自著紹介 『労使交渉と会計情報ーー日本航空における労働条件の不利益変更をめぐる経営と会計ーー』

 昨年1231日付けで日本航空は運航乗務員81名、客室乗務員84名に対し整理解雇を通告した。これに対し、乗務員146名が119日、解雇の無効を訴えて、東京地裁に提訴した。今後は、この整理解雇が、原告の訴える整理解雇の4要件に違反するものかどうかをめぐって法廷で争われることになる。
 私の専攻との関係では、今の日本航空に、一つ目の要件(経営状況に照らして、整理解雇をしなければ企業の維持・存続ができないほど、人員削減に差し迫った必要性がある)が該当するかどうかが争点になる。
 これについては、最近の日本航空の経営状況の的確な把握と、なぜ日本航空を会社更生法の適用を申請しなければならないほどの経営危機に至らしめたか、その要因を歴史的に検証することが不可欠である。
 以下の拙書は、このような問題意識から、具体的には日本航空の機長組合が会社を相手取って起こした長時間乗務手当削減の無効を求める裁判で、東京地裁に提出した私の意見書をもとに、それに大幅な加筆をしてまとめたものである。

 今回、新たに裁判が起こされたのを機に、少しでも多くの方に、巷間言われる「パイロットの高い人件費が日本航空の経営再建の足かせになっている」という風評が事実に基づくのかどうかを考えていただく一助として、拙書を一読いただけるとありがたく思う。

醍醐 聰『労使交渉と会計情報
日本航空における労働条件の不利益変更をめぐる経営と会計』http://www.hakutou.co.jp/detail/class_code/26436/

(このサイトを開くと、末尾にオンライン書店があり、そこから注文できます。)
醍醐 聰 著
白桃書房刊
定価:2,999円(本体:2,857円)
A5
判 280
初版:20050916
ISBN
978-4-561-26436-1
在庫あり
会計情労使の相対交渉が企業内交渉の枠を越え司法の場に持ち込まれた日本航空。その裁判の審理過程並びに判決の中で会計情報はどのように利用され,情報の非対称性解消の努力はどうなされたか。会計情報の機能を司法の場で捉えた問題作。

(以上、出版元の白桃書房HPより許可を得て転載)

Roushikosho_to_kaikeizyoho

<目次>
はじがき
1章 労使交渉における会計情報の利用――理論的基礎―― *****   1
2章 労働条件の不利益変更の法理と会計の役割 *************  13
3章 業績指標の解釈をめぐる争点 ***********************  39
4章 日本航空の収支構造と国際比較 *********************  75
5章 人件費と労働生産性の国際比較 *********************  97
6章 航空券販売システムの分析 ************************ 135
7章 ドル買い為替予約の会計問題と経営責任 **************  161
8章 関連事業投資をめぐる経営責任と会計情報 ************* 201
9章 会計情報の相対交渉支援機能から見た本件の意義――東京地裁判決の検討をかねて――
                                                                          ************* 233


ちなみに、この書物に収録した、営業費用に占める人件費の国際各社比較は次のとおり。

1991

1992

1993

1994

1995

1996

1997

1998

JAL

29.2

27.9

28.7

28.7

28.1

26.4

26.0

25.3

American

33.3

34.3

34.8

35.1

34.7

35.7

36.2

37.7

United

36.8

36.5

35.0

32.2

31.1

31.2

31.2

33.2

Northwest

31.1

29.5

30.7

33.3

35.3

British Air.

30.9

29.5

28.3

28.9

29.3

28.8

27.2

27.8

Lufthansa

28.8

28.3

28.5

25.7

25.0

Jalは社外委託費に含まれる人件費の推定額を含む。(本書、8691ページより)

次に、最近調査した、営業費用の構成割合に関する比較可能な直近の国際比較は次のとおり。

JAL
(億円)

ANA
(億円)

American
(百万$)

United
(百万$)

British Air.
(百万£)

燃 油 費

1,882
24.6%)

1,254
22.0%)

4,085
26.4%)

2,528
20.7%)

1,228
(29.1)

人 件 費

1,329
17.4

1,152
20.3

5,087
32.9

2,838
23.2

1,031
(24.5)

運航施設

利 用 費

573
7.5

478
8.4

1,006
6.5

676
5.5

322
7.6

整 備 費

553
7.2

278
(4.9)

948
6.1

718
5.9

247
(5.9)

   

償 却 費

386
5.1

544
9.6

826
5.3

675
5.5

360
8.5

航空機材

賃 借 料

455
6.0

291
(5.1)

376
2.4

265
2.2

33
(0.8)

販 売

手数料

297
(3.9)

362
6.4

646
4.2

172
(1.4)

144
3.4

その他

2,167
28.4

1,329
23.3

2,495
16.1

4,357
35.6

848
(20.1)

