自民党議員の暴言を議事録から抹消するのは公文書の「改ざん」である

2018323日 

 
渡邊美樹議員、和田政宗議員の暴言が議事録から消されようとしている

今朝の『東京新聞』の<特報>欄に「議事録からの発言削除次々」と題する記事が掲載された。それによると、自民党の渡邊美樹議員が313日に開かれた参議院予算委員会の過労死防止等に関する公聴会で出席した過労死遺族に対して「お話を聞いていると、週休7

日が人間にとって幸せなのかと聞こえる」と発言した箇所が議事録から削除することを同委理事会で決したとのことである。
 また、自民党の和田政宗参院議員が319日の参議院予算委員会で、財務省の太田充理財局長に向かって、「民主党政権時代の野田総理の秘書官も務めており、増税派だからアベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのか」と発言した件も、翌20日、自民党の申し出を受けて、予算委理事会で会議録から削除されることになった、と伝えている。

 議事録からの削除は「改ざん」である
 そこで、参議院事務局の文書課に問い合わせたところ、次の通りだった。
 ・予算委員会の理事会で渡辺議員、和田議員の該当する発言箇所を
  削除することが決まっている。その箇所を含め、目下、議事録を
  作成中である(未完)。
 ・渡辺議員の該当発言箇所は全て削除、和田議員の該当発言は一部
  を削除(書き換えではない。)
 ・こうした削除は「参議院規則」第158条に基づいてなされた。

 しかし、こうした暴言はそれ自体、発言した国会議員の資質を国民が判断する上で必要な情報であり、それを会議録から削除することは議員・政党に不都合な事実を抹消する『改ざん』=公文書の私物化にほかならない。

 削除は参議院規則にも背く
 
ちなみに「参議院規則」第158条は、次のとおりである。

 「発言した議員は、会議録配付の日の翌日の午後五時までに発言の訂正を求めることができる。但し、訂正は字句に限るものとし、発言の趣旨を変更することができない。国務大臣、内閣官房副長官、副大臣、大臣政務官、政府特別補佐人その他会議において発言した者について、また、同様とする。<以下、省略>」

 つまり、発言の「訂正は字句に限」り、「発言の趣旨を変更することができない」と定められているのである。今回の渡邊議員発言、和田議員発言は「字句の訂正」で収まるものでないことは明らかであり、当該箇所を削除すれば、「発言の趣旨」は不明となる。したがって、発言の削除が「参議院規則」第158条に違反することは明らかである。

 削除前の発言は決裁文書で残されるが公開されない
 今日、参議院事務局文書課にかけた電話の最後で、こんなやりとりをした。
 醍 醐「委員会議事録も公文書と考えてよいか?」
  (しばらく間をおいて)
 参議院「そう考えている」
 醍 醐「では、削除前(元)の発言はどこに残るのか?」
 参議院「決裁文書に残る」
 醍 醐「その決裁文書は情報公開の対象となるのか?」

 参議院「非公開としている」
 醍 醐「不開示理由のうちのどれに該当するのか?」
 参議院「そこまでここで説明できない」
 醍 醐「決裁文書も公開されないなら議事録から削除された暴言は
     国民の目に触れる機会がなくなる」
 参議院「録画はある」
 醍 醐「しかし、それでは『公文書管理法』が定めた文書主義を遵
     守することにならない」

 公文書としての議事録は国民共有の知的資源であり、国民の知る権利をかなえる公器であって、政党・政治家が身勝手に手を加えることができる私物ではない。この意味で、議事録の改ざんは国民の知る権利を冒瀆する不当行為である。


| | コメント (1)

3月3日、モリ・カケ追及第2弾 国税庁包囲&デモ、やります

2018218

モリ・カケ追及 第1弾(216日)の貴重な体験
 一昨日の2.16納税者一揆。参加者は1,100人。2,000人、いや3,000人の参加で財務省・国税庁といわず、霞が関の官庁街の歩道を(通行のスペースは空けて)埋め尽くしたいという主催者の思いには届かなかった。
 しかし、振り返ってみて、母体となる組織もなく、11人の市民の自発的意思に待つほかない納税者の集りを23千人規模にするのは容易なことではないと実感した。
 その一方で、主催者の1人として、うれしい出来事をたくさん体験した。

自発的な参加の意思と呼びかけの広がり
 一つは、開催日の10日ほど前からネット上で2.16行動への参加を呼びかける書き込みが広がっていったことである。

https://twitter.com/fufu99ri1/status/959710455949246464

「『納税者一揆』はいい言葉だなあ 今必要なのは『一揆』だと常々思っていた。日本では赤ん坊から100歳を超える老人まで、一人残らず納税者だ。むしろ旗の代わりにプラカをもち、生活の苦しさに、権力のえこひいきに、怒りで報いねばならない。押し寄せねばならない、国会へ。税務署へ。一揆大賛成」 

https://twitter.com/tmotegi1/status/961023655105855488

73歳、都内まで電車で2時間、必ずデモに参加します。」 

https://twitter.com/you16936149/status/961064326223224832 
「本当に、できること。訴えることしか術ないけど、あいにく、1日中働かないと、生活成り立っていかない! 1日の日給考えると行きたくても行けないのです。 そういう人多いのでは? どうか、東京でリタイアした方とか、代わりに声上げて下さい 少ないけど血税払ってるんだ。 行方? 気になる」

このブログにもこんなコメントが届いた。

「今日の国会中継でも麻生の態度はなんだ!彼らが居直るほどみんなの怒りが高まればいいのだが。一年金生活者ですが、香川からもデモに行くよ!」(2018214日、1722

 誰かに請われてではなく、誰かの指示に従ってでもなく、自らの意思の赴くままに行動の輪が広がることこそ、「自分の外に主人(あるじ)を持たない個人が支える本物の民主主義だと思う。

カンパがなんと178,206円!
 どうするか迷った末にデモの解散地点(丸の内
鍛冶橋)の路上で呼びかけることにしたカンパ。会計担当が集計すると、なんと1万円札3枚を含め、合計178,206円! 激励であると同時に、市民・納税者の行動もこれで幕引きなどあり得ないという叱咤と思えた。
 幸い、主催者(「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」)は2月の16日の行動日に先立って、次なる行動を相談し、33日にモリ・カケ追及の第2弾を行うことにし、大枠の段取りを決めていた。そして、216日の財務省・国税庁包囲行動とデモ行進の時に使うコール表の裏面に、33日の行動の概要を印刷して参加者に配った。

主権者の意思が通じない安倍政権
 森友・加計問題の原点は教育勅語を使った「忠君愛国」教育に肩入れしようとした安倍夫妻の「お友達」への国有財産横流しの問題(ウソ八百ではなく)「ウソ八億」だったが、この疑惑を究明するべき国会審議の場で浮き彫りになったのは、国権の最高機関たる国会や会計検査院の監視など、どこ吹く風で、安倍政権がやりたい放題の傲慢政治を改める気配が全くないという現実に行き着く(安倍首相、麻生財務相の「適材適所」発言はその極み)。閣僚、与党(議員)もそうした政権運営をチェックする動きは全くなく、ただの「頭数」に成り下がっている。

 これは森友・加計問題に限ったことではなく、相対多数の国民が反対する原発再稼働、消費税増税、あるいは沖縄県民の過半が求める基地撤去、危険な米軍飛行の中止、日米地位協定の抜本改革などに政府が背を向け続ける状況と軌を一にしている。 

 野党は時に、独自の調査に基づく追及をするが、大半はマスコミ報道の使い回しで、政府の木で鼻をくくったような逃げ切り答弁にいなされる状況が続いている。不真面目な答弁が繰り返されるなら、「では時間がないので次の問題に」と言わないで、「質問に答えない答弁では審議は続けられない」となぜ突っぱねないのか?

