いはない、後段(「つまり」以降)は小西議員の判断、考えです、との回答だったという。
 つまり、「採決」されたと称される時の鴻池委員長の音声は、マイクに一切録音されておらず、マイク音声を通じて行う速記も一切記録が無い」ことを国会(参議院)事務局も認めたのである

 とすれば、917日、あの特別委員会室で、参議院規則第136条、第137条で定められた表決の要件を充たした「採決」なるものがなされたころを証するものは一切ないのは歴然としている。それでも法案は「採決」された、「可決」されたと呼号するのは「無」を「有」と言いくるめる、ねつ造、以外の何物でもない。

野党議員は結束して異議申し立てを
 安保特別委の理事でもあった福山哲郎氏(民主党)は925日、SEALDs KANSAIが開いた集会に参加して、「ぼくは、未だにあの採決は無効だと思っています。皆さん、議事録をご覧いただくとわかると思います。プレイボールのない野球がなぜ公式記録に残るんでしょうか?」と発言している。

 大門みきし議員(日本共産党)も918日、参議員本会議に提出された鴻池委員長に対する問責決議案に賛成する討論の中で、「また、採決自体、本当に有効だったのか検証されるべきであります。強行採決の時の議事録は“発言するもの多く、議場騒然。聴取不能”としかありません。委員長は与党議員によってつくられたドーム型のアーチにガードされ・・・、外が見えませんでした。委員長のそばの議員が手振りで合図して、与党の議員が言われるまま立ったり座ったりしただけでした。今、何を採決しているのか、本人たちはさっぱりわからなかったのではないでしょうか。なぜ、あんなことが採決と言えるのか。あまりにずさんではありませんか。」

 ならば、小西議員、福山議員、大門議員らは自ら無効と断じたり、存在自体に疑義を呈する「採決」をどうするのか? 言葉だけでやり過ごすのか? 33千余(928日現在)の国民が「採決は不存在」という呼びかけに賛同した事実をどう受け止めるか。野党議員にもこの点が問われている。

 私も安保法案の「廃止」を呼び掛けることに異論はないが、スローガンとして語るだけでなく、そのために何をすべきかを考え、行動を提起することが喫緊の課題である。
 しかし、その場合でも、稀代の違憲の悪法が無法なやり方で「ねつ造」された事実から目をそらしてはならない。そのような「ねつ造」に法的にあるいは政治的に徹底して抗うことを怠ってはならない。 

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9.25安保法案採決不存在申し入れ行動のレポート

2015926

 遅くなりましたが、920日から始めた「安保法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」に賛同の署名をいただいた皆様、署名の呼びかけにご協力をいただいた皆様に、このブログを借りて、運動のご報告をいたします。  

署名の集約状況
 
 昨日、10時の時点での署名合計は次のとおりです。

 ネット署名          31,159
  ネット署名以外(用紙など)    942
    合 計         32,101

 山崎事務所との面会の経過
 
 昨日13時過ぎに呼びかけ人である澤藤統一郎弁護士と醍醐、署名簿の整理に5日間、昼夜を分かたず協力をしていただいたHさんの3人で、申し入れ文書と署名簿を携えて、参議院議員会館内の両議員の事務所を訪ねた。なお、これには東京新聞の記者とカメラマンが取材のため同行した。

 どちらも事前に電話で連絡の上で、申し入れと署名簿提出の用件を書面で伝え、面会の要望を伝えていた。ともに事務所として応対するとの了解を得て出向いたが、議員本人はともに不在で秘書の対応となった。

「山崎正昭議長宛て申し入れ書」(提出版)
 http://sdaigo.cocolog-nifty.com/yamazaki_gicho_ate_moosiire.pdf
 
 最初に訪ねた山崎議員事務所では応接室にとおされ、申し入れの趣旨を伝えた上で、署名簿を手渡し、至急(今日のうちに)議員ご本人に届けてほしいと要請。秘書氏は分かりました。届けます」との応答。常識的なやりとりで終わった。

その場での署名簿の受け取りを拒んだ鴻池事務所
「鴻池祥肇委員長宛て申し入れ書」(提出版)
 http://sdaigo.cocolog-nifty.com/kounoikeiinncho_ate_mosiire.pdf

 
 しかし、次に訪ねた鴻池事務所の対応は様変わりだった。部屋から出てきた秘書の
鎌田亘顕(ひろあき)氏は廊下の一角にある応接エリアに私たちを誘導。以下のようなやりとりになった。