合 計

7,642
100.0

5,688
100.0

15,469
100.0

12,229
100.0

4,213
100.0

1.JALANAの人件費は社外委託費に含まれる人件費を含まない金額(この期間中は、『有価証券報告書』に社外委託費を独立の費用項目とした事業費明細表が開示されなくなったことによる。)
 2.JALANABritish Air200949月期、AmericanUited2009年1~9月。

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「醍醐聰の会計時評」ブログ開設のお知らせ

 東京大学在職中、駒場キャンパスで2年生向けに開講された「会計」と、本郷キャンパスで開講された「財務会計」の講義用に開設していた「講義用ブログ」を今日から、「醍醐聰の会計時評」と改めて再スタートさせることにした。ブログのURLはこれまでと変わらず、
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/

 こちらのブログでは、企業会計はもちろんだが、私が近年関心を向けている公会計、特に国の特別会計、社会福祉財政や新銀行東京など東京都の財政決算分析も手掛けたいと考えている。ただし、「会計」時評といっても、狭い会計問題で完結する論評ではなく、企業経営や国、地方の財政政策との関連を視野に入れた論評をしていきたいと考えている。
 なお、今後、この「会計時評」ブログに新しい記事を掲載する都度、そのタイトルを「醍醐聰のブログ」でも紹介する予定である。この「醍醐聰のブログ」を訪ねていただいた方々の中で、財政問題や会計問題に興味をもたれる方はお手すきの折に「醍醐聰の会計時評」も訪ねていただけけるとありがたい。
 以下、ご参考までに「会計時評ブログ」の初回の記事――ストック・オプションの費用認識の根拠と算定方法を考える――を転載しておきたい。

 ********************************************************

 ストック・オプションの会計については、だいぶ時間が経ったが、税務大学校の機関誌『税大ジャーナル』に上・下2回に分けて論稿を発表している。税務大学校のHP上で公開されているので、それをこのブログに転載しておく。
  醍醐 聰「ストック・オプションの費用認識と損金算入の要件(上)」『税大ジャーナル』12号、200910
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/stockoption_zeidai_no1.pdf
  醍醐 聰「ストック・オプションの費用認識と損金算入の要件(上)」『税大ジャーナル』12号、20102
  http://sdaigo-kougi.cocolog-nifty.com/stockoption_zeidai_no2.pdf

 また、これと内容が重複する点が少なくないが、雑誌『産業経理』にも発表している。
  醍醐 聰「ストック・オプションの費用認識の根拠と基準の再構成」『産業経理』第69巻第4号、20101
 こちらは残念ながら、全文を掲載できない。

 私がこれらの論文で強調したかったのは、ストック・オプションを付与した企業の側で株式による報酬を費用として認識する時の根拠は何か、今日、なお内外で通説のように言われている論拠―――ストック・オプションを付与することによって被付与者から提供されると期待される追加的労働サービスに対する対価」説―――は論証に耐えうるのかという点ある。しかし、私は、通説を批判するだけでなく、私の代替的見解を積極的に示すよう努めた。

 まず、通説的な費用認識の根拠に対して私が感じる疑問は次のとおりである。

ブラック・ショールズ・モデルはストック・オプションの価値測定に適合するのか?
 ストック・オプションを付与することによって被付与者たる会社役員・従業員等からどのような「追加的」労働サービスが、どの程度提供されるのかは、本来、付与後の経営業績の推移を観察することによって事後的に把握されるべきものである。しかし、内外の現行の会計基準では付与日時点でブラック・ショールズ・モデル等の方式を使って、対価たる株式報酬の公正価値総額がまず算定され、それと等価の労働サービスの提供があるものとみなすという筋書きになっている。私が不思議に思うのは、こうした筋書きそのものの信憑性である。というのも、
 ①まず、ストック・オプションを付与した時点で、これから提供されると期待される「追加的」労働サ―ビスの量および金銭的評価を確定してしまう、という点である。ブラック・ショ-ルズ・モデルは付与企業の株価のヒストリカル・データを将来に延長して株価のボラティリティを予測し、それを付与日の現在価値に割り引く手法である。その際の予測の方法自体にも種々の問題点(ボラティリティを週次で把握するのか月次で把握するのかで結果が大きく異なるなど)が指摘されてきた。しかし、それ以前に、この方式をストック・オプションの価値算定に用いることに大きな問題がある。
 なぜなら予測はどこまでも予測であって、実績がそれと合致することはあり得ない。ストック・オプションを付与することによって期待される「追加的サービス」というなら、付与後、権利確定時点までの経営成績推移(株価はあくまでも指標の一つの候補)で提供された労働サービスの価値を把握するのが道理のはずである。ところが、今日、世界標準となっているストック・オプションの会計基準では、事後の株価の変動が予測値とどれだけ乖離しても、付与日に算定した価値(単価)を修正しないことにしている。その結果、付与日の後に、付与企業の業績が急速に悪化し、株価が権利行使価格以下まで下がった場合、  被付与者の権利行使行動には影響が及ぶが、付与企業の側でのストック・オプションにかかる費用総額には影響が及ばないことになる。