選挙の結果は一括白紙委任ではない
 このような安倍政権でも世論調査のたびに相対多数が支持しているではないか、と言われるかもしれない。代わりの受け皿となる政治勢力が生まれない現状こそ、深刻な問題ではある。
 しかし、選挙結果は多数党(が組織する政権)への一括白紙委任ではない。そうなら、国会の予算・決算審議もいらないし、法案審議もいらない。会計検査院の検査もいらなくなる。司法も含め、三権の分立さえ、否定されかねない。
 今の国会、政権運営を見ていると、議会制民主主義の仮面をかぶった独裁・専権政治と言っても過言でない状況である。


主権者の意思を糾合した行動しかない
 こうなると、主権者である市民が政権と国会に向かって、独自に数の力を糾合して直接、意思を突きつけ、民意の怖さを見せつけるほかない。それには、1回の行動でおしまいではなく、第2弾、第3弾と、「あきらめない主権者の数の意思」、結果にこだわる意思を誇示するほかない。そして、そうした政治参加の経験を通して、今の政権に白紙一任となってしまってよいのか、多くの国民が主権者として考え、議論を交わす機会を持つことがなによりも大切だと思う。主催者の呼びかけにすべて同意というわけでない方も参加していただいて、互いに自分と違う意見と出合い、すり合わせ、互いの持論を見直す機会にしていただければ、それほどありがたいことはない。


 私が参加する「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」が「モリ・カケ追及! 第2弾」を呼びかけるのは、こうした理由からだ。
 今回は週末の土曜日。平日に行った第1弾に参加できなかった方々も、ぜひ、参加くださるよう、呼びかけたい。

モリカケ追及!第2弾の概要とアピール・ポイント
 よびかけ一式:http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/233-dd8f.html
 チラシ:https://app.box.com/s/aqgf2wydnsudd2pxfg6fyw4suug7tp0h

 行動の概要216日と同じ)
  201833日(土)
   1330分  日比谷公園 西幸門(にしさいわいもん)集合
   1340分~ 国税庁・財務省包囲行動
   1430分  デモ出発(日比谷公園→新橋→有楽町・銀座→
          丸の内・鍛冶橋)

  アピール・ポイント 
   佐川長官 御用だ! 
   従業員用エレベーターを使った恥ずかしい「逃亡」を止めろ! 
   国会へ出てこい!

   (注)黄色のマーカーの表現の根拠は次の記事を参照
     「雲隠れの佐川・国税庁長官を発見 まるで逃亡犯のよう
      な行動」
      (NEWS ポストセブン』2018217日)
      https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180217-00000007-pseven-soci 
   佐川長官を任命したのは麻生大臣だ! 
   麻生も責任を取れ!
   麻生はニヤけた答弁やめろ! 国民をなめるな!
   安倍首相、佐川長官を「適材」とは何事だ!
   公務員は安倍の私兵ではない 国民全体への奉仕者だ!
   
(日本国憲法第15条2)
   昭恵さん、「私も真実を知りたい」はないだろう! 
   知りたいのはこっち(国民)だ! 国会で証言せよ!

   税金は政府の私物ではない 国民のために使え!

2

| | コメント (1)

怒れる納税者・主権者で財務省・国税庁の周りをうめ尽くそう!

皆さま
「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の醍醐です。
私たちの会が計画した「2.16 モリ・カケ追及! 緊急デモ」まであと8日となりました。昨日、6党(立憲民主党、民進党、日本共産党、希望の党、社民党、自由党)の党首宛てに主催者より、スピーチ要請をしました。

今、私たちが訴えたいのは次のことです。
 216日(金)1330分 日比谷公園西幸門 に集まろう!
     1340分 財務省・国税庁包囲行動 開始
     1415分 デモ出発 有楽町・銀座に向かって!
 怒れる納税者・主権者で財務省・国税庁の周りをうめ尽くそう!!
    納税者一揆で悪代官、安倍・麻生・佐川を追放しよう!
 
     国民の財産を安倍首相のお友達に横流しするな!

皆さま、万障お繰り合わせのうえ、ご参加ください。
呼びかけの拡散にご協力ください。以下からチラシをダウンロードして活用ください。
  
https://app.box.com/s/ktgpzbj9uw92kh9hx5ye7ui1h46b57jn  

以下、ネットなどでの反響(書き込み)の中から私の目にとまったものを書き出します。私も同じ気持ちです。

 

------------------------------------------------------------------------

 

「うん、カレンダーに書き込んだ
>森友加計の幕引きを許さない市民の会が、確定申告が始まる216日に大規模デモ予定。午後1時半に日比谷公園を出発し、財務省や国税庁を包囲。」 https://twitter.com/product1954/status/960028585519009793 
 (盛田隆二 20182月3日、2153) 

「国税庁長官に罷免を求めるデモなんて、それだけで歴史的
…… 官邸を守るための不正は許される、むしろ偉くなれる それを今の日本国民がどうでもいいと見過ごすか、ふざけんなと怒るか。」
https://twitter.com/japan_2017_01_/status/960091561655611393
 
 (ごはんがうまい 201824日、204

 

「東京近辺にお住いの納税者の皆さん、国税庁に直接怒りをぶつけるまたとないチャンスです。可能な方は是非、ご参加を」https://twitter.com/mt3678mt/status/960149161772441600 
 (m TAKANO  201824日、552

「お散歩ついでに世直し(゜д゜)! 
2月16()納税者一揆の爆発だ!「モリ・カケ追及!緊急デモ」のお知らせ」
https://twitter.com/torachannyanda/status/960494250340229122 
 (KAWAEDA 201825日、444

「日本人の皆様、ここは正念場です。できる限り集まりましょう。↓
2.16
大規模デモ 森友疑惑再燃で“納税者一揆”が炸裂する」
https://twitter.com/datsugenp/status/960252481014874112 
 (BottomUP Project ネット市民連合 201824日、1243