 秘書:「申し入れ書は受け取らせていただく。しかし、署名簿は申し入れ書の内容を議員本人に届け、確かめた上で判断したいので、ここでは受け取るのを控えます。」

 醍醐:「署名というのは申し入れに賛同という意味だから、申し入れ書と署名簿は一体のもの。一方は受け取るが、もう一方は受け取らない、というのは意味不明。」
 
 秘書;「署名は重い意味を持つから、受け取りは慎重にしたいということです。」

 醍醐:「重い意味を持つというのはその通り。だったら受け取るのが常識だ。前段の言葉と後段の言葉がねじれている

 秘書:「まだ議員本人は申し入れの内容を読んでいない。読んだ上にしたいということ。」

 澤藤:「われわれは、憲法16条が保障する国民の公務員への請願権の行使として、申入書を持参している。」「国会議員が国民の声に真摯に耳を傾けるべきは当然の義務ではないか。」「耳に快い意見だけでなく、痛い意見にも聞く耳を持たねばならないだろう。」「あなたは、鴻池議員から国民からの意見はブロックしろと命じられているのか。」「私は、思想はともかく人間味のある人として、鴻池議員には多少の親近感を持っていたが、こんな応対をされたのでは考えが変わる。」「鴻池さんを国民の声を聞く姿勢のない議員として、署名者や協力者に説明をしなければならない。それでもよいのか?」

 秘書:「いまは議員本人が不在なので署名を受けとる判断は私にはできない」「鴻池事務所としての対応です。」

 澤藤:「議員は来年が改選期になってはいないようだが、その3年後には落選運動のターゲットにもすることになる。」

 秘書:「どう思われても、なんと言われてもけっこうです。」

 醍醐:「通の社会における言葉や論理が通じない言うことですね。民意に聞く耳を持たない今の自民党の体質がよく表れている。」

 澤藤:「たいへん不愉快な体験をさせていただいた。鴻池議員については、国民の声を聞こうとしない議員であると、これからは公言することになる。」「今日はたいへん不愉快な体験をさせていただいた。鴻池議員については、国民の声を聞こうとしない議員であると、これからは公言することになる。」

 約15分ほど、以上のようなやりとりをし、「これが、受けとっていただくために持参した32101筆の署名簿の綴りだ。ご確認いただきたい」と示し、署名簿受け取りに関する返答を週明けの月~火曜日中にもらうことにして、開会時刻が迫った衆議院第2議員会館へ向かった。

記者会見の模様
 
 午後2時から衆議院第2議員会館内の会議室で記者会見を開いた。呼びかけ人からは、
生方 卓(明治大学准教授)、小中陽太郎(作家・ジャーナリスト)、澤藤統一郎、 清水雅彦(日本体育大学教授)、藤田高景(村山首相談話を継承し発展させる会・理事長)と醍醐の計6名が出席した。
 報道関係からの出席は、朝日新聞、東京新聞、共同通信、神奈川新聞、しんぶん赤旗、田中龍作ジャーナル、IWJの記者、計12名だった。
 また、弁護士有志からも武井由紀子、山中眞人のお二人が出席され、報道関係者に「本年919日の参議院『本会議』での安保関連法案の議決の無効確認および審議の再開を求める弁護士有志声明」について説明がされた。

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今朝の報道の状況
 
 私が把握できたかぎりであるが、次の各記事等で、上記の申し入れ、記者会見の模様が報道された。
 

 広がる署名32000筆 安保法議決「認められない」
(『東京新聞』2015926日朝刊、1面)
 http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2015092602000139.html

 なお、26日の『東京新聞』朝刊は30面でも、「『安保法案議決無効』署名呼び掛け」
「国民の怒り無駄にしない」という記事が掲載された。この見出しは私の今の気持ちとぴったりだ。 

「議決無効」32000筆超 安保法で署名、参院側に申し入れ
(『中日新聞』2015926日、1面)
 http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2015092602000101.html
 

安保採決無効と申し入れ 学者や弁護士、参院議長に
2015/09/25 18:13『共同通信』)
 http://www.47news.jp/CN/201509/CN2015092501001596.html

戦争法採決は「不存在」 学者ら申し入れで会見 署名3万超に
(『しんぶん赤旗』2015926日)
 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-26/2015092614_02_1.html

共同ニュース(録画)
 https://www.youtube.com/watch?v=jUqyOVqOSCY&feature=youtu.be

IWJ
(録画)
 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/266904


 このほか、26日の『神戸新聞』朝刊でも、「混乱の中、採決無効 学者ら参院議長らに申し入れ」と題する記事が掲載された。

 また
、今夜、横浜にお住いの呼びかけ人の方から、今朝(926日)の『神奈川新聞』に大きな記事が出ているという連絡をもらった。確かめたところ、<論説・特報>欄に「安保法案 手続きめぐり異議」「どさくさ採決 二重の罪」という見出しで、確かに広いスペースを使って、今回の「安保法案の採決不存在」を訴えた行動を詳しく伝えた記事が掲載されていることがわかった。ネット上に載っていないため、ここでURLを使って紹介できないのが残念だが、『神奈川新聞』を閲覧できる方はご覧いただけるとありがたい。

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安保法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れへの賛同のお願い

2015年9月20日(最終更新 2015年9月25日、8時35分)