 ②こうした帰結は、ブラック・ショールズ・モデルで予測された株価をミラーにして、役員・従業員が提供する「追加的」労働サービスの価値を迂回的に算定しようとする発想自体が間違っていることを意味している。今日、個別企業の株価といえども、当該個別企業の業績(ミクロの要因)のみに連動して変動するわけではなく、内外の金利水準の変動、それを反映した為替レートの変動と言ったマクロの要因にも相当程度影響されて変動することは周知の事実である。ましてや、個々の企業の株価といえども、その変動要因のうち、どれだけがストック・オプションを付与した効果に帰因するかを分解することは不可能に近い。

 ③「追加的に」提供された労働サービスの価値と付与されるストック・オプションは等価のはずだからと言われるが、実際に企業で交わされるストック・オプションの報酬議案を見ると、付与されるストック・オプションの種類は株式報酬型(いわゆる「1円ストック・オプション」もあれば、付与日時点の株価、あるいはそれに先立つ一定期間の平均株価に11.05等を乗じた金額の払込みを要するものもある。また、権利行使条件として株価なり経常利益が一定の水準を超えることを加味する事例も見受けられる。また、1円ストック・オプションのように従前の金銭による役員退職慰労金に代えて採用されるストック・オプションもあれば、既存の報酬体系は不変のまま、それと別枠で導入されるストック・オプションもある。
 このように、株式報酬の形態が多様化している実態を無視して、付与されるストック・オプションの価値が常に、提供される労働サービスと等価であるとみなすのは根拠のない強弁の類と言わなければならない。
 
ストック・オプションの価値は従前の報酬体系との連続性を拠り所に算定すべき
 以上のような疑問を突きつめて行くと、ストック・オプションの付与日をストック・オプションの価値測定(確定)日とする現行の会計基準への疑問にも連なる。自社株式を報酬とするストック・オプションも付与企業から言えば労働債務の一種であるが、労働債務は一般に役務が提供されるのに応じて(通常は一年を単位とする会計期間ごとに算定あるいは改訂されるのが通例である。これに準じていえば、また、ブラック・ショ-ルズ・モデルで株価を指標に予測されたストック・オプションの公正価値も提供された労働サービスの価値との乖離を補正するためには事後の修正が必要になるはずだから、初めから予測値ではなく、実績値で算定すべきではないかということになる。
 ところで、ストック・オプションの採用によって期待される「追加的な労働サービス」といっても、それは不可視のインセンティブ効果であって、その効果は結局は外形的に観察可能な実績値(経営業績)で把握するほかない。しかし、株価であれ利益水準であれ、実績値といっても、金銭による労働報酬と株式による労働報酬を区分し、ストック・オプションの採用によって「追加的に」提供される労働サービスを金銭報酬のみの場合の道労働サービスと区分したうえで、それに対応する対価(債務)を測定するのは不可能に近い。
 これに対して、1円ストック・オプションのように従前の金銭による役員退職慰労金を廃止する代わりに採用される株式報酬の場合は、金銭で算定された従前の報酬総額を引き継ぐ形で(あるいは契約により減額・増額する形で)ストック・オプションの総額を算定することは不合理なことではない。私が上の論文で提案した代案はさらに肉付けが必要とは考えているが、エッセンスはこのようなアイデアに基づくものである。

 これとの対比でいうと、既存の報酬体系を不変のまま、ストック・オプションを導入したというだけで、「追加的な労働サービス」が提供されるはずであると観念して、労働報酬の算定には不向きなブラック・ショールズ・モデルを用いて、空想の世界で、「追加的な労働サービス」なるものとストック・オプションの公正価値なるものの「等価関係」を創作して費用認識を正当化しようとする議論は到底、論証に耐えうるものではないのである。

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都民を欺く東京都と新銀行東京の二枚舌~新銀行東京の黒字決算はタコ足決算~

 2010124日、東京・御茶の水の明治大学11号館で、「新しい東京 福祉・環境都市を目指して」をテーマに、新東京政策研究会主催のシンポジウムが開かれた。主催者の発表では135名の参加があったとのことである。以下は、シンポジウムの第1部で私が報告用に準備したパワーポイントと読みあげ原稿である。

 報告内容は雑誌『世界』の200911月号に発表した拙稿と重なる部分もあるが、その後に入手した2009年度中間期(20099月期決算)で新銀行東京が開業以来初めて黒字を計上した決算の実態に関する分析を付け加えた。まず、1期前の決算と比較したポイント部分を摘記すると次のとおりである。