「(続き)財務省や国税庁を包囲する。会のメンバー、醍醐聰東大名誉教授は佐川国税庁長官の罷免を求める署名に賛同いただいた2万の人々から返ってく反響と期待の大きさに励まされ、数千人規模の大行動にしようと注力しています』と語った」地理的理由で参加できないのが残念だが、心はそこにある。」 https://twitter.com/mas__yamazaki/status/960804524389679104
 (山崎雅弘 201826日、117

「国民はみな納税者です。税金を払いたくないと言っているわけではなく、不正を行った疑いのあるトップが居座る国税庁に、税務を行う正統性がないと納税者は怒っているのですから #納税者一揆」
https://twitter.com/9_wahei/status/961024118316351488 
 (秋山和平 201826日、1549

 

「仕事で行けないが行きたい気持ちだ。
米騒動から100 2.16デモ“納税者一揆”は当時と状況酷似

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/222663 
#日刊ゲンダイDIGITAL 」https://twitter.com/tsunhei_not_abe/status/961048525088763904 
 (つんへい 201826日、1726) 

「これだけは参加したいです。ジワジワとおかしくなって行く日本を見てて本当に悲しいです。」
https://twitter.com/hikky0221/status/961060969886531585 
 (ほっきー 201826日、1816

2.16 確定申告始まる日の午後、国税庁包囲の、『納税者一揆の爆発!』デモが計画されている。サガワ君、その前に辞任した方が無難では?」https://twitter.com/aisen_kannon/status/961119200407375872 
 (愛染観音 201826日、2207) 

#納税者一揆
どうしたら国民の多くの心に『怒ってよい』という許可がでるのだろうか。

虐げられる事に慣れ、我慢していたらいつかは報われるなんて妄想です。ダメなものにはダメアカンもんはアカンと声をあげよう。」 
 https://twitter.com/sproutman02/status/961171479814533122 
 (卑屈の国 201827日、135

216日【「納税者一揆」緊急デモ】のプラカード作りました。
森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会 
 http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/2018/02/216-1d64-1.html 
 https://twitter.com/novtnerico/status/961011725884690433 
 (motty  20826日、1500

 ----------------------------------------------------------------------- 

216
  「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」
    HP http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/  
    連絡窓口(メール):morikakesimin@yahoo.co.jp
    連絡窓口(携帯電話): 070-4326-2199

| | コメント (2)

2月16日 モリ・カケ追及デモ  納税者一揆で悪代官 安倍、麻生、佐川を追放しよう!

201821

 私も呼びかけ人の1人になっている「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」は、確定申告が始まる216日(金)午後、「モリ・カケ追及! 緊急デモ」を行うことにした。

        モリ・カケ追及! 緊急デモ
         
 (呼びかけチラシ)
 https://app.box.com/s/ktgpzbj9uw92kh9hx5ye7ui1h46b57jn 
     
     悪代官 安倍・麻生・佐川を追放しよう!
        検察は財務省を強制捜査せよ!
        安倍昭恵氏は証人喚問に応じよ! 
          納税者一揆の爆発だ! 

   主催 森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会 

      行動スケジュール  216日(金)

   1330分 日比谷公園 西幸門 集合
         (チラシに入れた地図をご覧下さい)
      1340分~ 財務省・国税庁 包囲行動
          宣伝カーを使ったアピール行動
   1415分 デモ出発(西幸門)
         → 銀座・有楽町の繁華街を行進
   15時(予定) 鍛治橋(丸の内)で解散 

背任、証拠隠滅の悪行を犯しながら、責任逃れの答弁で逃げ切りを図る悪代官どもを許さない主権者の怒りを総結集して、納税者一揆を爆発させよう!
皆さまのご参加、お知り合いへの呼びかけをぜひともお願いします。

(お願い)チラシは22日に納入されます。活用くださる方は、必要枚数、郵送先をあわせて、下記事務局あてにお知らせください。至急、お送りします。

 

------------------------------------------------------------------

 

「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」
HP
http://sinkan.cocolog-nifty.com/blog/  
連絡窓口(メール):moritomosimin@yahoo.co.jp
     または、 morikakesimin@yahoo.co.jp  
     携帯電話): 070-4326-2199 10時~20時)

------------------------------------------------------------------- 

Img080

 

| | コメント (1)

大阪地検はすみやかに財務省、近畿財務局の強制捜査に踏み切れ!~1.26院内集会での私の発言原稿~

2018126

 今日、森本学園問題の地元、大阪府豊中市の市民グループ(森友学園問題を考える会)の主催で、森友/加計問題の徹底追及をアピールする集会が衆議院第二議員会館で開かれた。私も呼びかけ人の1人になっている「森友・加計学園の幕引きを許さない市民の会」も主催者の呼びかけに応えて集会に参加した。
 22日に開会した国会では森友問題も代表質問で取り上げられ、まもなく両院予算委員会などで質疑が交わされることになっている。そのような状況から、会場の第一会議室には次々と参加者が詰めかけ、開会時には立ったままの参加者も出て、主催者の発表では200人、それと両院国会議員・秘書40名が駆けつけて、次々とあいさつがされ、会場は熱気に包まれた。

集会の動画(全編)約1時間5030
https://www.youtube.com/watch?v=uOIWjA5SkdU


01
051115    主催者あいさつ 木村 真
           (森友学園問題を考える会)
11
352245    森友問題 論点整理 醍醐 聰
           (森友・加計問題の幕引きを許さない市民の
            会)
23
404600    国会議員スピーチ
46
485102    森友問題 論点整理 醍醐 聰(続き) 
51
151:0202    田中正道・藤田高景
           (森友・加計告発プロジェクト) 
1
022510908 八木啓代
           (健全な法治国家のために声を上げる市民
            の会) 
1091011525 黒川敦彦
           (今治加計学園問題を考える会)
1
194013840  国会議員スピーチ
1
412515025  まとめの発言 山本一徳
           (森友学園問題を考える会) 


 以下は、私が発言した「森友問題 論点整理」の読み上げ原稿である。

 --------------------------------------------------------------------------- 

         126院内集会 発言原稿 

                             醍醐 聰 
            (森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会)

 皆さん、こんにちは。「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」の呼びかけ人の1人、醍醐聰です。持ち時間が限られていますので、今日の集会の切り口に沿って、「誰に」「どういう責任を」とらせるべきなのか、について単刀直入に発言したいと思います。順序ですが、立証の手順にしたがって、問題の現場に近い人物から順次、ボトムアップで考えていきたいと思います。

近畿財務局幹部の背任は動かぬ証拠がある 
 となると、最初は、近畿財務局の幹部の背任の問題ということになります。ただし、刑法でいう「背任」とは、結果として、国有財産を適正な価格から反れた金額で売ったというだけでは足りない、適正な対価でないことを十分、認識したうえで、この場合は森友学園に利益を得させ、国民の財産に損害を与えるという「故意」が立証されなければならないとされています。では、森友との交渉に当たった近畿財務局の責任者に「故意」はなかったのでしょうか?