【速報】賛同署名数、30,000筆を超えました。
 
 今朝の8時25分の時点で
署名数は30158筆となり、30,000筆を超えました

 明日、13時過ぎに、山崎参議院議長と鴻池安保特別委委員長の国会事務所に出向き、申し入れ書を提出すると同時に、署名簿を提出します
 その後、14時から衆議院第2議員会館で記者会見を行います。呼びかけ人の生方卓、小中陽太郎、澤藤統一郎、清水雅彦、藤田高景、醍醐聰が出席します


 賛同署名の送り方がわからないという問い合わせがありますので、改めて説明しておきます。次の「署名入力フォーム」を開き、必要事項を入力の上、「確認」、「送信」ボタンを押すと送信が終わります。

   http://form1.fc2.com/form/?id=4769b7bf3d609bb3

 引き続き、多くの方から署名に添えてメッセージが寄せられています。その中の3つを紹介します。


埼玉県にお住いの主婦の方
 「今年三月に息子を出産しました。我が子の未来を危険に晒さないために安保関連法案には絶対反対です!しかも、国民のほとんどが必要を感じていないのにこんな風に決めるなんてひどい!!これでは戦前の日本と同じになるのではないか、民主主義とはなんなのかと日本の未来が心配になります。
 今、声を上げずに十数年後に後悔するのは嫌です!!
 夫、息子の名前もぜひ一緒に署名したいです!」

石川県にお住まいの方
 「参院特別委員会の様子、『採決らしきもの』の様子もすべてインターネット中継で見ていました。
 誤報しているマスコミもあるようですが、委員でない与党議員が委員会室に入り込み、いわゆる『人間かまくら』を作って鴻池委員長を取り囲み、鴻池委員長が進行できるよう懐中電灯をその『かまくら』の中に突っ込んでいたとのこと。そしてざわめいて何も聴き取れない中、ヒゲの隊長こと佐藤正久参議院議員が腕で『立て』という合図をしていたのだと、後になってあの佐藤正久議員の腕振りの意味がわかりました。全部見ていましたよ。
 こういう『作戦』を発案したのが佐藤正久参議院議員であり、朝から練習をしていた旨読売新聞に恥ずかしげもなく書いてありました。このような恥ずべきことが我が国の立法府で、しかも与党議員により行われたということ、日本の将来について深く憂慮せざるを得ません。
 こんなルール違反、取るべき体裁・手続きも取られないようなことが立法府で許されるならば、どんな法律でも作ることができるでしょう。
 立法府、特に参議院が国民の信頼を回復しようとするならば、今回の特別委員会の採決は無効とし、審議を特別委員会に差し戻し、審議を続けるべきです。
 今回の参議院特別委員会での与党議員によるこのような蛮行とそれを許した鴻池委員長に強く抗議すると共に、特別委員会の採決無効、審議を特別委員会に差し戻し審議続行することを求めます。」

奈良県にお住まいの方
 「私の母は2回見合い相手を戦争で亡くしております。最後に年の離れた父の後妻になりました。私に孫が三人おります。不出来でありますが、日々成長致しております。この子達に人殺しをさせたくない、勿論殺されたくもありません。今度の法案は国民皆兵の前々段階なのでしょうが、いざ有事には賛成された自民党の方々はたとえ70を超えていても、先頭にたって戦地にむかわれるのでしょうか。信じられません。

国と国民を守るのではなく、他国のおもうがままの傭兵状態での戦闘に自衛隊の若者を、出したくはありません。」

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              賛同の呼びかけ

 政府・与党は917日の参議院安保特別委員会で、2つの安保関連法案ほか計5件の案件を「採決」し、「可決」したとみなし、マスコミもそのように報道しています。
 
 しかし、「採決」の場面をテレビで視た多くの市民の間で、「あのように委員長席周辺が騒然とし、委員長の議事進行の声を自席で委員が聴き取れない状況で、5件もの採決がされたとは信じられない」という声が飛び交っています。至極もっともな感想ではないでしょうか?
 
 ということは、「強行採決」に抗議する以前に、「採決」はそもそもなかったというのが真相ではないでしょうか?

 このような余りに理不尽な状況を見過ごすことはできないと考え、緊急に山崎参議院議長、鴻池安保特別委員会宛てに次のような申し入れをすることにしました。
 
 そこで、以下のとおり、皆様に賛同の呼びかけをさせていただきます。


「安保関連法案の採決不存在の確認と法案審議の再開を求める申し入れ」への賛同のお願い
 
http://netsy.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-6f5b.html 

 賛同いただける方は次の署名フォームにご記入の上、至急、送信下さるようお願いいたします。
 
 
http://form1.fc2.com/form/?id=4769b7bf3d609bb3

1. 申し入れに賛同くださる方は次のサイトに載せた「賛同署名の入力フォーム」にご記入のうえ、至急、お送りくださるようお願いします。
 
 
http://form1.fc2.com/form/?id=4769b7bf3d609bb3

 
(今の国会会期末までということで、925日に提出する予定です。)

