陽だまりを移動する飼い犬

 西日本や日本海側は大雪というが、千葉は穏やかな晴天に恵まれた3が日だった。一日中自宅で過ごす日が続くと飼い犬と向き合う時間が多くなる。とはいっても、休み明け前に仕上げなければならない仕事とゼミ生の卒論のコメントに追われる毎日である。そのため、このブログに論説めいた記事を載せるのはままならない。

 その代わりといっては何だが、飼い犬と過ごす時間になにげなく思いついた短歌を日記帳に書きとめた。文字どおりの駄作であるが、日々の思いを書きとめる励みのつもりで載せることにした。


姉犬が逝きて翌年の年賀状に姉妹と記して写真を挿入(いれ)る

陽だまりにあわせて居場所を移す犬の胴毛に手をやり鼻すり寄せる

紐を解けば飼い犬小さき庭を駆け夕べの散歩を私にせかす

遠からずファミリーマンションが建つという高台に響く「野ばら」のメロディ
 

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本多勝一さんの個展を訪ねる

 「ワーキングプアⅡ」のふれあいミーティングに参加する前に
 2月3日、久しぶりに夫婦で東京へ出かけた。NHKスペシャル「ワーキングプアⅡ 働く貧困層」を視た視聴者と番組制作スタッフのふれあいミーティングに参加するのが目的だったが、その前に飯田橋駅近くのギャラリーで開かれている本多勝一さんの個展に立ち寄った。本多さんは不在だったが、来訪者名簿に記入をしておいた。

 繊細な画筆にびっくり
 年賀状代わりに本多さんからいただいた寒中見舞いに案内が記され、「何かのツイデがありますれば・・・・」と添え書きがされていたのが今回の個展を知るきかっけだった。
 「ドしろうとの横好きにすぎませんが」という文章を半分真に受けて出かけたが、印象派を思わせるような繊細な写実風の水彩、油彩、絹版画が並んでいるのを見て驚いた。

 計9点からなる「中央アルプス空木岳をへて南駒ヶ根へ」と題する新作は昨年10月に中央南駒ケ岳に登られたときのスケッチだそうで、本多さんの16歳のときの「わが青春の山」だそうだ。
 そのほか、岩手山、昭和新山、十勝川上流、日高山ろく、伊那谷駅、徳本峠などを題材にした作品とあわせて、ヒンズーラージ、ブータン、テヘラン、カンボジアなどの四季を描いた作品、あるいは神田駅や有楽町界隈を描いた作品も展示されていた。本多さんが現役の記者時代に取材先で手がけられた作品なのだろうか?
 なかでも、雪の伊那谷駅の風景画に私は魅かれた。連れ合いもそれが気に入ったようで、ギャラリーの管理者の了解を得て、そのそばで写真を撮らせてもらった。

 個展の期間、ギャラリーの場所は次のとおり。

 本多勝一作品展(油絵・水彩・スケッチ・絹版画)
 2007年1月15日(月)~2月10日(土)
 9:00am~7:00pm
 日曜・祭日は休廊 最終日は1:00pmまで
 健康事業団「東京顕微鏡院」
 こころとからだの元気プラザ
 1階 ギャラリー ひろば
 (飯田橋駅より徒歩1分)

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60回目の誕生日

5月9日は私の60回目の誕生日。還暦という実感はわいてこないが、体力は(気力も、とは言いたくない)年齢相応に老いの始まりを感じる。

月曜日、何時も通り、15時に2階の202演習室に行くと明かりがついていない。おや、と思いながら、ドアを開けると暗闇の中でクラッカ-が飛び交い、ハッピ-・バ-スデイの歌が始まった。その瞬間、去年も同じように祝ってもらったのを思い出した。

明かりで照らされたテ-ブルには、2箱のデコレ-ション・ケ-キとシャンペン、赤・白のワインが用意されていた。さっそく、ケ-キにナイフを入れ、全員に分けて乾杯。ケ-キもシャンペンも好物の私には、ゼミ生の細やかな心遣いとあわせ、何よりの誕生日となった。

少し照れて、その場ではうまくお礼を言えなかったので、さきほど、ゼミのメ-リング・リストに感謝のメ-ルを送った。その末尾に書き添えた二首の短歌が60回目の誕生日を迎えた私の気持ちを代弁してくれているように思う。

風よりも静かに過ぎてゆくものを指さすやうに歳月といふ
                      
稲葉京子


同じ日に生まれしならん樹下(こした)なるどの蝉も今日裏返りをり
                      
稲葉京子

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