    新銀行東京の比較損益計算書(抜粋)        単位:百万円

20089月期

20099月期

業務粗利益  

3,117

1,509

貸倒引当金繰入

6,823

0

貸倒引当金戻入

0

2,073

税引前当期純利益

7,016

1,071

(参考)貸出金残高

163,281

115,230

 新銀行東京「平成223月期中間決算説明資料」より作成

 これを見ると、本業の業績を表す業務粗利益が半減したにもかかわらず、帳尻の税引前当期純損益の黒字化をもたらした増益要因のほほ全ては貸倒引当金の縮小(新規繰入の停止による費用の減少と残高の取り崩しによる利益ねん出)によるものであったことがわかる。
 もともと、金融機関の貸倒引当金は貸出債権の焦げ付きによる損失に備えるものであるから、この間、貸出金が481億円減少した(1,633億円 → 1,152億円)のに対応させて貸倒引当金を取り崩すのは自然なことと思える。しかし、私は分析の結果、次の3点を指摘した。

 (1)貸出金が総額で約480億円減少したとはいえ、不良債権(ここでは金融再生法で開示を義務付けられた債権)比率は17%から20%強へと上昇している。しかも、不良債権の中でも貸倒れの可能性がもっとも高い破産・更生債権は1年前より16億円増えている。もともと、他の金融機関と比べ、割高な調達金利に制約されて、他行と比べ、貸出金利が高めの新銀行東京からの融資に依存するのは信用リスクの高い顧客と考えられ、新銀行東京の融資残高にはこのような顧客層が少なくないとみられる。「『今や、新銀行で借りれば経営が苦しい』というようなもの」(「日本経済新聞」20081229日)といわれるゆえんである。とすれば、貸出金残高の縮小に対応させて貸倒引当金を縮小する(取り崩す)という単純な論法が新銀行東京に当てはまるのか、精査が必要である。

 (2)仮に、新銀行東京が抱えた信用リスクに照らして、上のような貸倒引当金の縮小に問題はなかったとしても、貸倒引当金の縮小(取り崩し益)にもっぱら依存した黒字化がおめでたいことなのか、というのが私の2番目の指摘である。なぜなら、銀行のコア資産というべき貸出金を縮小させ、それに伴って生じる貸倒引当金の縮小(取り崩し益)に頼ってしか、黒字化を達成できないのでは銀行業としての存立の自己否定を意味し、そのようないびつな「増益」要因による黒字化は「タコ足決算」というほかないからである。これでは「再建計画」ではなく、「清算計画」と呼ぶのがふさわしい。

 (3)最後に私が指摘したのは、新銀行東京あるいはそれを主導した東京都の説明の自己矛盾である。東京都は2008年の都議会第1定例会に新銀行東京に対する400億円の追加出資を提案する際、「貸倒引当金ではカバーできないリスク等に対応するために必要な資本の額が280億円でございます」(2008311日開催の予算特別委員会における佐藤産業労働局長の答弁)と説明していた。

 ところが、それとほぼ同じ2008220日付けで新銀行東京が作成した「再建計画」において計画期間中に貸出金を728億円から404億円へと縮小させるのに対応させる形で、収益計画において貸倒引当金戻入益を4年間累計で264億円計上していた。これは本業の業務収益の累計額218億円を超える金額である。この意味で2009年度の中間決算において、貸倒引当金を取り崩して利益を底上げしたのはシナリオ通りの決算といってよい。

 しかし、ほぼ同じ時期に、新銀行東京の資本増強の必要性を議会で訴える時には、貸倒引当金だけでは足りないという一方、決算においては信用リスク対比で貸倒引当金は余るとみなして取り崩すのは議会と都民を欺く二枚舌である


醍醐 聰「新銀行東京に清算以外の道はない」(シンポジウム「新しい東京 福祉・環境都市を目指して」(2010124日、主催:新東京政策研究会、における発表用原稿)
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/singinkotokyo_ni_seisanigainomichihanai_20100124.pdf


上記発表の際に使ったパワーポイント原稿

http://sdaigo.cocolog-nifty.com/singinkotokyo_pp_20100124.pdf

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時価会計批判のいびつさと俗流「政治主義」

ある会計学界の集まりで
 半年ほど前、都内で会計学界関係者の集まりがあった。非常勤の講義を終え、開会時刻に遅れて会場に入ると、旧知のA氏とB氏がグラスを片手に会話していた。近づくと2人は時価会計のことを話していることがわかった。ちょうど、当時、サブプライム・ローン問題で有価証券の市場取引が低迷した起因として全国紙等が行き過ぎた時価会計に批判の矛先を受けているさなかだった。そのうち、B氏は私が近寄ったのを見て、「時価時価と言っていた人はどうしてくれるのですかね」と話しかけてきた。ちなみに私は会計学界では熱心な時価会計推奨論者の一人とみなされてきた。その後、次のようなやりとりを交わした。