2. 
ご記入いただいた氏名、所属/お住まいの都道府県名はそのまま名簿に記載して提出します。また、記入いただいたメッセージとともに、専用のサイトに掲載させていただきます。匿名をご希望の方はその旨を必ず付記ください。

3. 
賛同署名は925日(金)午前10時締切りとします。 

呼びかけ人
 池住義憲(元立教大学大学院特任教授)
   生方 卓(明治大学教授)
 
浦田賢治(早稲田大学名誉教授)
 
小野塚知二(東京大学・経済学研究科・教授)
 奥田愛基(SEALDs)
 小中陽太郎(作家・ジャーナリスト)
 
澤藤統一郎(弁護士)
   清水雅彦(日本体育大学教授)
 
高麻敏子・高麻亘男(自営業)
   藤田高景(村山首相談話を継承し発展させる会・理事長)
 森 英樹(名古屋大学名誉教授)
 
醍醐 聰(東京大学名誉教授)

連絡先
 
 shichosha_kangeki@yahoo.co.jp 
 
 電話:08078149650  

 

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しどろもどろの参院事務局の応答 ~安保法案「可決」の認定を尋ねると~

2015918

安保法案「可決」の認定は誰が、どのように
 昨日、このブログに、安保法案は参院特別委で「可決」されたと言えるのかという記事を書いた。
 これに関連して今朝の『朝日新聞』「声聞き取れぬ採決 委員長が賛否認定」という見出しの記事が掲載された。それによると、私は昨日の記事で、1625分前後の約5分間に3つの案件――-①質疑打ち切り動議、②安保法案そのもの、③付帯決議―――が採決されたと言われていると書いたが、さらにもう1件、法案可決の事実などを盛り込む「審査報告書」の作成を鴻池委員長に一任する動議(?)も採決されたとのことである。あの騒然とした委員会室で、わずか56分の間に計4つの案件が「採決された」とは驚きである。

 さらに、問題なのは「委員全員がほぼ立ち上がり、鴻池氏の声も聞き取れない中、賛成多数をどう確認したのかはわからない」(同上、記事)という点である。
 記事によると、「参議院事務局は『最終的には委員長が賛否を認定する』」そうである。しかし、昨日のブログ記事に載せたように未定稿の速記録には「議場騒然、聴取不能」という記載があるのみ。
 それでも、「委員長発言はマイクを通さなくても、委員会室で発言する限り有効とされるが、議事録に正しく記録する必要がある。今回も鴻池氏の発言を記録する目的か、委員長席を取り囲む人の輪へICレコーダーを突っ込む人の姿が見られた」(同上、記事)という。

 これだけでは腑に落ちないので、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定した」のか確かめるため、今日、参院事務局の安保特別員会担当事務局(委員会部)に電話をした。約10分ほどのやりとりは次のとおりだった。

参院事務局とのやりとり(1)~鴻池委員長が認定したというけれど~
 醍醐:今朝の『朝日新聞』によると賛否の認定、可決の認定は最終的には委員長が行うとのことですが、昨日、鴻池委員長は賛成多数をどのように「認定」したのですか? 委員長席には与野党委員が殺到し、かぶさり合って騒然とし、委員長の声は聞こえませんでしたが。

 参院事務局:委員長は賛成多数を確認したということです。

 醍醐:どうやって確認したのですか?

 参院事務局:委員長の声は聞き取れなかったかも知れませんが、われわれは委員長の音声を確認し、記録を取れています。

 醍醐:しかし、テレビの画面を視る限り、委員長は委員席が見えず、賛成起立した委員を確認できる状況ではなかったはずです。

 参院事務局:私たちもインターネット中継を見ていましたが、起立している委員の姿は確認できました。

 醍醐:では、委員長席に殺到し、かぶさるような格好になっていた委員は起立したことになるのですか?

 参院事務局:委員以外の議員は起立にカウントされません。自席を離れていた委員も起立賛成にはカウントされません。

 醍醐:それなら、委員長は自席で起立した委員の姿が見えず、起立した委員の数を確認できなかったはずですが。また、委員長席の周辺以外にも自席を離れていた委員がかなりいましたが、どうなるのですか?

 参院事務局委員長は見えたんだと思いますが

 醍醐:テレビを見ていたら、誰だって、委員長は周りを取り囲まれ、委員席を見えていなかったことは一目瞭然ですよ。委員の中で起立した人はいたのは映像から確認できますが、あれは委員長の議事進行の声を聴き取ってではなく、自民党の佐藤筆頭理事のサインに促されて起立したことは明らかです。佐藤理事は委員長の職務代行者ですか? そうでない委員の指示で起立しても有効なのですか?

 参院事務局:・・・・・・・ いずれにしても、委員長の「可決」うんうんの声を私たちは確認していますので、それを以て認定ということです。

 醍醐:では起立多数、よって可決という認定はいつの時点でしたのですか? 委員会終了後、委員長と事務局の相談でですか?