 去年の81日に関西テレビが報道した音声テープによれば、籠池理事長が「ぐーんと下げな、あかんよ」と求めたのに対し、近畿財務局の国有財産統括官の池田靖氏とみられる人物は「理事長がおっしゃるゼロ円に近い金額まで私は努力する作業を今やっています」と発言しています。ここで言うゼロ円とは、森友学園が支払う国有地の買い値を、森友学園が国から受け取る有益費13200万円に近づけて、差し引きで森友の負担をゼロにするという意味です。
 しかし、森友学園が賃借中に国に代わって行った埋設物の撤去費用とその土地を買い取る時の価格をいくらにするかは全く別問題です。両者を均衡させないといけないという理屈はどこにもありません。ですから、国有地の売値を有益費に近づけるよう努力するという発想自体が背任の入口です。
 さらに、昨年83日の「報道ステーション」が伝えた交渉メモによれば、近畿財務局の担当者は、「調査ではわからなかった内容で土地の瑕疵を見つけて価値を下げていきたい」と発言しています。

 「努力中」とか「下げていきたい」・・・・こういう言葉は、適正な時価でないことを承知の上で、というより、自ら、適正な時価からそれる方向へ売値を誘導していったことを物語る確かな証拠です。これが「故意」でなくてなんでしょうか?

言い逃れの余地がない佐川前理財局長(現国税庁長官)の虚偽答弁
 次は、当時の財務省理財局長、今の国税庁長官の佐川宣寿氏です。佐川さんの場合は、平たく言えば、国会でのウソの答弁、正式には証拠隠滅、あるいは公文書遺棄の罪で3つの市民グループから刑事告発されています。私たち「幕引きを許さない市民の会」もその一つです。
 佐川さんは、昨年315日に開かれた衆議院財務金融委員会で、「価格につきまして、こちらから提示したこともございませんし、先方から幾らで買いたいといった希望があったこともございません。」と答弁しました。これがうそだったことはもう説明する必要がありません。

国会は寝言を吐く場ではない
~「金額」と「価格」を使い分けた太田現理財局長の珍答弁~

ところが、佐川さんの後任の太田充理財局長は、「金額の話しはした、価格も話題になった、しかし売却価格の話しではない、予定価格だ」という趣旨の答弁をしました。
 では予定価格とは何でしょうか? 池田靖さんがそこへ近づけるよう「努力中」と言った13200万円のことと思います。それだったら、実際の売値と200万円しか違いません。そもそも、予定にしろ、実際にしろ、金額でない価格などありません。 国会は寝言を吐く場ではない! 

麻生大臣の責任が問われて当然 
 次は麻生財務大臣です。麻生さんは201738日に開かれた参議院本会議で、「本件につきましては、・・・・国有財産法等の法令に基づき適正な手続、価格によって処分されたものであり、問題はないと考えております」と答弁しました。

また、佐川理財局長の国会答弁に反して、近畿財務局と森友学園が売値をめぐってすり合わせをしていた生々しい音声テープが報道された去年81日、麻生さんは報道陣に向かって、「取材が正しいと思ったことはありません。私は自分の部下を信じています」と発言しました。
 しかし、会計検査院は適正な手続き、価格による売却ではなかったと指摘しました。
 ここに至って、麻生さんは部下の虚偽の報告を丸受けして、国会でデタラメな答弁をしたことがはっきりしました。となれば、佐川氏を直ちに罷免する、その上で自らも、国有
財産を所管する行政のトップとして引責辞任する――麻生大臣に残された道はこれしかありません。

安倍首相の手のひら返しの保身答弁 
 最後は、安倍首相です。安倍首相は昨年3月6日の参議院予算委員会で、こう答弁しました。

 「・・・ごみが入っているから一億数千億円、一億数千万円になっていたわけでございまして、それを、それを、それを何回も何回もそこでやり取りをしているから、これかなり単純なことではないかということを申し上げたわけでございます。・・・・」

 何を言っているのか、わからないのは私だけではありませんでした。山本一太・予算委員長も、たまりかねてというべきか、「安倍総理に申し上げます。質問に対して的確にお答えをいただきたいと思います」と注意しました。

 ところが、会計検査院が、価格の算定は適切ではなかったと指摘した途端、安倍首相は、手のひらを返すように、去年1128日に開かれた衆議院予算委員会で、こう答弁しました。 

 「私は、価格が適正だということは申し上げたことはございません。私自身が申し上げたことは、理財局も、そして当然近畿財務局も、法令にのっとって国民の財産である国有地を正しい適切な価格で売買をしているんだろう、このように私は信頼をしているところでございます。」

 会計検査院の指摘によっても適正な価格でなかったことがダメ押しされたこの期に及んで、なお、「正しい適切な価格で売買しているんだろう、と信頼している」なんて、一国の首相が他人事のようにシレッと言っていていいんですか! 「丁寧な説明」とは真逆の、こんな見苦しい責任のがれの答弁は許されない!

「ごみがごみが」と連呼する安倍首相の不勉強丸出しの答弁 
 それにしても、安倍首相が「ごみが、ごみが」と連発し、「ごみが見つかったからディスカウントするのは当たり前だ」と自信ありげに発言しましたので、ファクトチェックをしておきます。

 地下で「ごみが見つかった」としても、だからディスカウントするという議論は、ちっとも当たり前ではありません。それどころか、類似の判例を少しでも調べれば、そういう議論は間違いだということがすぐ、わかります。

 そもそも「ごみ」=「瑕疵」と単純に言えるわけではありません。「地下埋設物」が瑕疵にあたり、値引きなり、賠償なりをしなければならないのは、埋設物が工事の支障になる場合です。大量の土間コンクリートや基礎コンクリートなどがその代表例です。そのままにしておいても工事に支障がないような地下埋設物なら、瑕疵にあたらないというのが定着した判例です。

 では、森友学園が買った土地はどうだったでしょうか? 
 国交省の説明資料によれば、地下3.8mから9.9ⅿの間にあったと言われる埋設物はビニール片、生活ゴミ、そして昭和40年代に投棄されたと推定される廃材です。これが工事の支障になるわけがありません。現に、国交省航空局長の佐藤善信氏も「工事に支障はございません」と答弁しました。
 森友学園も値引きの対象になったごみに手を付けることなく校舎の建設を終えていました。

不動産鑑定士も疑問視 
 これに関連して、もう一つ、私の知見をお話しします。あの国有地の鑑定評価を行った不動産鑑定士は、会計検査院の聴き取り調査に対して、82000万円とされたごみ撤去費用の中には、「依頼者側の推測に基づくものが含まれ、調査方法が不動産鑑定評価においては不適当」と答えています。会計検査院の報告書の111ページをご参照ください。
 そして、この不動産鑑定評価書には、「地下埋設物を全て撤去することに合理性を見出し難く、正常価格の観点から逸脱すると考えられる」と書かれています。

 以上のようなファクト・チェックから言えば、ごみが見つかったから値引きするのは当たり前、なんて無造作に国会で答弁するは不勉強丸だしの恥ずかしい答弁です。
 野党議員の皆さまにも要望します。安倍首相のこんな稚拙な答弁をまかり通らせないよう、入念な調査、質問準備をしていただきたい。