 「醍醐:どうしてくれるのかって、どういう意味?」
 
「B氏:こんな状況になってどう思うのかということですよ。○○さんが〔時価会計を〕批判してきた通りになったじゃないですか?」
 「醍醐:あなたがいう時価会計批判とは時価会計のどこを指しているのですか? 私は時価会計に向けられた最近の批判は、①市場の流動性が極端に下がった時、それでも市場価格を時価として使うのかという批判、②もう一つは保有の目的別に有価証券の評価を分類してきた会計基準を見直す動き、だと思っていますが。」
 「A氏:それだけですかね。」
 「醍醐:時価会計のどこを問題にするのか定めないで時価か原価と言ってみても不毛ではないですか? ①の問題は、サブプライム問題が起こって急に浮上したことではなく、市場価格に代えて理論価格を使うこともありうると実務指針で定められています。問題は一口にいう理論価格とは何を指すのか、理論価格をどのように算定するの
かという問題だと思っています。これについては検討の課題だと考えています。②は今回あらたに浮上した問題ですが、私はもともと保有目的別時価会計、特に満期保有目的という目的を会計が一方的に定め、罰則を科してでもこの目的の中途変更を抑制しようとする会計基準は時価会計に固有のものとは考えていません。ですから、有価証券の保有目的別会計基準の見直しが始まったからといって、『それみたことか』と言い立てるのはナンセンスだと思っています。」
 「A氏:そうは思わないけれど、まあ、勉強させてもらいますよ。」

 A氏の最後の言葉が内心とかけ離れた社交辞令(捨てゼリフ?)であることは一目瞭然としていたが、それ以上会話を続ける意欲はなかった。

 俗流・軽薄の政治主義
 一つ前の記事の後段で、日本における会計基準の見直しは多くが海外での見直しの動きに追随した自律性のないものと論評した。しかし、日本の会計基準設定機関や会計研究者が国際会計基準にまったく異議を唱えてこなかったのかというとそうでもない。少なからぬ研究者は時価会計が国際的潮流になりかけたとき、それを「米国本位のグローバリゼーションの会計版」と見立てて執拗な異論を唱えてきた。しかし、私に言わせると、こうした抵抗は政治の世界の動きを会計の世界の動きに安直にダブらせる俗流「政治主義」以外の何物でもない。それでいて、時価会計が国際的潮流として定着したかに見えた時期には表向き沈黙を守りながら、サブプライム・ローン問題をきっかけにした金融不況で株価が低迷し、前の記事に書いたような保有目的別時価会計の見直しが始まるや、「それみたことか」と言わんばかりに沈黙を破って、時価会計を「株価至上主義の市場原理の権化」かのように咎め、原価主義への回帰を唱える時流便乗の研究者が見受けられる。時流の助けを借りなければ自己の見解を公然と表明できないのでは自立した研究者と呼ぶに値しない。
 ちなみに、「株価」を時価として用いることを以て、時価会計を「株価至上主義」とみなすのは軽薄な暴論の類である。時価会計に限らず、会計は実態を描写する道具であり、そのこと自体に特定の経済体制観が潜んでいるわけではない。「原価」か「時価」かの違いは何を以て「実態」とみるかの解釈の違いである。そして、どちらの解釈が適切かは、評価の対象である資産(ここでは有価証券)に備わるリスク・リターンの特性から判断するほかない。

 また、時価の下落で決算が評価損に直撃される状況の真因を時価会計に向けるのも本末転倒である。評価損が決算を直撃したのは価格変動リスクや信用リスクを伴う金融商品を銀行や企業が大量に保有したからである。時価会計はそれを描く鏡の役割を果たしたまでである。原価基準に切り替えたところで、売買を想定して保有し続ける限り、評価損は「消滅」するわけではなく、財務諸表に「表現」されなくなるだけである。会計情報を実態の鏡とするにとどまらず、リスク管理の道具にするというなら、リスクの顕在化を隠し、投資家や監督当局のモニターを効きにくくする原価会計よりも、「損失」を公表し、モニターを促す時価会計の方が優れていると考えるのが道理である。そこに、大げさな「主義」があるわけではない。