 参院事務局:そんなことはありません。あくまでも委員会室で委員長が認定するものです。

 醍醐:それなら、自席で起立した委員を確認できない状況で、どうして賛成多数を認定できたのですか?
 
 参院事務局委員長は見えたんだと思いますよ

 醍醐:テレビ中継で、あの場面を視ていた人なら、鴻池委員長は自席で起立した委員の姿が見えたとはとても信じませんよ。それと、委員長の議事進行の声が聞こえない状況で、特定の理事のサインに応じて起立しても無効でしょう?

 参院事務局まあ自民党の理事ですから、委員長を代行したと言えるのでは・・・・

 醍醐:冗談じゃないですよ。仮に事務局の皆さんが委員長の声を聴き取れたとしても委員会室で委員が聴き取れなければ意味がありません。

 参院事務局:とにかく、賛否の認定は委員長がやることになっていて、私たちはそれを補佐するだけです。

参院事務局とのやりとり(2)~議事録はどうなる?~
 醍醐:補佐といっても事務局は委員長の指示に追従することではないですね。補佐の中身は議事進行規則等について不慣れな委員長に助言をすること、議事録を整備することなどですよね。

 参院事務局:それはそうです。ただ、私たちは委員長の判断をどうこういうものではありません。

 醍醐:速記録では、「議場騒然、聴取不能」と書かれていますが、正式の議事録は先ほど言われた、皆さんが聴き取ったとされる記録をもとに作成するのですか?

 参院事務局いえ、(速記録のとおり)「議場騒然、聴取不能」と書きます

 醍醐:だったら、賛否(可決)の認定を客観的に裏付けるものはないことになりますね。

 参院事務局:そのような場合は、委員長の認定です。

 醍醐:委員が自席にとどまり、正常な議事進行で採決がされた場合は委員長の認定を特段、問題にすることはありません。しかし、昨日のように混乱したなかで、委員長が起立した委員を確認できず、委員長の議事進行の声を委員が聞き取れない状況で、議事録の裏付けなしに委員長の認定だけで可決の有無を判断するのは怖いことですよ。委員長の独断を許すことになりかねず、悪しき先例にもなります
 野党が共同で採決無効の申し入れをしたと伝えられていますが、参院事務局はこれにどう対応するのですか

 参院事務局:・・・・あっ、今、別の用件が入りましたので、すみませんがこの辺で・・・・」

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安保法案 : あれでどうして 「可決」 なのか?

2015918

3つの案件は採決されたといえるのか?
 昨日の午後、安保法案の参院特別委の模様を中継したNHKの番組を視た。1625分頃、鴻池委員長の不信任動議が否決されたところまでは画面と音声で確認できた。しかし、その後、1630分頃までの間に3つの案件(注)が「可決された」と、NHK164219秒にニュースで流したのを知って驚いた(時刻はNHKふれあいセンターに電話で問い合わせて確認。その後、更新されている)。  http://www.nhk.or.jp/news/html/20150917/k10010238871000.html 
 (注)質疑打ち切り動議、安保法案、与党と野党3党が共同提出した付帯決議の3つ

 テレビの画面を視る限り、この5分間は与野党委員が委員長席に殺到し、もみ合う状況が続いたとしか見えなかった。むろん、その間、自民党筆頭理事・佐藤正久氏が委員席に向かって送ったサインに応じて与党委員が自席近くで起立する光景が何度か映った。あれが起立多数で可決の挙動だったのだろうか?
 しかし、その模様を伝えたNHKの高瀬耕造アナウンサーは、「委員長の声は全く聞こえません」と2度繰り返した。視ていた私も同様だった。

  実際、未定稿の速記録によると、不信任案が否決され、鴻池委員長が委員長席に戻って以降は、「議場騒然 聴取不能」と記された後、「委員長退席 16時36分」と記され、その間は何も記載がない。
 ここから判断して、鴻池委員長が議事に関して何かを発言し、採決がされたことを裏付ける記録はないことになる。

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野党議員は口をそろえて「何があったのかわからない」
 
 委員会閉会後、廊下でインビューを受けた福山哲郎委員(民主党理事)はスタジオからの質問を遮るように、「可決はされていません。あの審議をご覧になっていたらわかるように、可決は認められません。委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、採決されたのかわからない」と強い口調で語った。

 民主党の枝野幹事長も国会内の記者団に対し、「採決がなされたと言える代物ではない。これをもって、委員会で可決されたとするならば、到底許されない暴挙だ」と語っている(上記、NHKニュース記事参照)。

 共産党の井上哲士議員は、「(安全保障法案の採決で)いったい何がおきたのか、そもそも動議が出たのかどうかも、委員長が何を発言したのかも誰もわからない。そして、私は自民党席の前にいたが、彼らも何もわからないまま立っていただけですよ。だからこれは全く無効」と語っている。(「朝日デジタル」20159171928分) 
http://www.asahi.com/articles/ASH9K652JH9KUTFK010.html?iref=com_alist_6_04