「妻は騙された」? 
 さきほど、最後は安倍首相」と言いましたが、もう一人、責任を問うべき人がいます。安倍昭恵さんです。
 安倍首相は去年の1011日に「テレビ朝日」が放送した党首討論会で、森友学園が開校準備を進めていた小学院の名誉校長に昭恵夫人が就任したのは、「妻が〔籠池さんに〕騙されてしまったのだろう」と発言しました。
 騙された? 本当でしょうか? 簡潔に確かめてみます。

 昭恵さんは201595日に森友学園の塚本幼稚園で講演をした中で次のように話しています。

 「名誉校長、私でいいのかしらと思いますけれども、籠池園長先生、副園長先生の熱い熱い国に対する、教育に対する思いのお手伝いをできればと思っているところでございます。」

 そして、昭恵さんは、講演から帰られたその日のうちに、ご自身のフェースブックに次のような書き込みをしています。

「大阪の塚本幼稚園にて講演。園児たちは大変お行儀が良く元気です。毎朝、君が代を歌い、教育勅語、論語、大学を暗唱」

 これで、どこか騙されたのでしょうか? 昭恵さんは、塚本幼稚園が教育勅語を使って、忠君愛国の教育をやっていることを百も承知の上で、この幼稚園、そして森友学園にすすんで肩入れしようとしたとしか、思えません。
 その昭恵さんは、一時期とはいえ、自分が名誉校長に就任していた学園の理事長夫妻が逮捕され勾留されている最中に、事件には口をつぐんだまま、「辛い1年だった」なんて、まるで犠牲者のようなセリフを吐いて、シャアシャアと各地を出回り、時には集まった人とハイタッチをして、はしゃいでいるのはどういうことでしょうか? 
 昭恵さんは、本来は国会の場で証言するのが筋ですが、その前に、あるいは最低限、報道関係者の会見に応じ、100万円の寄付の真偽などを説明するべきです。

まとめのアピール 
 最後に、私のまとめのアピールをしたいと思います。
*大阪地検はただちに財務省、近畿財務局の強制捜査に踏み切れ!
麻生財務大臣は佐川国税庁長官を確定申告が始まる216日までに罷免せ
 よ! 
 その上で、自らも国有財産を所管する財務省のトップとして、職員に無
 理難題を押しつけ、納税者の信頼を失墜させた責任を取って、すみやか
 に辞任せよ!
 
*安倍首相は、自らの妻が名誉校長を務めた学園に対し、財務省、国交省
 職員に数々の便宜を図る忖度をさせた責任、その結果、1年間にわたっ
 て国政を混乱させた責任を取って直ちに辞任せよ!

 以上です。

126

| | コメント (1)

筋論と協調で揺れる被害国の姿を高みから評論する日本の政府とメディア

2018110

昨夜から今朝にかけてのニュースを見て

「日韓関係、政治利用した大統領府 慰安婦合意の検証」
 (ソウル=牧野愛博 『朝日新聞DIGITAL2018192028)
 
https://www.asahi.com/articles/ASL193W9BL19UHBI00K.html

 「韓国政府は昨年末から、日韓慰安婦合意の扱いを巡って迷走した。複数の関係者の証言をたどると、文在寅(ムンジェイン)政権の高支持率の維持を重視した大統領府が、日韓関係の悪化回避を模索した韓国外交省を振り回した構図が浮かび上がる。」 

「韓国の新方針は意味不明 日本政府合意実施を働きかけへ」
 (NHKニュース、110 410分) 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/k10011283231000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_003

「慰安婦問題をめぐる日韓合意で日本側が拠出した10億円の代わりに韓国政府の予算を充てるなどとする韓国側の新たな方針について、政府は、意味が不明で追加の措置は受け入れられないとして、合意を着実に実施するよう粘り強く働きかけていく考えです。」

「韓国慰安婦、対日と世論で難しい対応」
 (NHKニュース、110 530分)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180110/k10011283331000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_001 
「韓国政府は9日、慰安婦問題をめぐる日韓合意について、日本政府に対し再交渉は求めないなどと発表しましたが、元慰安婦を支援する団体からはこの方針に不満の声が上がっており、『未来志向』を標ぼうする日韓関係と合意への反対が根強い国内世論との間で難しい対応を迫られそうです。」

----------------------------------------------------------------------- 

日本の大手メディアに共通の「報道フレーム」

*韓国 迷走 vs 日本 着実に合意を実行?
  → ・日本は名ばかりの「謝罪」と金を出しただけ 
    ・知らせざる歴史教科書は放置? 
    ・安倍氏が力んだ「狭義と広義の強制連行論」はどうなるの
     か? 
    ・筋論と協調で揺れる被害国の様子を加害国の政権が他人事
     のように高みの見物を決め込む光景 
    ・こういう道義崩壊政権と二人三脚の大手メディアは政府広
     報官そのもの 
    ・政府が「国難」を叫び続けたら、そのうち「大日本報道報
     国会」ができるのでは? 
*韓国の意思 → 「口をふさぐ見返りの金なら使わない」 
       → 私には「意味不明」どころか、非常によく理解で
         きる
*「政治利用」? この見出しこそ「意味不明」 

皆さま、日本の野党でこの問題にはっきり意思表示をした政党をご存じでたら、教えてください。私には見当たりません。


| | コメント (2)

「地中のごみ」=「瑕疵」→「値引き」という思考停止の議論の害悪(Ⅱ)

20171123

判例の定説を当てはめると森友案件の土地に瑕疵はない

 では近畿財務局が森友学園に売却した土地にも通説は当てはまるのか?
 告発状で示したように、本件土地の売買契約書に明記された地下埋設物とは「陶器片、ガラス片、木くず、ビニール等のごみ」であって、校舎建築(杭打ちなど)の支障となるような土間コンや基礎コンなどは記載されていないし、発見されていない。不動産鑑定士が作成した評価書でも地中埋設物として、「廃材、ビニール片等の生活ごみが確認されている」と記載されただけである。
 さらに、大阪航空局が現地視察した参議院予算委員会委員向けに作成した説明資料によると、ごみ撤去費用の見積もりの対象となったのは地下3.89.9mに存在すると推定された廃材等であり(下図1参照)、土地履歴調査等の結果、それらは昭和40年代初頭頃まで池や沼だった時代に相当量の廃材等が直積されたと推察している(下図2参照)。

 図1
Photo_5
   図2
99m_2
  であれば、半世紀ほど前に蓄積され、地下3.89.9mに存在すると推定される廃材等が現時点での校舎建築に支障を及ぼすとは到底考えられない。現に、佐藤善信国交省航空局長も、こうしたごみは「工事の施工には問題はございません」と答弁している(参議院予算委員会、2017228日、会議録)。実際、森友学園はこうした地下深くから廃材等を撤去することなく、今年の4月開校に向けて校舎の建築を進めてきた。これで一体、どこに「瑕疵」があったというのか?