 しかし時価会計は万能ではない

 しかし、こういったからといって、私は時価会計が万能だと考えているわけでは決してない。その好例は債券の評価基準である。ここで詳しい説明をするゆとりはないが(詳しくは拙書の202204ページ、344~347ページを参照いただきたい)、満期のある債券には大きくは2つの投資のコースがある。一つは満期まで保有して約定どおりの元利のキャッシュ・フローを得るというコースである。もう一つは金利の動向とそれを基因とする債券の時価の動向を見極めながら、満期前に適宜売却してその時点の時価に相当するキャッシュ・フローを獲得した上で、手取り金を新たな投資対象に振り向けるというコースである。
ところが、現在の彼我の会計基準はいずれもこうした複数のコースの併用を認めず、企業が債券を購入した時点でどちらかのコースを選ばせ、原則としてそのコースを走り続けてゴールするよう、ペナルティ付きで規制してきた。
 それにしても、金利の変動等をにらんで、なぜ途中でコースを変更してはいけないのか? 満期前に売却する余地を残しておこうとすれば、一貫して時価評価を適用しなければいけないのか? 時価が低迷した時、満期まで保有する想定に切り替えてはなぜいけないのか? 満期まで保有するとなっても、なぜ時価を適用して市場価格の変動を貸借対照表に表さないといけないのか?
 逆に、当初は満期まで保有するつもりのところ、途中で時価が高騰した時、満期を待たず、当該債券の一部を売却しようものなら、残りの債券まで満期保有に分類することを不可とされることを厭わない覚悟を固めないといけないのか? 企業の投資行動への会計のいわれなき介入・干渉以外の何物でもない。

 前記のような金融商品の保有目的別会計基準を見直す動きは、外形的にはサブプライム・ローン問題をきっかけにした市場価格の暴落、低迷への対応ではあるが、その根底には企業の投資行動への会計基準の不条理な介入の行き詰まりがあったとみるべきである。また、こうした動きは金融商品の会計を安直に「原価」か「時価」かの選択に還元してしまう議論に対する戒めとも捉えるべきであろう。

************************************************************

本文とは無関係ですが。今年の8月末、夫婦で出かけたノルウェーの写真

上:フロム港の前方に広がるフィヨルド
下:ベルゲンの郊外、トロールハウゲンにあるグリーク・ハウスのコンサ  ートホール。舞台の後方の窓から海が見える贅沢な設計だった。ここ  で、グリークにちなんだピアノ・コンサートを聴いた。

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拙書『会計学講義』第4版の重版を出版

 書きたいことはいっぱいあるのに公私の用事にかまけてブログの更新がだいぶ滞ってしまった。そんな後で自分の本のことを書くのは気か引けるが・・・・と言い訳をしながら、自分の新刊本(といっても重版)をPRさせていただく。(表紙のカバーの絵「浸透」は第3版に続き、衣川史さんの作品を使わせていただいたものである。)

 このたび、昨年5月に第4版を出版した拙書『会計学講義』の重版(第2刷り)を刊行する機会を得た。「堅い」大学の教科書の版を重ねられるのは著者としてうれしいことである。といっても、重版といえば、旧刷への加筆は原則なしで誤字・誤植の訂正を除けば増刷あるのみということである。しかし、第1刷を脱稿後も国際会計基準への調整(コンバージェンス)を理由とした会計基準の改廃が相次ぎ、それを取り込むのに苦労するのが最近の会計学教科書の書き手の共通の悩みの種になっている。
 そこで今回の重版にあたっては、編集担当者に要望して本文の末尾と索引の間(352355ページ)に、第1刷を脱稿後にわが国でなされた会計基準の改訂、および目下、見直しが進行している事項のうちから以下の主要な5項目を選んで簡潔な解説とコメントを追加した。

 1.財務諸表の表示に関する見直しの動き(その他包括損益の区分を設けて、従来の当期純損益と併記しようとする提案)
 2.後入先出法の廃止
 3.金融商品の測定区分の見直し(保有目的別に有価証券の会計処理基準を定めた従来の基準を見直し、区分を廃止または簡素化しようとする動き)
 4.退職給付債務の測定方法の見直し(将来の昇給を織り込んだ給付債務(PBO)を計上することにしている現行の会計基準の可否、給与改訂等に伴って生じる過去勤務債務を繰り延べ処理することを認めた現行の会計基準の可否等を再検討する動き)
 5.資本連結方法の改訂(部分時価評価法の廃止、全面時価評価法への一元化等)

 なお、この本の編集を担当してもらった東京大学出版会のOさんが出版会のHPで本書の紹介をしておられるので紹介をさせてもらう。本書の目次も掲載してもらったので参照していただけるとありがたい。
 http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-042128-7.html

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 ところで、上に挙げた最近の会計基準の見直しの中には、グローバル・スタンダードとして定着したかに見えた基準の見直しが少なくない。保有目的別の有価証券の会計基準の見直し、特に、満期保有目的の債券の目的外運用に対するペナルティを撤廃する動き、保有期間の長短を想定した有価証券の評価基準の区別を撤廃する動き、退職給付債務に将来の昇給を含める点を再検討する動きなどは、その典型例である。
 ここで気になるのは、わが国でのこうした会計基準の見直しがすべて海外発の見直しの動きを契機にした他律的なものだという点である。会計基準の国際的統合に自律も他律もないという主張があるかも知れない。しかし、現在、見直しが進められている会計基準のほとんどは、かつてそれらがグローバル・スタンダードになろうとした時、日本の会計基準設定機関は特段、独自の見解を表明するでもなく受け入れたものである。それが海外発で見直しされかけると、にわかに日本でも見直しの議論が始まる有様は何とも情けない右顧左眄である。この話をし出すと自著のPRからはずれるので、続きは次の記事で書くことにする。