 生活の党と山本太郎となかまたち代表の山本太郎議員は、「委員長席を与党の議員が取り囲む中で、委員長自身が確認することなく、可決の判断をすることはありえない」と語っている(上記、NHKニュース記事参照)。

 そして、昨夜、野党5党は山崎正昭参院議長に対して、特別委での採決は無効と申し入れた

早々と「法案、可決」と伝えたNHK、その根拠は?
 NHKの中継を視た人たちの多くも、後掲のように、「可決はされてません。認められません」という福山哲郎議員の発言をリツイートしている。また、「あれで可決されたとは思えない」、「NHKもよくあれで可決されたと放送できたものだ」、「騒然として、速記も止まっていた、可決の証拠がない状態のようだけど?メディアが『可決された』と報道すれば、既成事実化されるね」とツイッターに書き込んでいる。

 私も、「採決をした」と与党委員がいう時刻から23分後にNHKの田中泰臣・政治部記者が「可決された模様です」と語り、およそ10分後に「安保法案、可決」という字幕を出したのは、どのような取材または証拠に基づくのか、奇異に思えた。

 委員会室で与党議員が数回、起立したのは確かだ。しかし、「委員長が何を言ったかわからない。いつ動議を出したのか、わからない」という状況の中で、委員長の職務代行でもない自民党の筆頭理事の指図に応じて、与党委員が起立したことを以て可決とみなすのであれば、委員長そっちのけの議事進行であり、委員会室は無法地帯も同然である

 少なくとも、このように与野党で状況認識が真っ向から対立する問題について、また、テレビを視た多くの人々が、「あれで可決とは思えない」と受け止める状況について、NHKはじめ、ほとんどのマスコミが、与党の主張通りに「可決ありき」と報道したことに強い異議を感じる。

 せめて、「与党議員は、法案は可決されたとして委員会室を出ました」といったように、与党の言い分と距離を置く伝え方をし、「可決」が既成事実化するのを避ける姿勢を貫くべきだ。報道のあり方次第で、不条理が既成事実化し、撤回なり修正なりの協議の可能性がふさがれる怖さをマスコミ自身がもっと厳格に自覚するべきだ。多数派が数の力で強引に決めごとをする場合はなおさらである。

野党は「可決」の既成事実化に抗うべき
 
~「あらゆる手段を駆使して」というのなら~
 政府・与党は安保法案を今夜のうちにも本会議で可決しようと強硬姿勢を見せている。本会議で可決されるとなると、特別委での採決の無効を訴える野党の主張は効力が減衰してしまうというのが常識的な見方だろう。
 しかし、野党各党が「あらゆる手段を使って法案の成立を阻止する」というなら、上で指摘したような参院特別委での安保法案の「可決」の有効性はもとより、「採決」そのものの有効性に関する異議申し立てを、一応の「ポーズ」どまりにせず、毅然と実行すべきだ。
 そのためには、野党は、質疑打ち切り動議が、いつ、誰から出されたのか、3つの案件について、委員長はそれぞれ採決をどのように諮ったのか、について速記録で確認するとともに、起立賛成した与党委員は、鴻池委員長の発言を聴き取って起立したのか、佐藤筆頭理事の合図に促されて起立したのか(後者なら採決は無効)を実地精査して確認すべきである。
 こういう作業をせず、「到底許されない暴挙」とか、「採決は言語道断」とか、「まったく無効」と言っても言葉遊びになる。そのような口先だけの勇ましい言葉なら、国民は見向きもしない。

NHK
政治部・田中泰臣記者が使った「不測の事態」とは?
 916日夕方から17日の夜にかけてNHKは国会とスタジオを結んだ特別委の模様を長時間、放送した。その際、スタジオには高瀬アナウンサーとともに政治部の田中泰臣記者が頻繁に登場し、解説をした。
 ①公聴会直後に法案の採決をしようとする与党の、公述人を冒涜する行為を不問にしたこと、
 ②1日前までやると言っていた締め括り質疑を飛ばし、野党が防衛省等から提出を求めた資料が提出されないままの状態で、採決に移ることへの疑義を一切差し挟むこともなく、政府与党が描く審議日程を得々と説明したこと、
など、田中記者の解説ぶりはNHK政治部の政府広報部ぶり知るうえで「有益」だったが、できれば別の記事でこの点を立ち入って論じたいと思う。

 ただ、一つ、ここで触れておきたいのは田中記者が、高瀬アナから、「なぜ政府与党は採決を急ぐのか」と聞かれて、頻繁に「採決がずれ込むと、国会の外の反対行動が大きくなって不測の事態を招きかねないから」と語ったことである。
 「不測の事態」・・・・・「実用日本語表現辞典」によると、「予測していなかった、思いがけないできごと。ふつう、悪い結果について用いる」とある。
 では、国会の外で連日行われている、安保法案廃案、憲法守れの行動がさらに広がることによって、田中記者は、どのような「予測外の悪い結果」が起こると考えたのだろうか? 予測する事態を「悪い結果」とみなす理由は何なのだろうか?