無知をさらけ出した安倍首相の答弁

 安倍首相は国会答弁の中で、「その土地は言わば
ごみが入っているから言わばそういう価格になったということでありまして、至極、至極当然のことであって、ごみがあるからディスカウントしたわけで……」(参議院予算委員会、201736日、会議録)と自信ありげに発言した。しかし、これは「ごみ」という言葉を連発するだけで、ごみの中身に一切触れず、「ごみ=瑕疵→値引き」という稚拙な理解を国会の場でさらけ出して恥じる気配がない発言である。

Photo_4  
 ましてや、プロの国交省担当が当たった(会計検査院渉外広報課)会計検査で、土地の瑕疵の法的意味、判例を知らず、「ごみ」と聞いただけで無造作に値引きの要因とみなし、ごみ量の推計に付き合ったのは、それこそ検査の重大な瑕疵というべきである。

 上記のように、判例の定説を本件土地に当てはめて吟味する限り、本件土地には値引きの要因とカウントすべき「瑕疵」はなかったのであるから、ごみの量がいくらであれ、売買価格の減額要素としなければなければならないような「ごみ撤去費用」はなかったのである。したがって、また、ごみの処分単価が不明だから売買価格が適正だったかどうか判断できないと結論を留保した会計検査院の姿勢は政府を追い詰めるのを手控えようとする「忖度」か、そうでなければ職務遂行上の重大な過失である。

マスコミはなぜそもそも論を避けるのか?

 会計検査院の検査報告を伝えた新聞記事・テレビニュースを視て痛感するのは、会計検査院が「ごみ総量の算定、37割過大」、「ごみ撤去費用の根拠不十分」と指摘したことに焦点をあて、政府にさらなる説明を求めるという論調で共通している点である。
 このような会計検査院の指摘は、政府のこれまでの説明に疑義を投げ掛けるものであり、「重く受け止める」でやり過ごしてはならない指摘である。しかし、会計検査院は、関係書類が残っていないため、ごみの処分単価を計算できないとして、売買価格が妥当だったかどうかは意見を差し控えた。政府はこのような「落ち」に飛びついて、「会計検査院は売買価格の妥当性に異議を唱えたわけではない。政府としては従来から答弁してきたとおり、適正な時価で売却したものと考えている」と答えて、追及をかわそうとするだろう。

 確かに、資料不備のため、結論を下せないと留保するほかない場合もあるだろう。そのような場合は、必要な資料を廃棄または隠匿した行政機関の責任を追及するとともに、公文書管理のあり方を見直すほかないだろう。しかし、森友案件は、これに該当するケースではない。
 そもそも、本件土地には定着した判例の基準に照らして、「瑕疵」がないのだから、「瑕疵」を補償する値引きはどれだけかを計算する必要もないのである。よって、ごみの総量はいくらか、ごみを処分する時の単価はいくらかを思案する必要はないのである

 会計検査院もマスコミも、なぜ、こういう「そもそも論」を避けるのか? 私が立てる「そもそも論」は抽象的な建前論でもなければ高尚な極論でもない。「買った土地を買受目的のために使うのに不都合がないなら、土地に欠陥はないのだから値引きをする必要はない」という、至って常識的な議論であり、判例でも定着した判断である。
 このような「そもそも論」から出発すれば、「8億円のごみ撤去費用」をカウントするのは、もはや「疑惑」ではなく、「故意または重大な過失による背任」であるという結論にたどり着けるはずである。 

「ごみ」という言葉を独り歩きさせてはならない

 もう一度言う。
 「ごみ」という一語を無批判に一人歩きさせてはならない。森友問題で問題になっているのは世間話の「ごみ」ではない。「瑕疵」に当たるのかどうかを問題にする場合の法的な意味での「ごみ」=地下埋設物なのである。

行政文書廃棄は検査妨害、応報の懲戒請求を

 会計検査院は国会への検査報告の最後の項で、財務省、国交省において、本件国有地の貸付及び売却に関する行政文書が適切に保存されていなかったことを問題にし、両省に対して、国有地の売却等に関する会計経理の妥当性の検証が十分に行えるよう、必要な措置を講ずることを求めている。
 しかし、両省の行政文書の廃棄は会計検査院による国の財政検査に重大な障害となったのだから、「必要な措置」を講じるよう求めて済む話ではない。代価が10年分割払いで、まだ初回の不払いが済んだにすぎず、買戻し特約が付いた売買契約を締結しただけで事案は終了、よって交渉記録は廃棄、などという無謀な行政文書の廃棄は検査妨害に相当し、「会計検査院法」第31条で定められた「故意または重大な過失」にあたると考えられる。
 であれば、同法第31条を適用して当該職員の本属長官その他監督責任者に対して、懲戒処分を要求するのが当然である

| | コメント (0)

「地中のごみ」=「瑕疵」→「値引き」という思考停止の議論の害悪(Ⅰ)

20171123

会計検査院報告と私たちの告発状の決定的違い

 昨日(20171122日)、私ほか3名は、森友学園への国有地馬売買契約で売主となった近畿財務局長(当時)美並義人氏背任罪(刑法第247条)で東京地方検察庁に刑事告発した。

 告発状全文
 
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/minami_kokuhatuzyo.pdf 

 また、昨日、会計検査院は参議院予算委員会に対し、森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査結果の報告書を提出した。

 学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果についての報告書(要旨)
 
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/pdf/291122_youshi_1.pdf

 学校法人森友学園に対する国有地の売却等に関する会計検査の結果についての報告書(全文)
 
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/29/pdf/291122_zenbun_1.pdf 

 私たち有志4名(いずれも「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」のメンバー)の告発状と会計検査院の検査報告は、国有地の売買価格の算定にあたって「ごみ撤去費用」の名目で約8億円が値引きされた根拠を質した点では共通している。また、検討の結果、値引きの根拠に疑義を投げかけた点でも共通している。
 国会の要請を受けて検査した会計検査院が8億円の値引きの前提とされたごみの算定方法に疑義を投げ掛けた事実は重い意味を持つ。なぜなら、会計検査院が指摘したように、ごみの総量が3割~7割過大だったとしたら、国交省が用いた処分単価をそのまま当てはめるとしても、「ごみ撤去費用」は少なくとも3割、最大で7割過大となり、売買価格は3割~7割廉価だったということになるから、「鑑定価格からごみ撤去費用を差し引いた適正な時価で売却されたもので何も問題はない」と答弁してきた政府は窮地に立たされることになるからである。

 しかし、私たち有志4名の告発事実と会計検査院の指揮事項には決定的な違いがある。それは8億円の「ごみ撤去費用」の算定に疑義を投げかけた「疑義の根拠」の決定的な違いである。
 なぜなら、会計検査院は、国交省大阪航空局が用いた「ごみ撤去費用」の算定方法(ごみの総量を推計し、それに処分単価を掛け合わせるという方法)の妥当性には異議を挟まず、もっぱら、ごみ総量の推計の妥当性に焦点をあてた。
 ということは、処分単価を問わないとすると、「ごみ撤去費用」の少なくとも3割~7割は適正であり、その分だけ、売買価格を値引いたことは問題ないということになる。本当にそれでよいのか?