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日本簿記学会関東部会で研究発表

628日、東京理科大学で日本簿記学会第24回関東部会が開催された。統一論題は「税効果会計の現代的課題」だった。私は同学会の会員ではないが準備委員会から報告依頼を受け、「法人税等調整額の性格の再検討」という論題で研究発表をした。

 以下は、その報告要旨と報告用に使ったパワーポイントの原稿である。未定稿なので引用・転載等は固くお断りする
  なお、会場で補足資料と参照事例資料を配布したが、ここでは掲載を省略する。

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   法人税等調整額の性格の再検討(報告要旨)

                      醍醐 聰

 税効果会計の目的は法人税等調整額を介して法人税等を適切に期間配分することにより、税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させることにあるといわれている。しかし、わが国の銀行業では税効果会計適用後の法人税等の負担率が法定実効税率から乖離している例が少なくない。しかも、その乖離の主たる原因は永久差異にではなく評価性引当額にあることがわかる。しかし、評価性引当額は仕訳上、法人税等調整額の相手科目であり、税効果会計を構成する勘定科目である。とすると、税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させるために採用された現行の税効果会計の体系の中に、この目的達成を阻害する要因が混在しているのではないかと想定される。本報告は法人税等調整額の性格に焦点を当てて、このような想定を理論、実証の両面から検討することを主眼としている。

 わが国の「税効果会計に係る会計基準」によると、法人税等調整額は、①一時差異の発生または解消に伴って繰延税金資産または繰延税金負債が変動した場合、②過年度の繰延税金資産または繰延税金負債の回収(決済)可能性を見直した結果、修正差額が生じた場合、に増減変動する。このうち、①の場合、法人税等調整額は当年度中に一時差異が発生または解消したことに伴う法人税等の増減変動を調整し、企業会計から誘導された税引前当期純利益に対応する法人税等を導くための調節弁としての役割を果たす。これが語の本来の意味での税効果会計の姿といえる。しかし、②の場合の法人税等調整額は繰延税金資産の評価の見直しに起因する過年度損益修正額に対応する法人税等を意味するが、現行の税効果会計基準ではこの場合の過年度損益修正は税引前当期純利益計算に反映されない。これが、税効果会計適用後の法人税等の負担率を法定実効税率から乖離させる要因になっていると考えられる。本報告では、このような原因分析にもとづいて税引前当期純利益と法人税等を合理的に対応させるための方法を探るとともに、企業会計と課税所得計算の関係はどうあるべきかについても考察することにしたい。

報告用パワーポイント原稿
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/boki_gakkai_houkokuyo_pp.pdf

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日本の医療費抑制政策は正当か? ~医薬品製造業の高収益構造が問いかけるもの~

 さる59日付けで拙書『会計学講義』第4版、東京大学出版会、を刊行した。このブログにアクセスされる方々は会計学に関心を持たれた方ばかりではないと思うが、自分の専攻分野での仕事の一端をお伝えできればと思い、以下、東京大学出版会のHPに掲載された拙書の紹介記事(目次と担当編集者のコメント)を同会の許可を得て、PDF版で転載することにした。

醍醐聰『会計学講義』第4版、20085月、東京大学出版会、目次
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/kaikeigakukougi4ed_mokuzi_UP.pdf


同上書、表紙カバ-(絵は衣川史さんの作品「浸透」である。衣川さんの了解を得て、このブログに転載することにした。)
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  この記事では、日本の医療費抑制政策の正当性を検討する一助になると思われる医薬品製造業の高収益構造を示すデータ(拙書の第
3章の冒頭に掲載したTopix3)をこのブログにアクセスしていただいた方々にも参照いただければと思い、一部割愛のうえ、転載することにした。なお、Topix3は損益計算書の読みこなし方を学ぶ事例として掲載したものである。

【Topix 3】医薬品製造業の損益計算書の特異性

下の表は製造業、医薬品製造業ならびに医薬品製造業に属する2社の2004年度の百分比損益計算書(売上高を100とした場合の主な収益・費用項目、各種利益の割合)の一部である。

   図表31 医薬品製造企業の百分比損益計算書(2004年度)
          製造業    医薬品   小野薬   武田薬
                 製造業   品工業   品工業
売上高       
100.0                100.0             100.0              100.0
売上原価
                       78.5                  34.1              14.5                 25.4
 売上総利益
                21.5                 65.9               85.5                 74.6
販売費及び
一般管理費      15.8                 44.7               44.3                30.7
  うち研究開発費               4.3                                     21.2                18.9