 昨日、NHKふれあいセンターに電話して、この点を質問したら、「ここでは、そのようなお尋ねがあったことを担当部署に伝えることしかできない」との返答。代わって電話に出た「上司」を名乗る人物としばらく問答をしたが、返答は変わらず。最後は、「どうしても確かめたいということなら、手紙かメールで田中記者に直接、尋ねてほしい」。近く、そうしたい。


【付録】「あれで可決」(Yahoo! リアルタイムで検索)
 http://realtime.search.yahoo.co.jp/search?p=%E3%81%82%E3%82%8C%E3%81%A7%E5%8F%AF%E6%B1%BA&ei=UTF-8

「民主、福山議員インタビュー。開口一番「可決はされてません。認められません。委員長が何を言ったのかも分からない、誰が何の動議を出したのかも分からない。あれで可決なら我が国の民主主義は死にます」 pic.twitter.com/ADOwjCvXtc gigimaki gigimaki) 803RT

「最終採決の映像ニュースで今見たけどあれ?!あれで可決?!?!よそ見してる間にあんぱん食べちゃって「はいもう食べちゃった〜〜〜はいもうおしまい〜もうあんぱんありませ〜〜ん」とかやってる小学生みたいなやり方でしたが?!」Twitterqmsd_ (ラムしゃぶ)

「あれで『可決された』と言っていいのかな。騒然として、速記も止まっていた、可決の証拠がない状態のようだけど?メディアが『可決された』と報道すれば、既成事実化されるね。」Twittera_uzume (アマノウズメ)

「議事録の有無以前に、ほとんどの人が委員長がいつどのような提案をして採決を求めたか聞こえていないはず。賛成も反対もあり得ない。無効!NHKもよくあれで可決されたと放送できたものだ。」Twitterikarinuma (ぬまちゃん) 4RT

「まったくです!シナリオを持っていないと、あれで可決とは思えない。」
twitter.com/legrandsnes/st… Twittertanjibrico
(たんじふみひこ)

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公聴会直後の採決は公述人に対する侮辱

 

2015916

【追記】2015年9月16日 23時15分)この記事を紹介したasyura に次のようなコメントが付いていることを知った。

http://www.asyura2.com/15/senkyo192/msg/886.html
2.2015年9月16日 22:18:34   
田村智子氏
「理事会で問題になったことの一つが、午後行われた地方公聴会の報告文書が、
A41枚のあまりにお粗末な内容だということ。私も委員会室に配布されているものを見て、なんだこれはと怒りがこみ上げました。地方公聴会は委員会のメンバー全員が参加したわけではない、だから、報告をするのです。
それがたった35行、
おそらく1000字足らずでしょう公述人に対する敬意さえない、この報告。」 https://www.facebook.com/tomoko.tamura.5076/posts/550420515109131
自民党も公明党も、人として失礼な生き方をしています。礼儀がなっていません。無礼者です。

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 濱田邦夫・元最高裁判事の痛烈な政府・内閣法制局批判
 与党は安保関連法案について、今日、横浜で開かれる地方公聴会の後、国会へ戻り、参院安保特別委員会を開いて法案の採決に踏み切るか、遅くとも明日には採決の構えと伝えられている。
 しかし、中央であれ、地方であれ、公聴会とは特定の法案なりテーマなりに深い造詣を持つ公述人が述べた意見、提出した知見を法案等の審議の参照にするための制度である。
 にもかかわらず、15日の中央公聴会、今日16日の地方公聴会の即日あるいは翌日に採決とは何事か? 周到に準備のうえ意見を述べた公述人に対する非礼極まりない暴挙である。
 私は今日の地方公聴会で公述人が述べた意見は未知であるが、15日の中央公聴会で奥田愛基さんや濱田邦夫さん(元最高裁長官)が述べた意見には傾聴すべき貴重な意見・知見が含まれていたと思う。そのうち、濱田さんが述べた意見の中で特に印象に残った点を摘記しておきたい(IWJが起こした原稿からの引用)。
 
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/264771

 「今回の法制については、聞くところによると、この伝統ある内閣法制局の合憲性のチェックというものが、ほとんどなされていない、というふうにうかがっておりますが、これは、将来、司法判断にその色々な法案が任されるというような事態にもなるんではないかというような感じもします。」

 「砂川判決の具体的事案としては、米国の軍隊の存在が憲法に違反するかということがですね、中心的な事案でございまして、その理由として、自衛権というものがあるという抽象的な判断、それから統治権理論ということで、軽々に司法府が立法府の判断を覆すということは許されないということが述べられておりますけれども、個別的であろうが集団的であろうが、そういう自衛隊そのもの、元は警察予備隊と言っていたそういう存在について、争われた事案ではないという意味において、これを理由とするということは非常に問題がある、ということでございます。」

