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相互理解の始まりは「知ること」~千葉朝鮮学校の美術展に参加して~

20171210

千葉
朝鮮学校の美術展覧会&ミニ・コンサートに出かけた
 昨日、千葉市美術館で開かれている第46回在日朝鮮学生美術展覧会」に出かけた。93日に船橋馬込霊園で開かれた関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式に参加した時に千葉朝鮮初中級学校の生徒、引率の先生と出会い、短い言葉を交わしたのがき
っかけである。


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 14時過ぎに会場に着き、まず、9階の市民ギャラリーで開かれている美術展を観た。各地の朝鮮学校の初級、中級部の学生の作品が壁面にぎっしり展示されていたほか、今年は日本、南・北コリア、中国、ミャンマー、モンゴル、ベトナム、バングラデッシュの子供たちの絵も展示されていた。展示の作業は、すべて生徒、オモニ(保護者)の会が手掛けたと聞いた。

 その後、1階に降りて、さや堂ホールで15時から開かれたミニコンサートを観賞し
た。民族衣装で朝鮮の楽器演奏や舞踊が演じられるのを観賞するのは初めてだった。

  ①生徒のコーラス、②初級部民族器楽部・オモニ・先生の重楽器の演奏「アリランと赤とんぼ」、③初級部舞踊部の舞踊「ソンチャンゴの舞」、④二神秀明さんのフルート、アルトサックス独奏・ピアノ伴奏、二神秋花さんの「もののけ姫」「花は咲く」、⑤女性書家、華雪さんのスピーチ&実演「心」と多彩なプログラムが流れ、濃密な1時間があっという間に終わった。


あでやかな民族衣装で演じられた楽器演奏と舞

11つをここで紹介することはできないので、映像の力にあやかって、②の重楽器演奏、③の舞の姿と⑥展覧室で立ち止まった2点の作品の写真を貼り付けておきたい。なにぶん、素人のデジカメ撮影なので不鮮明なことをお断りしておく。

 ②の重楽器の演奏「アリランと赤とんぼ」は何といっても音声を味わうのが一番なので、楽器と奏者は少ないが、千葉朝鮮初中級学校のHPにアップされている動画を紹介しておきたい。
 民族楽器重奏「アリラン」

https://www.facebook.com/tibaurihakkyo/videos/vb.548754851894249/859456667490731/?type=2&theater 

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 ③のソンチャンゴの舞は時々訪ねる千葉朝鮮初中級学校のHPに写真で紹介されているのは知っていた。色鮮やかな民族衣装をまとって初級部舞踊部の4人の生徒のぴったり呼吸のあった軽やかな舞踊を間近で観て魅了された。

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 ⑥の作品のうち、「マイノリティ」という題が付けられた絵の前で立ち止まり、見入った。

Photo_4              「私のお父さん」

Photo_5             「マイノリティ」

 ⑤の実演で華雪さんが使われた毛筆はご自身が10歳の時に切った頭髪で作られたものというお話もされた。スピーチ&実演は15分ほど続いたが、真剣なまなざしで聞き入る生徒の姿が大変、印象的だった。
 全体を通して、お仕着せのお行儀よさを演出する場面は全くなく、普段通りの立ち居振る舞いと思え、凛とした演技、振る舞いが印象深かった。

「朝鮮学校は日本社会のカナリア」~金校長の講演録より~

 最後に、2ヶ月ほど前、千葉朝鮮初中級学校校長の金有燮(kim yu sop)さんと初めてお目にかかった時に、「ぜひお読みください」と言っていただいた神田外語大学での講演録「朝鮮学校ではどのような教育が行われているか」(同大学『グローバル・コミュニケーション研究所キャンパス・レクチャー』第5号、2017630日刊、所収)のなかの数か所を紹介しておきたい。

 「朝鮮学校では反日教育や共産主義教育が行われているのでけしからんと言われているようですが、本当にそのような教育をする学校に、これからも日本で永住していこうとする親たちが入れるでしょうか。ありえない話です。・・・・我々は日朝親善教育、統一教育を積極的に行っています。
 なによりもそのような教育を行ってほしいというのが同胞たちの希望でもあり、その要求に対し積極的に応じていかなくては学校が成り立つわけがありません。」(2526ページ) 

 「朝鮮学校の女子生徒の制服は民族衣装であるチマチョゴリです。しかし、15年ほど前から切り裂き事件やヘイトスピーチなどによって、現在は校内だけでしか着られないでいます。日本の街では民族衣装を着られないというのが実情なのであります。朝鮮学校女子生徒の制服チマチョゴリこそ、日本の国際化レベルを図り知る事のできるバロメーターといえるでしょう。」(28ページ)

 「朝鮮学校が元気な社会は、マイノリティ-も含めた皆が安心に暮らせる社会といえるのではないでしょうか。日本社会において<炭鉱のカナリア>は、まさしく朝鮮学校なのです。そのようなすべての人にやさしい日本社会を共に作っていきたいと我々は切に願っています。」(28ページ)


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