 営業利益
                     5.7                21.2               41.2               43.9
営業外収益
                     1.9                  2.0                  1.5                 3.2
営業外費用
                     1.4                  1.1                  0.3                 1.7
 経常利益
                     6.2                22.1                 42.5               45.4

(注) 製造業、医薬品製造業は資本金100億円以上の企業の総計
(出所)製造業、医薬品製造業は、経済産業省経済産業政策局調査統計部『企
業活動基本調査報告書』平成17年、平成193月。小野薬品工業、武田薬品工業は各社の有価証券報告書より作成

【設問】
  1.売上総利益、営業利益、経常利益はそれぞれどのように異なるのか?
  2.上の百分比損益計算書から、製造業と医薬品製造業では損益計算の構造にどのような違いかあるか、説明せよ。その違いは医薬品製造業の営業活動のどのような特徴を表していると考えられるか?


【Topix 3の解説】
医薬品製造企業の高収益構造から見えてくる日本の医療費抑制政策の歪み


 この章の冒頭に掲げた図表31から次のような特徴を読みとることができる。
 1.企業の定常状態での収益性を表すといわれる経常損益の段階で医薬品製造業は製造業平均の3.6倍の収益率を記録している。また、医薬品製造業の中でも図表31で上げた2社は同業種の平均のさらに約2倍の経常利益率を記録している。

 2.医薬品製造業では営業費用に占める研究開発費の割合が高いが、それを差し引いた営業損益段階でも製造業平均の3.7倍の利益を確保している。

 
3.  このように医薬品製造業が製造業平均と比べて極端に高い利益水準を記録した原因は、異例ともいえるほど高い売上高総利益率(売上総利益/売上高)にある。これは薬価が原価を大きく上回る水準で設定されていることを意味する。
    
 従来、日本では医療機関に納入される医薬品の卸価格が市場の実勢価格を下回る結果、その乖離に相当する「薬価差益」が大きいことが問題にされてきた。なぜなら、このように卸価格と実勢価格が乖理した状態では、医療機関は患者に医薬品を投与すればするほど利鞘を稼ぐことができ、それが薬漬け診療をはびこらせ、医療費を押し上げる要因になっていると考えられたからである。
 このような議論を踏まえて厚生労働省は薬価改定の都度、薬価差の縮小を促してきた。その結果、1991年には23%とされた薬価差益は2006年には8%まで縮小した。しかし、それでも医療費の高騰傾向は止まっていない。そこで、政府は医療費の総合的抑制策を打ち出し、患者負担の引き上げとそれによる受診の抑制を誘導している。

 しかし、上で指摘したデータを見ると、このように需要側をコントロールすることを主眼にした医療費抑制政策には疑問が生じる。なせなら、医療費を管理する上で重要なのは薬価差益というよりは薬価そのもの(供給側の要因)だと考えられるからである。つまり、かりに医療機関への納入価格を市場の実勢価格に近づけたとしても、その市場価格が原価と大きく乖理している限りは国の医療保険費と患者負担の総枠は変らないからである。

 残念ながら、医薬品価格の国際比較をした最近のデータは見当たらないが、旧経済企画庁がまとめた
1996年版の『国民生活白書』で引用された資料(大阪府保険医協会調べ。19931994年当時)によると、日本の主な医薬品の価格はアメリカの1.1倍、ドイツの1.4倍、イギリス、フランスの2.7倍となっている。このように、国際比較で見た日本の薬価の高い水準が日本の医薬品製造業に異例ともいえる高率の利益をもたらしている大きな要因ではないかと考えられる。なかには、薬価を切り下げると医薬品製造業界の生命ともいえる研究開発のインセンティブを損なうとの指摘がある。しかし、図表31を見ると、医薬品製造業は業界に特有な多額の研究開発費を支出したうえで、なお既述のような異例ともいえる高率の利益を確保していることを見過ごすことはできない。


  

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会計理論学会で研究発表

 去る10月19日~21日、東京水道橋の日本大学法学部で第22回会計理論学会が開催された。私は会員ではないが、統一論題「公益性組織の責任と会計規制」の報告者の一人として研究発表の機会を与えられた。そこで、最近関心を持っている国の特別会計を題材にして、「財政運営の規律と監視のインフラとしての公会計」というタイトルで発表を行い、討論にも参加した。

 以下、その折に準備したパワーポイントの配布資料版と討論の中で私の報告に対して3人の参加者から提出された質問ならびにそれに対する私の回答用スライドを掲載しておく。
 なお、以下は未定稿なので無断転載、引用等は堅くお断りする。

報告用パワーポイントの配布資料
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/kaikei_rirongakkai_powerpoint.pdf

報告に対する質問と回答
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/kaikei_rirongakkai_QA.pdf

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