 「この47年の政府見解なるものの、作成経過およびその後の、その当時の国会での答弁等を考えますとですね、政府としては明らかに、外国による武力行使というものの対象は、我が国である、と。これは日本語の読み方としてですね、普通の知的レベルの人ならば、問題なく、それは最後のほうを読めばですね、『従って』という第3段ではっきりしているわけで、それを強引にですね、その外国の武力行使というものが、日本に対するものに限らないんだと読み替えをするというのは、非常にこれはなんと言いますか、字義をあやつって、法律そのものを、法文そのものの意図するところとはかけ離れたことを主張する、と。これは悪しき例である、と。こういうことでございまして、とても法律専門家の検証に耐えられない、と。まあ私なり、山口元長官が言っていることはですね、これは常識的なことを言っているまでで。
 
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 これらはどの意見も、政府が集団的自衛権の行使容認を現憲法の範囲内とする際に挙げる根拠―――砂川事件最高裁判決、1972年政府見解―――を牽強付会と断罪し、こうした違憲の政府解釈をチェックせず放置してきた内閣法制局を「今は亡き内閣法制局」と痛烈に批判したのが印象深い。

元最高裁裁判官の批判を一私人の意見と切り捨てる閣僚の傲慢と知的荒廃
 
 山口繁・元最高裁長官も93日、共同通信の新聞のインタビューで、安保法案をめぐって「集団的自衛権の行使を認める立法は違憲と言わざるを得ない」と述べたうえで、安倍総理が集団的自衛権を行使できる根拠としている1972年政府見解の強引な読み替えについて、「何を言っているのか理解できない。『憲法上許されない』と『許される』。こんなプラスとマイナスが両方成り立てば、憲法解釈とは言えない」と厳しく批判した。

 しかし、これについて安倍晋三首相は911日の参院安保特別委の集中審議で、「今や一私人になられている方について、いちいちコメントするのは差し控える」と述べた。
 中谷防衛大臣も94日の参院安保特別委で、「現役を引退された一私人の発言に政府の立場でコメントするのは控える」と述べた。

 それなら、与党推薦も含め、国会が中央・地方の公聴会に招致した公述人もすべて「一私人」であるし、安倍首相が設置した安保法制懇のメンバーも私人である。
 私人であるがゆえに、聴く意味がないという物言いは公聴会の存在も否定し、公述人が披瀝する専門知に対する冒涜であると同時に自己欺瞞でもある。公述人の意見に承服できない点があるなら、国会の場で堂々と反論し、国民の判断を仰ぐのが国民主権のもとでの議会制民主主義のイロハである。

 さらに言えば、私人であるがゆえに、聴く意味がないという物言いは、私人の意思の総和である民意を聞く耳を持たないというのと同じである。現に、安倍首相や高村自民党副総裁は「たとえ国民の理解が得られていなくても決めるべき時には決める」という発言を繰り返している。

自民党の多数議席獲得は国政全般への信任ではない
 こうした発言は、我こそは、いかなる専門家の意見よりも、国民多数の意思よりも、優っているという独善の表明そのものである

 国会の場で質問者に品のないヤジを繰り返す安倍首相の理性のレベルは既に知れわたっているが、直近の選挙で自民党が多数議席を得たことを以て国政全般への信任を得たと菅官房長官は強弁する。しかし、多岐にわたる公約の中で自民党が主たる争点にしたのは「アベノミックス」だったことは衆目が一致している。選挙結果が国政全般への信任というなら、国会は与党の意のままに事を決める採決あって審議無用の大勢翼賛の場に過ぎなくなり、国会審議は無用の長物と化す。いわんや、重要課題について国民が民意を表明する行動は無価値も同然になる。

 しかし、安保法案にせよ、沖縄の辺野古基地建設にせよ、消費税増税にせよ、原発再稼働にせよ、すべて民意の多数に背いた強行政治である。このような事実は選挙結果が国政全般に対する信任ではないことを示すなによりの証拠である。

 また、今回の安保法案に関して言うと、一昨日(9月14日)、NHKがまとめた世論調査では、与党支持者のなかでも、安保法案を今国会で成立させるという政府・与党の方針について、「
賛成」は35%、「反対」は25%、「どちらともいえない」は37%で、「賛成」は与党支持者の中でも約3分の1に過ぎない
  http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/227302.html

安保法案を今の国会で成立させるという政府・与党の方針をどう思うか?  
          全体 与党支持者 野党支持者 無党派
賛成         19          35              7            10    
反対                     45          25             78           56
どちらともいえない    30          37             13           32

 安保法案の採決がいかに理不尽か、阻止すべきかを示す証拠は出そろっている。



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