会計検査院の報告に倚りかかったのでは疑惑究明は頓挫する

 週明けの国会で野党は会計検査院が指摘した疑義を材料に政府を追究するとみられる。しかし、ごみ総量の推計方法をめぐって国交省と会計検査院の計算結果に開きが出たことを取り上げ、どちらが正しいのか?と質して、どういう質疑になるのか? 「会計検査院は独自の立場で計算をされたものであり、それについて政府として申し上げる立場にない。ただし、会計検査院は売買価格が不適正なものだったと指摘したわけではない。政府としてはこれまで答弁してきたとおり、適正な手続きを経た時価で売買されたものと承知している」という型通りの答弁を繰り返すと予想される。
 あるいは、野党は、会計検査院が、必要な書類が残されていなかったことから適正な処分単価を把握できなかった、と指摘した点を取り上げ、近畿財務局、財務省、国交省における行政文書の管理のずさんさを追究するものと思われる。それはそれで重要なことである。しかし、これに対して政府は「会計検査院の指摘を重く受け止め、現在、公文書管理法の見直しを含め、公文書管理のあり方について改善の検討を進めている」と答弁するものと思われる。このような政府の答弁に野党はどのような「次の一手」を持ち合わせているのか?

 野党の追及に期待したい気持ちはやまやまだが、これまでの経過を振り返ると、会計検査院の報告によりかかるだけでは、疑惑は疑惑のまま残り、野党の追及は決め手を欠く結果で終わるように思える。

工事の障害にならない「地下埋設物」は「瑕疵」ではない

 国会や野党の真相究明の意気込みをはぐらかして、政府の逃げ切りで終らせないためには何が必要か? それは疑義の向け所を根本から転換することである。私の考えではその端緒は、
    「地中のごみ」=「瑕疵」→値引きが必要
という議論の組み立て自体を一から問い直すことである


  一つ前の記事で、地下に土地の売買において埋設物が確認され、それが補償を必要とする瑕疵に当たるかどうかが争われた2つの判例を紹介した。
 
 「工事に支障のない地中埋蔵物は瑕疵ではない~森友問題で会計検査院へ2度目の意見送信~」
 
http://sdaigo.cocolog-nifty.com/blog/2017/11/post-48ad.html 

 一方の事案の判決は瑕疵と認め、もう一方は瑕疵と認めなかったが、それは判断基準が分かれたからではなく、それぞれの事例に問題になった「地下埋設物」の形状が違ったからである。どちらの判決も、「売買の目的物に『瑕疵』があるとは、目的物に欠陥があり、その価値を減じたり、その物の通常の用途もしくは契約上特定した用途に適しない場合、または売主が保証した性能を具備しない場合をいう」という大判昭8114民集1271頁)を踏襲した点では共通している。また、その後、同種の事件に対して示された判決でも、同じ判断基準が採用されている。
 つまり、売買される土地の地中に土以外の異物が存在するというだけで、土地に『瑕疵』があると言えるわけではないという点では判例は概ね一致している。そして土地に「瑕疵」があると言えるのは買主が買い受けた土地を予定した用途に充てるための建築をするにあたって工事の障害となるような質・量の異物が地中に存在する場合に限られると解釈する点でも判例は共通している。(中原洋一郎・廣田善夫「地下埋設物が存在する土地の売却における瑕疵担保責任と行うべき調査――福岡地裁小倉支部平成21714日判決・判例タイムズ1322188頁」『季刊不動産研究』201310月、61ページ)。

 1122日、東京地検に告発状を提出した後、司法記者クラブで開いた記者会見の場で、代理人の澤藤弁護士が本件国有地の埋設物は瑕疵に当たらない理由を分かりやすく簡潔に説明している。また、同じ記者会見で醍醐は上記2つの判例の要点を手短に説明した。これらを動画でご覧いただけると幸いである。

記者会見の模様(Uplan 投稿動画)
https://www.youtube.com/watch?v=MEuapgZVsTI
 澤藤弁護士の説明 6:1111:18
 醍醐の説明 11:302040

Pb228936_2
(次稿に続く)


| | コメント (0)

工事に支障のない地中埋設物は瑕疵ではない~森友問題で会計検査院へ2度目の意見送信~

20171116

 今朝がた、森友学園への国有地売却問題を検査中の会計検査院(の意見受付窓口)へ以下のような2度目の意見を送った。

 佐川宣寿理財局長(当時)や近畿財務局は、約8億円のゴミ撤去費用は売却される国有地の地中埋設物に関する瑕疵担保責任を免除させる見返りだと説明してきた。しかし、小学校建設になんら支障がない(佐藤航空局長も工事に支障はないと国会で答弁した)ような地中の生活ゴミまで、どうして国が瑕疵責任を負い、売買価格を大幅に値引きする根拠にするのか、疑問に思ってきた。
 そこで、本件国有地の売買契約書、不動産鑑定書など関連資料と類似の事件(地中埋設物が売主の瑕疵担保責任、賠償責任となるかどうかが争われた事件)の判例を調べた。その結果、国が主張する瑕疵担保責任はたいへん恣意的な解釈で、「ごみ撤去費用」という名目で大幅な値引きをする口実にされたことは間違いないと確信するようになった。そこで、まずはこのことを会計検査院に伝えることにした。

 ------------------------------------------------------------------------------------------- 

タイトル
「森友学園問題:工事に支障のない地中埋設物は瑕疵に当たらない。それを売買価格から差し引くのは不当」
                         醍醐 聰 

 (1)近畿財務局は森友学園へ国有地を売却するにあたって、約82000万円を「ごみ撤去費用」として差し引きました。これについて佐川宣寿理財局長(当時)はこの82000万円は本件土地の瑕疵担保責任を免除させるための対価であると繰り返し答弁しました。しかし、かりに本件土地の地中に埋設物が存在したとしても、それが土地の瑕疵に該当し、土地の売却価格の形成要因となるのかどうかは別途、検討が必要です。

 (2)そこで類似の問題が争点となった判例を調査したところ、①地中埋設物を瑕疵とみなし、売主の瑕疵担保責任、撤去費用相当額の損害賠償責任を認めた判決(類型A)と、認めなかった判決(類型B)に分かれていること、⓶類型AとBに属する判決に共通するのは、買主が当該土地を買受の目的に供するために工事を行うにあたって、当該地中埋設物が障害となると認定された場合に「瑕疵」と判断したこと、がわかりました。
 こうした判断のリーディング・ケースといえる2つの判決の要点のみを記しておきます。

