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いのち還る季節に根拠なき祝日を想う

 20175月12日

鉄線の咲く季節
  今年もわが家の庭の生垣に鉄線が咲いている。4月の連休に入ってまもなく、暖かな陽射しに誘われるように咲き始めた。それから日に日につぼみが開き、一面に大きな花輪が広がってきた。

20170511
    2009525日に、「鉄線によせて」というタイトルの記事をこのブログに投稿したが、そこで、次のような短歌を載せた。

  鉄線花むらさき沁みる家垣に二人となりし夕餉整ふ  森 淑子

 二人暮らしとなった今の自分に似合う歌のように思え、親しみを感じる。

本が焼かれた広場 
 先日、連れ合いに寄贈いただいた正古誠子・歌集『卯月の庭』(20174月刊、不識書院)をなにげなく読んでいくと、ベルリンのベーベル広場を詠んだ歌が目にとまった。4年前に私たちも訪ねた場所だ。

  言葉の力怖れたるナチは本を焼く狂気といふはたやすけれども
  書物焼きたる広場みぞれに人もゐず地中に並ぶ本のなき棚

 ミッテ地区にあるこの 18 世紀の広場には、オペラ座、教会、図書館がある。道路を挟んで向かいはフンボルト大学だ。この広場はかつてナチスによる焚書が行われた場所だ。夕闇の中、広場の中央にある地面にはめられたガラス窓をのぞき込むと書籍のない書架がライトに照らされて見えてきた。その時撮った写真を探し出して見つめると、忘れかけた旅の思い出がよみがえってきた。と同時に、「言葉の力怖れたるナチ」と詠んだ正古さんの表現などどこ吹く風の今どきの日本の政権党の面々の言葉の不遜、下劣さを思い知らされた。

Photo
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還るいのち
 ところで、上の歌が収められた正古さんの歌集の一つ前のページを見ると、こんな歌があった。

  春にしてかへるいのちをたしかむる鉢植の木それぞれ芽吹く

 わが家でも炎天が続く夏以外、水やりもせず放りっぱなしの生垣に毎年、決まった季節にあでやかな紫色の鉄線が一面に咲き出すのを見て、「かへるいのち」を実感させられる。そのような姿を観察して沈着な一首を書き留めた正古さんのセンスに魅せられた。

根拠なき祝日
  そんなわけで、最初は無造作に読み出した正古さんの歌集を繰っていくと、こんな歌が目にとまった。

  根拠なき祝日なれば移動して「みどりの日」といふ 木々は緑に

 なんとも鋭い表現力である。私などは、皇族の減少を心配するより、このまま「象徴天皇制」が続くと、いずれカレンダーが「根拠なき」祝日で埋まってしまうことの方が気になる。


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