 (事例1)「宅地の売買において、その地中に、大量の材木等の産業廃棄物、コンクリートの土間や基礎が埋設されていたことが、土地の隠れた瑕疵になるとされた事例」(東京地裁、平41028判決、『判例タイムズ』No,831,199421日、159頁)
 
その理由として東京地裁は、「本件の場合、大量の材木片等の産業廃棄物、広い範囲にわたる厚さ約15センチメートルのコンクリート土間及び最長2メートルのコンクリート基礎10個が地中に存在し、これらを除去するために相当の費用を要する特別の工事をしなければならなかったのであるから、これらの存在は土地の瑕疵にあたるものというべきである」と指摘しています。つまり、地中埋設物が存在したこと自体ではなく、買主が土地を買受の目的に充てる工事を遂行する上で、埋設物が障害になったという事実にもとづいて「瑕疵」に当たると判断し、当該地中埋設物の撤去に要した費用を売主が賠償すべき損害と認定したのです。

 
(事例2)「鉄筋三階建ての分譲マンションを建築する目的で買い受けた造成地の地下にビニール片等の廃棄物が混入していたとしても、杭打工法により予定どおりのマンションを新築して買受目的を達している場合には、右造成宅地に瑕疵があるとはいえないとされた事例(神戸地裁、昭59920判決、『判例タイムズ』No.541, 198521日、180頁)
 その理由として神戸地裁は、本件土地にはビニール片等の廃棄物が混入していたため、当初予定していたベタ基礎工法を杭打工法に変更を余儀なくされたにせよ、現にこれを新築することができてその買受目的を達していたこと、工法の変更が必要不可欠なものであったという確証はないことを挙げています。

 (3)近畿財務局と森友学園が交わした「国有財産売買契約書」で本件土地に存在すると確認された埋設物は「陶器片、ガラス片、木くず、ビニール等のごみ」(第4条第1項)であり、前掲(事例1)に見られたようなコンクリート土間・基礎といった杭打工事に支障をきたすと思えるものは発見されていません。佐藤善信国土交通省航空局長(当時)も、こうした廃材、生活ごみが存在していても「工事の施工には問題はございません」(参議院予算委員会、2017228日)と答弁しています。現に、森友学園は本年4月の小学校開校に向けて校舎の建設工事を支障なく続けました。
 さらに、本件国有地の「不動産鑑定評価書」を近畿財務局総務部次長宛てに提出した不動産鑑定士も評価書の中で「最有効使用である住宅分譲に係る事業採算性の観点からは地下埋設物を全て撤去することに合理性を見出し難く、正常価格の観点から逸脱すると考えられる」と指摘しています。

 (4)以上から、本件土地の地中埋設物が「瑕疵」に当たらないことは明らかです。近畿財務局が森友学園側との価格交渉の中で「土地の瑕疵を見つけて価値を下げていきたい」などと発言していた事実(「新たなメモ見つかる」『報道ステーション』201783日)に照らせば、近畿財務局は正常な売買交渉ではないことを十分認識しながら、森友学園に利益を得させるため、瑕疵担保責任を故意に拡大解釈し、異常な廉価での売却を実行する背任を犯したと言わなければなりません。貴院の検査報告において、この点を徹底究明されるよう強く要望いたします。

Photo       (2017年8月3日、「報道ステーション」より)


| | コメント (0)

政府統計から消される「自主」避難者

2017830

  828日の「朝日新聞」朝刊に「統計から消える自主避難者」という記事が掲載された。同文が「朝日新聞DIGITAL」にも掲載された。

統計から消える自主避難者 福島原発事故、無償住宅打ち切り影響
「朝日新聞DIGITAL20178280500分)
  http://www.asahi.com/articles/DA3S13105922.html
 

避難者に「自主」を付ける官製用語は棄民政治に通じる
 今年の3月末で、福島第一原発事故の影響で各地に避難した「自主避難者」への避難先住宅の無償提供が打ち切られたのを機に、各市町村が自主避難者の多くを統計上「避難者」に計上しなくなったのがその理由とされている。
 しかし、無償が有償(自己負担)に代わったからといって、また、それを理由に政府統計上、「避難者」にカウントされなくなったからといって、元の生活に戻れず、避難生活を余儀なくされる人たちがいる現実がなくなるわけではない。

(参考)「県外への避難状況と推移」福島県HPより)
    http://www.pref.fukushima.lg.jp/site/portal/ps-kengai-hinansyasu.html
  
201238日(ピーク時)      62,831人  
  2017313日(避難指示解除直前)  39,218人 
  2017714日(最新の調査時点)   35,166人 
 《醍醐コメント》
   ①避難指示が解除された時点の県外避難者の89.7%は今も県外で避難
    生活をしている。
   ②ピーク時の県外避難者の57.0%が今も県外で避難生活をしている。

 行政が支援を打ち切ったのを理由に、政府統計から消される人たちからすれば、生活者としての今の自分を政治の手で抹消(棄民)され、闇(=社会の関心の外)に葬られるのと同じではないか・・・・自分が「自主」避難者だったらと考えると戦慄と怒りがこみ上げる記事だった。
 私が調べたかぎりでは、この問題を報道したのは上記の「朝日新聞」の記事
だけで、他のメディアは伝えていない。

「福島の人間だとは絶対言わないように生きている」 
 問題はメディアだけではない。県外避難者に、「福島からの避難者」という自分の履歴を伏せて、ひっそり避難生活を送ることを余儀なくさせている日本の「ムラ社会」体質の根深さも露呈している。
 これについてはNHKが偏見の実態を生々しく伝えた。社会部の調査報道の労作である。
 「震災6年 埋もれていた子どもたちの声 ~“原発避難いじめ”の実態
 (NHK「クローズアップ現代+」No.3947201738()放送
  http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3947/1.html 

Photo_2
「父親
ずっとこう言われる。『東電に文句を言えば金になるんだろうから、なにも働かなくてもいい』って。」

90代女性(埼玉)
あなたたちは、俺たちの税金で暮らしてんだよなーと声をかけられた。心が震えました。」


「父親
他の人たちに被災者だと知れ渡ったときの怖さが出てしまう。今でもそうですけど、福島の人間だっていうのは出さないように。今でも『絶対に言わないように』って、お互い確認し合いながら生きている。」

「社会の目となり耳となれ」~メディアの調査報道の初心~
 「人の目となり、耳となる」ということわざがある。「メディアは社会の目となり、耳となれ」と言われたりする。「調査報道」の初心を表す言葉といってよい。
 「自主」避難者という言葉の非自明性(政治性)、この言葉に潜む「棄民政治」への通路、にメディアも私たち自身も、もっと感性を研ぎ澄ます必要がある。

 「自主」避難者という官製用語に易々と染められてどうする! 
 「メディアの権力監視」という言葉を利口ぶって使うんじゃない!
 使うなら、もっとリアルに、地べたに足を着けて、自分の言葉で使え!
 「被災者に寄り添う」などという浮わついたた言葉を私は好まない

 自戒を込めて


| | コメント (3)

より以前の記事一覧